淫らなおくすり

お前が悪いんだろう？
そんなことないもん。
だったら自分の胸に手を当ててよく　


揉んでみろ！

いやぁぁんぬ♪

という遊びを昔彼とやっていたことがあります。
はい。痛いね。痛い子だね・・・

先日、喫茶店で待ち合わせていると隣の席で幼年の女の子とそのお父さんが座っている。
ぐずぐずと泣く子。どうしていいのかわからないパパ。

「どうして泣くの？何かほしいの？ママはもう少しで来るから」
それでも嫌々を続ける子。
「おなかすいた？ジュース飲もうか。キャンディー舐める？」
嫌々はとまらない。
「なんだ、何処か痛いの？」

こっくりとうなずく子。
「おなか痛いの？トイレいく？」
嫌々、嫌々。パパにぎゅっとしがみつく。
するとパパはひざに彼女を乗っけるとひげもじゃの顔を摺り寄せて
「痛いのないない。痛いのないない」
そのまま彼女のほほにキスをする。
ひげがくすぐったかったのか、パパのおまじないが利いたのか、その子はきゃっきゃと笑い出すとパパにお返しのキスをした。

キスってなんでするんだろう。
お互いの胸がつながりたくて引き寄せるのだろうか。何か埋めたくてするんだろうか。
すごく好きな人としたキスを脳裏に思い出してみたけれど・・・
忘れたよ；；そんな感覚すら忘れたかもしれない。
無意識にその人を食べたくなるのかな。
おざなりなの、心がないの、友達なの、もう一度はないの。そんなキスばかり思い出してしまう。
キスってなんでするんだろう。
どうでもいいが、あたしはものすごく好きな人とキスをするとどうしても唇をあま噛みしてしまう。
あのやわらかさがすき。
唇は一番好きだけど・・・髪やほほの方が覚えているかもしれない。

昔、ものすごく若かったころ彼が浮気をしたことに腹が立ち、涙が止まらなかったことがある。
もう機嫌は直っていたけれど、なんだか気まずく不貞腐れていた。

「機嫌直して」
「直ってる」
「怒ってるぢゃん」
「怒ってない」
「ぢゃぁなんでしかめっ面なわけ」
・・・・・

「痛いから」

すると彼はあたしの顔を正面に向け眼を見つめると、前髪にキスをした。
「ここですか？」
嫌々。
髪、おでこ、右目、左目、右耳、右ほほ、鼻、左ほほ・・・

「ここですか？」
嫌々。
ひとつずつ訊きながら、ゆっくりと。
首、あご、鎖骨・・・
「ここですか？」
嫌々。
「じゃぁ、どこですか？」

・・・・
「こころ」

ボタンをはずして左の乳房。
「ここですか？」

嫌々。

もう、機嫌は直ってた。顔もしかめっ面なんかしてなかった。彼の目も笑ってた。
髪をぐしゃっとつかんで引き寄せて唇にキス。
唇を残したのは彼のたくらみだったんだろう。
何度も熱く重ねた後
「ここですか？」

「はい」

浮気は・・・許しますが、態度が許せなかった。
だけど、彼の作戦にまんまとはめられてしまった気がします。

まぁ、その後・・・
ハメられたんですけどね♪