ブエナビスタの斜行の影響を受けてブロードストリートの手綱を引いて立ち上がる藤田騎手
第14回秋華賞(18日、京都11R、GI、3歳牝馬オープン国際、馬齢、芝・内2000メートル、1着本賞金8900万円=出走18頭)牝馬3冠最終戦は、四位洋文騎手のレッドディザイアがゴール前の壮絶な叩き合いを制し、悲願のGIタイトルを獲得。1分58秒2(良)。次走のエリザベス女王杯でGI連勝を目指す。6年ぶり史上3頭目の牝馬3冠を狙った1番人気のブエナビスタはハナ差2位に入線したが、ブロードストリートへの走行妨害で3着降着。ブロードが2着に繰り上がった。
単勝1.8倍の断然人気に推されたブエナビスタは、直線で馬群を縫い、猛然とレッドディザイアを追いつめた。約7センチの一騎打ちに場内は大興奮だったが、ゴールから約10分後、ブロードストリートの進路を妨害したとして2位から3着に降着。3冠を逃し、さらに降着処分まで受け、春の2冠馬は一転、悲劇のヒロインとなった。
〔2〕枠(3)番で好スタートを切ったブエナは内々の中団を追走。札幌記念は無理に抑えて折り合いを欠いただけに、安藤勝己騎手は走る気に任せた位置につけた。結果的に、これが裏目となる。3~4コーナーで進路を外に取ろうとした際、後ろにいたブロードストリートの前に入ってしまった。
「そんなにひどい動きはしていないし、急に外に行ったわけでもない。あそこは馬が集まるところだからね」と安藤勝騎手は憮然とした表情。直線ではスムーズに進路を取り、上がり3ハロン34秒3を発揮しているだけに、釈然としない。「正直、納得いかない部分もあるけど、裁決が決めること。こういう結果になれば、誰かに責任がある。それは前にいる馬だよね」と話して足早に競馬場を後にした。
93年ベガで成し遂げられなかった牝馬3冠に挑んだ松田博資調教師は、皮肉にもベガと同じ3着。「結果的にもう少し後ろから外を回っておけば…。レースやから仕方ないけどな。早めに外に出しておかにゃ詰まるわな」と初めての経験となった内々での競馬に敗因を求めた。
次走は「エリザベス女王杯か、ジャパンC(11月29日、東京、GI、芝2400メートル)かは分からんぞ」とトレーナーは明言を避けた。初めて牝馬に負けたブエナビスタ。この屈辱は、必ず次で晴らしてみせる。(サンスポ)