ストリングスアレンジ
がすごく良くて
物語の情景を
効果的に盛り上げてくれている。
別れの情景は
悲しくも
振り切るものが心に去来する
いくつかの場面を
ひとつひとつ整理しながら
次へと進むのが
お互い大人の別れの仕方なら
人混みに紛れて消えてゆく
君を見失う時間が訪れるように
そう、突然に…
その方が
あとを引かないのかもしれない。
その人は
一度だけその目に
焼き付ける為
密かに
面影色の列車に乗って
訪れてくれた。
少し早い夏前の事。
出会いは突然で
どうやって平静を装うか?
装うったつもりが
笑顔がぎこちなく
こんなはずじゃなかったのに…
え?え?え?
なに?なに?
が心を行ったり来たり
訪れた君は
一瞬を切り取りに来て
僕は時間を包み込もうとするけれど
この手をスルリと溢れる様に
君は
シンデレラの様に
僕の前を振り向きもせず
走り去る。
一瞬が永遠にはならず
焼き付けた時間はわずかながら
たしかにそこにいた君は
時間を気にするシンデレラのよう…
ガラスの靴さえも
置かないで
風のように去っていったあの時の君。
残り香もそこにいたという
事実の時間さえも
ごっそり残らず跡形もなく
持ち帰った君。
ふるさと行きの指定券を握りしめて
立ち去った君