チョキで殴るぞ!

自分のことは棚に上げ、他人には一言つっこまずにはいられない、 わがまま“びっきい”によるツッコミ短歌ブログです。

ぐるぐると回転しながら立ちションをすればぼくらはスプリンクラー

2007-03-01 05:51:43 | びっきい昔ばなし
むかしむかし、
あれはワシが小学生の時のことじゃった。
ジャイアント馬場が全盛期だったころの
全日本プロレスを見にいった帰りのことじゃ。

季節はちょうど冬のまっただ中。
バス賃をケチってワシは徒歩で帰宅の途に就いた。
家までは約50分。
猛烈な吹雪に巻き込まれ、
呼吸もままならないほどじゃった。

それでも前進するのみ!
だが、半分ほど歩いたところで、
全日本プロレスのテーマを口ずさむワシを、
突然、尿意が襲った。
でも、こんな厳冬に立ちションなどしたら、
おちんちんが凍傷でポロリともげてしまう…
そう考えてワシは必死にガマンしたんじゃ。
寒さと尿意に震えながら、家路を急ぐワシ。

そして、なんとかかんとか、
おしっこ一滴漏らさず家までたどり着くことができた。
ところが、不思議なもんじゃのう…。
尿意というものは、
ホッと気がゆるんだ途端にググッと切迫するんじゃ。

がむしゃらに玄関のカギを開けようとするが、
あたりはまっ暗やみでカギ穴がよく見えない。
ヤバい…漏れる…。
ワシはあわてて家の裏手にある庭へ回った。
もう、辛抱できなかったんじゃ。
凍える指でズボンのチャックを下ろし、放尿。
湯気が立ち昇る中、ワシはしばし恍惚に浸った。

しかし、考えてみてくれ。
自分の家の庭で立ちションする惨めさを!
犬の如く自宅へマーキングする虚しさを!
ワシはあの日のことを一生忘れないだろう。
ジャイアント馬場の十六文キックとともに。