「W杯4強」の目標に向け、「強いチームとやりたい」と言っていた岡田監督だが、当てが外れた格好
日本代表合宿(13日、宮城県内)日本代表は14日、キリンチャレンジ杯・トーゴ戦(宮城ス)を迎える。13日は公式練習を行った。重要なアフリカ対策となるはずだった一戦だが、トーゴ代表は来日が大幅に遅れて公式練習をキャンセルし、大量の辞退者も出るなど、本気度に疑問符が付く状況。それでも岡田武史監督(53)は「相手の状況は2番目」と冷静にチームの向上を見据えた。先発の期待がかかるFW森本貴幸(21)=カターニア=は、世界基準の決定力披露に自信を示した。
アフリカ勢への苦手意識を克服する重要な一戦のはずが、すべて水泡に帰した。トーゴの8選手がドタキャン。仙台入りが半日遅れ、公式練習もキャンセル。ぶっつけ本番の、本気とはほど遠い状況が明らかになった。
「強いチームとやりたい願望もあるし、残念だが、トーゴ協会と選手間のトラブルと聞いている。しようがない」
会見で努めて冷静に振る舞った岡田監督だが、無念は隠しようもなかった。19人が13日早朝に来日するはずが、実際はわずか14人。世界的FWアデバヨル(マンチェスターC)の姿もなく、チームが仙台市内に到着したのは、日付も変わろうという午前0時前だった。
8日のアジア杯予選は格下の香港が相手。10日のスコットランドもW杯出場権を失った相手は二軍の構成だった。トーゴは10日にW杯予選での敗退が決まり、金銭面のトラブルもあってこのありさま。DF闘莉王は「エッ、そうなの? ダメですねえ」。DF内田も「日本じゃ考えられない。国民性かなあ」と苦笑い。3連戦の意義が問われる事態に、日本協会・犬飼会長もアウェー戦追加を示唆したほどだ。
そんな中でも指揮官は「一番大切なのは、残り8カ月に選手たちが本気でチャレンジしていくこと。僕にとって相手のことは2番目」と切り替えた。試合会場での公式練習では、低く速いクロスに加え、サイドから中央を見ずに上げる『ノールック・クロス』も徹底させ、対世界仕様を鮮明にさせた。「相手がどうであれ、前に進んでいる意識を高く持って臨みたい」と俊輔も呼応する。
「自分たちのやるべきことを、90分間、やり通す。いい試合をして、勝負にも勝って締めくくりたい」と岡田監督。W杯本番まで8カ月。アフリカ対策の位置づけは微妙になったが、今は与えられた環境を最大限に生かすしかない。(サンスポ)