「お荷物をお持ちします」とポーターが 「そこのダンナ、よろしく」と妻が

あっちの会社にも、こっちの会社にも、
“お荷物社員”は必ず存在するワケで。

かといって、なかなかバッサリと
簡単にクビを切ることもできないワケで。

とはいえ、このまま不要の荷物を
ほったらかしにしてはいられないワケで。

「君には将来の夢があるかい？」と、
人事部長が間接的に問うてみるワケで。

「テキトーに働いて食うことっすよ」と、
お荷物くんはいとも無造作に答えるワケで。

「大きく羽ばたこうよ。北の大地で」と、
部長はトンチンカンなことをのたまうワケで。

「いいっすね、北海道。食いもんウマいし」と、
ノータリンなお荷物くんは即答するワケで。

早速、部長はクロネコヤマトに電話して、
お荷物くんを富良野支店に配送するワケで。

…いやいや、こんなオチでいいのかと、
キーボードを叩きながらも実に不安なワケで。