Daily Bubble

映画や歌舞伎、音楽などのアブクを残すアクアの日記。のんびりモードで更新中。

やじきた道中 てれすこ

2007-12-05 00:01:14 | cinema
のんびりとコタツに入って蜜柑を剥きながら、家族中で楽しめる映画だなぁとのほほんと楽しみました。
むかし、年末の深夜に必ず放送していた「猿の惑星」みたいに、夏休みの昼間に必ずやっていた「グーニーズ」みたいに、もうすこし経ったらきっとテレビの定番映画になるんじゃないかなぁ。とりたてた主張の無いちょっと変わった人たちの善意に満ちた道中。くすくす笑って、安心して見られる娯楽映画でした。私は、好きだなぁ。

実はね、ちょっと心配したんですよ。
だってほら、弥次さんと喜多さんって男色な間柄でしょ。勘三郎さんと柄本さんのボーイズラブ(と言うのか…)なんて想像したくない。でも、平気。「真夜中の弥次さん喜多さん」とは違い、弥次さんと喜多さんは単なるお友達として描かれていました(笑)。

まず目に付いたのが勘三郎さんの顔の大きさ、いや、キョンキョンの顔の小ささか。そしてそれを凌ぐ柄本さんの顔の大きさ。
設定年齢不詳のまま、バランスがいいのか悪いのか分からない3人の旅が始まります。
キョンキョンと勘三郎さんは30代で十分通じてしまいそうなお顔の張りだけど、柄本さんは40代でもちょっと辛い?
でも、まぁそんなのどうでもよくなってきます。

コケティッシュなキョンキョンは、おきゃんなお女郎さん。くったくの無いちょい悪乙女って役どころは、キョンキョンにぴったり。
勘三郎さんの江戸っ子っぷりは天下一品!どこまでも人が良くてちょこっと間抜けでちょこっと切ながりなのもいいですね。
柄本さんの酒乱の大根役者も最高!キレたときの表情、ヤバイよ。

品川の廓からお話は始まりますが、この廓の雰囲気がまた良かったですね。先日「吉原手引草」を読んだせいか、岡場所を案内されているみたいで面白かった。柿色の壁が素敵でしたよ。
品川の遊郭を足抜けして静岡へ向かう道中も、宿場町やら杉並木やら懐かしくてするりと和む風景がまた楽しい。
箱根の杉並木で、じゃんけんをする3人のカットがとても良かったよ。

ところで、「てれすこ」というのは落語の演目なんだそうです(てれすこ-Wikipedia)。
3人の道中も落語の演目が織り込まれているそうなので、落語ファンには二倍おいしい映画なんでしょうね。生憎、落語の分からない私にはさっぱりさっぱりでしたよ。

あ、ワタシ的ツボは藤原直美さん。舞台の陰で慌てていた彌十郎さんも可笑しかったな。

やじきた道中 てれすこ