雛人形を作っている江戸木目込人形職人  ~伝統工芸士 新井久夫~

人形のまち岩槻で、おひなさまや、贈答用の木目込人形をつくっている職人のブログです。

良い雛人形の選び方

2009-01-23 23:25:52 | 節句人形 雛人形
良い雛人形の選び方についてお話します。

まず、雛人形の値段の違いがどこから来るのでしょう?
二大要素は、「かしら」と「衣装」です。

「かしら」とは頭、顔のことですが、面相の良し悪しは好みですので何とも言えませんが、頭職人の面相書きの差がでるのは、太くて濃い線ではなく、薄い細い線でどれだけ丁寧に書かれているか、というところです。

奥行のある、きめ細かい白い肌のような胡粉が丁寧に塗られている事も大切です。

髪の毛は、ナイロンと絹(本スガ)がありますが、ナイロンはやたら光っていますが、絹の本スガは細くて高級感のある艶消しの黒です。

次に「衣装」ですが、金襴には化学繊維を使ったものから、高級な正絹(絹糸)で織られたものまで、様々です。また織り方も値段の違いになります。
同じ面積を織るのにも、ザックリ織ったものと、細くて丈夫な糸で、しっかりと詰まって織られたものがあります。

とりわけ木目込人形の雛人形では、直接ボディーに金襴を木目込みますので、ほつれにくい、しっかりとした、比較的高級な布を使う事が多いと思います。

衣装着の雛人形の場合、金襴を裏打ち(布の裏に紙や、不織布を貼る)ので、ほつれは防げますが、比べると、違いがわかります。また裏打ちの仕方も高級和紙を使ったり、洋紙や不織布、古新聞紙を使ったり様々です。

頭、衣装の差以外にもその人形を作るのにどれだけ手間暇をかけたか、という事も
金額に係わる大きな要素です。
人形に対する手間暇のかけ方、こだわった雛人形の作り、またいずれお話いたします。

http://arai-kimekomi.co.jp/


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