Three frogs which smile.

酒飲みは奴豆腐にさも似たり
初め四角であとは ぐずぐず

おけがなくっておめで鯛!

2004-09-28 | 中毒
落語の「大山詣り」ぢゃないっす。

「鯛」

下ごしらえさえしてしまえばもう飽きずに全部いただけてしまうお魚さんでございます。
鱗を取るのと骨を切るのが出来ればいいのですが大抵は「かぶと・あら」か「切り身」でお求めでしょう。

鯛の料理の前に必ずするのは鱗と小骨チェック。
これを忘れると口の中が痛い目にあいます。
骨は骨抜きでぴぴぴと。
背の部分の小さい鱗も忘れずに。
見つけた場合は包丁を尾っぽの部分から当ててこそいで。
鱗がはねるので気をつけてね。
そういえば、皮がついているものもあんまりないのでしょうかねぇ。
皮付きだったらやっぱり湯引き。

まな板の上に皮を上にして布巾かペーパーナプキンを乗っけたところに熱湯を。
皮がちりりとなったらすばやく氷水の中へ。
ぴっと身が締まったら水気を切って刺身切りにしてかぼすを絞ったり、梅肉でいただいたり。
皮のぷちっとした食感と〆たことでぐっと味濃くなった鯛の風味をあっさり。
冷酒のきりっとしたのど越しにあいまする。

柵もただ刺身にして出したんぢゃ飽きちゃうから、いろいろ楽しみます。
酒と塩を振って昆布に巻いて2、3時間寝かせて昆布〆。
これに特製昆布〆貝割れ大根を添えるともう、何杯でも呑めちゃうんです。
昆布、貝割れ、塩、昆布、貝割れ、塩の順に乗せてって2,3日寝かせるだけ。
昆布でとろっとしてるんだけど貝割れの辛味がまろやかになっていいんです。

刺身切りした身をしょうゆ、煮切った酒、ごま油に高の爪少々に漬けて生野菜と和えたり。
しゃきしゃきの野菜にぴりっとぷりっとの鯛の歯ごたえがたまらんのです。
残った普通のお刺身も煮切った酒としょうゆに漬けてあつあつご飯の上に乗っけてだしをかけて胡麻かけて定番鯛茶漬け。
だしも鯛のあら骨とちょっとだけの塩と生姜で取ったお澄ましだとうれしいっす。
ここにも昆布〆貝割れ添えて。

切り身で残った身をちょっと塩振ってふっくら塩焼き。
それをすり鉢でゴリゴリごりごり。
味噌、みりん、さとうを少々加えてまたゴリゴリ。

冷奴に乗っけてもあったかいご飯に乗っけても、お茶漬けにしたっておいしいん。
そのままちょみちょみつまんでもいいしねぇ。
鯛を焼いてあるのでほのかに香ばしくって、ふわっとした甘さがあるのでやっぱりお酒がすすみます。

かぶとはもちろん定番「かぶと煮」でしょう。
こっくりゆっくり醤油と酒とみりんで。
落し蓋の間からのぼるあまじょっぱい薫りが好き。
箸も使うけど、ここは手でいただきたい。
骨の髄まで吸い尽くす感じで。
そんなにひもじい思いはさせてないよ。ぐらい言わせたい。
なので、家族の前でしか食べません。

小鯛は鱗をとって内臓とって湯引きしてきれいにして、塩振ってと最初の手間はおんなじ。
そこからはそのまま昆布と塩と酒を入れたお米と一緒に炊いて鯛ご飯。
三枚におろして酢で〆たり、そのまま潮汁にしたり、その潮汁でそうめん食ったり・・・
南蛮漬けにしてもあっさりでおいしいっす。
一度揚げてあるのでこくがあるし。
そのまま酒蒸しも捨てがたい。

お澄ましで残った骨も天日で干して細かにしてふりかけって思うけど、
これだけ食ってそんだけ呑んだあとですから、そんな余力は無かったりします。

酒呑みってしあわせ!
(懲りてないのがよく分かる)

写真はもちろん、鯛を食べたら「鯛の鯛」