Three frogs which smile.

酒飲みは奴豆腐にさも似たり
初め四角であとは ぐずぐず

あなたとまどろむ 朝のぬくもり

2004-09-21 | 落語
土曜日はHOTROAD看板女優客演!!の
ピープハット★プロデュ-ス公演  
『銀雪に舞う』
を観に行く。

場所が中目黒だったのでほんとに懐かしくうれしかった。
(あれは20歳の頃だった。一番最初に就職した会社があったのが中目黒。青春の日々よ。)
お芝居は大衆演劇の一座に巻き起こる家族愛、座の愛と珍騒動をテーマにしてる。
落ちは・・・うそーん、やっぱりそのおちっすか?!
って思ったけど、大衆演劇っぽい熱さと程よいクドさを持ち合わせつつ、
唄に踊り、エンターテインメント要素大。
ちゃんと笑いも取れているので間合いがいいのでしょうねぇ。
役者さんの年齢層にも幅があり、色よい味が出ておりました。
たのしかったっす。

その後の予定には時間があったので8年前に毎日のように通ったラーメン屋へ。
塩らーめんに味玉入れて。
あまりの懐かしさに量が多かったのにもかかわらず無理して平らげる。
この無理がその後の呑みにとても大きく響きました。がっつりです。

翌日、寄席 愚離粗無亭へ!
もう、豪華だったんです。
五街道喜助さんの落語「居残り佐平次」、「お直し」
映画「幕末太陽傳」
の3本だて。

うちから読売ランド前まではもんのすごい とおい
が、そんなことは関係なしです。

「居残り佐平次」
居残りって言うのは、廓(くるわってオンナ遊びするとこね)でお金が払えなくてそのままそのお店に残ってしまう人のこと。
で、この佐平次は居残りを商売にしている人。
人のいいお店の旦那さんから着物やらお金やらをだまして貰って行っちゃう。

この説明だと佐平次はとっても嫌な人。
実は肺を患っていたり、自分がいない間にお母さんが困らないようにお金を用意していたり、
お店がうまくいくように動いたり・・・いろいろたくさんあるんです。
これらのやり方ひとつで佐平次が活きて来ると思うん。

オトコの美学的な噺だなぁって思う。
ま、だまし方もきれいだったし、灰汁が強くないので喜助さんの佐平次は嫌いぢゃない。
たぶん、喜助さんは顔で得してるなぁ・・・・

映画「幕末太陽傳」
言わずもがなー、居残り佐平次を主人公とした映画。
舞台背景が幕末の品川になっていて石原裕次郎の高杉新作が
「三千世界の鴉を殺し主と朝寝がしてみたい」なぞと都都逸を。
お店の若旦那は徳三郎、奉公している少女がお久。
花魁のこはる、おそめ、貸本屋金蔵、大工は長兵衛。
わかる人だけついて来い状態。

品川心中、文違い、三枚起請、文七元結、お見立て・・・
落語知ってたらもう十二分に楽しめるんだろうなぁって思いましたわ。

「お直し」
廓の花魁と店の若い衆がイイナカになってしまって花魁は遣り手と呼ばれるお店の従業員に、
若い衆(亭主)はそのまま客引きで働く。
が、お金が貯まると亭主は博打にはまってしまってオケラ。
二人ともお店をクビになってしまう。
考えた亭主、仕方がないから女房をまた女郎として働かせることにするけれど、
ランクが「蹴転ろ(けころ)」という下の下の店になってしまう。
惚れて連れ添った亭主にまた身体を売れと言われて仕方がなく、店に出ることにする女房。
ただひとつ条件があって「やきもちをやかない」こと。
口先の手練手管でオトコをだましてお金をいただくわけですし、亭主の采配ひとつで巧くいくものも巧くいかない。

落ちまで説明はしませんが、
この「惚れて連れ添った亭主に身体を売れと言われて、また店に出る」という決心が出来るまでのオンナの表現がこの噺のキーになると思うんですわ。
喜助さんが前にかけたときに、お客様からオンナのキモチがわかってないとクレームがついたらしい。
今回聞かせていただいたものは好きだけれども、だから嫌だけれども。
のキモチが見えてよかったな。
終わったあと呑んでいる席で以前かけた「お露新三郎」のなかで気になっていた点を聞く。
なぜ、お露殿からお嬢に呼び方が変わったのか。

キモチの出し方は難しい。
一席一席出し方をかえていく。
噺は生き物であるから何度聞いても面白いん。
なるほどの答えをいただいて気持ちよく帰りました。

今度は12月。楽しみです。

月曜日は新宿に呑みに。
結構ハプニング満載でした。
ので、この話はまた明日ー!