ロシア留学中・脱力進行中

モスクワ留学滞在記、スポーツ(特にテニス)のこと。他に趣味(漫画や音楽)等いろいろ・・・

カジノの戦い~万華鏡(カレイドスコープ)~

2005-11-27 14:11:46 | モスクワ留学記
7時半ごろホテル「アリョーナク」着。
連れのT氏が来るまで、とりあえずいつもの「俺達の台」で頑張ることに。
少し勝ったところでT氏現る。実は先について別の場所でやってたそうだ。
ちょっと負けとな。ということでとりあえず腹ごしらえで日本食を食べに行く。
頼んだメニュー当然勝つ丼。今日は勝つ。

その後T氏にルーレットのやり方を伝授したり店内を見て回ったりし気合を高める。
そして決戦へ。
スロットを打ち続けること数時間、一撃3,000ルーブルの大当たりも有り、
一時は勝ち額1,500ルーブルまで達したものの、その後色気が出て負けが重なり、
最大10,000ルーブルのマイナス!
これはやってられない。負けすぎた。
後悔の重なる中、T氏から必殺の戦法が伝授される。
中途半端に賭けるのでなく一度に賭ける額をもっと大きくし、勝った所ですぐ引き上げ。
これだ!
2人でこの戦法で挑む。まずT氏に来た!一撃7,000ルーブルの大戦果!
これでT氏は一挙にプラスへ転じる。
俺には来ないのか!?そう思い始めた刹那、来た!一撃6,000ルーブル!
もうひとつ絵柄がズレれば9,000ルーブルだった、惜しい!
さすが「俺達の台」と見込んだ優秀台だぜ。
この後好調の波が来て、一時はマイナス4,000ルーブルまで回復。
逆に俺に付き合ってプレーを続けてたT氏は、プラス2,000ルーブルからから一転、
最大で6,000ルーブル前後のマイナスを抱え込むことに。
明暗分かれる両者、と思いきや再びT氏に7,000ルーブルの大当たり。
本日2度目、有り得ない。
「これは奇跡かな」(byワイパー ONE PIECE)。
ムダだアリョーナク。お前には落とせやしない、誇り高い…戦士達の歴史を!
どんなにハズレを引こうとも、どんなに金を吸い取ろうとも、T氏は、負けない!

俺は負けました・・・orz
結局再び波が変わってマイナスが悪化。明暗の暗は俺の方でした。
延々15時間。気が付けば日曜の朝を回っていた。
「何をやっていやがる・・・」モスクワまで来て。
しかしこの日は何か大きなものを得た気がする。
ギャンブルに必要な節度と勇気を改めて心に刻み、家路に着いた。
次週、決戦は金曜日!

肖像画

2005-11-27 13:42:42 | モスクワ留学記
26日の土曜日、日本語を習っている学校の人達と美術館鑑賞に参加した。
同じ寮の留学仲間が計・・・14人!?と大人数。
クレムリン脇にある、ソ連国立国民画家美術館(?←訳すとこんな感じ)に集合した。

日本人&ロシア人それぞれ2~3人づつの組に分かれて館内を回る。
組になったのはこのブログにも度々名前が登場するI氏とエレーナとエレーナ。
同じ名前かよ!紛らわしいったらありゃしない。
片方はブリャート系で、日本人と似た顔立ちだった。
今日の内容を聞いてみると、これは学校の課外授業の一つの様で、
実際の日本人と話してみよう!ってな授業か。知らずに参加してました。
この日は結構有名な人物画家の展示で(館内全て)、95%が肖像画だった。
さすがにちょっと飽きてくるので、後半は絵とは関係ない話もして盛り上がった。
鑑賞が終わると解散。せっかく知り合ったのでカフェで茶でもすることに。
トヴェルスカヤ通りのコーフェ・ハウズ(英名=コーヒー・ハウス)に行き、
茶をしばきながらしばし雑談。1時間ちょっと位で解散した。
一応電話番号も交換したので、この後再び会う機会のあることを祈りつつ・・・

さて、せっかくの土曜日。このまま寮に帰るとお思いか。
当然帰らない。T氏に連絡を取り、ホテル「アリョーナク」へ行くことに。
2人は再び戦場へ・・・続きは次回

病に斃れ

2005-11-22 23:30:40 | モスクワ留学記
7時丁度、コンセルバトーリヤ到着。
今日はゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮
ショスタコーヴィチ交響曲第4番があるのだ!

あれ・・・閉まってる?
ホール入り口が閉まっていて、その横に貼ってある紙にロシア人が群がっている。
なんだろうと見てみると、そこにはコンサート中止の告知が!
指揮者のロジェストヴェンスキーが病気ということで、本日の演目は中止。
払い戻しは1番カッサ(券売所)で。なんてこった、指揮者が病気じゃしょうがない。
非常に残念な事ながら、1ヶ月前から楽しみにしていた演目は延期となりました。
さすがにこんな事態は初めてだよ。後日の延期公演等の詳細も全く決まっていない模様。

その場で300ルーブルが払い戻されたので、皆で外食でもすることに。
アルバート通りのムー・ムーに行こうとしたが電車を乗り間違えて目的を大きく外れ、
着いたのはプロスペクト・ミーラ(平和大通り)。
そこの日本食レストラン「サッポロ」に行くことに。
実はそこには同じクラスのR嬢の知り合いが働いていて、
1階カウンターですしを握っていたのでびっくりした。
4階に通されると、そこは微妙なバーカウンターとカラオケセットが・・・
どこかの飲み屋みたいなところでうるさい日本人5人が席に着いた。
俺が頼んだのはカツ丼(写真)。これで250ルーブル(約1,000円、まぁまぁかな)
他の仲間らは白身魚フライや揚げ出し豆腐など。
料理がくると写真を撮るわ、おしぼりでリボンを作って遊ぶわ、
アホな話題でうるさいわで、同じ階で静かに商談のようなものをしているVIPには、
さぞかし喧しかったことでしょう。
でも料理はうまかった。先日行った「一番星」のカツ丼は比べ物にならない。
一緒に付いてる白菜の漬け物と味噌汁もうまい。値段と比べてもよかった。
帰りに、隣にある日本食材&小物店「ジャプロ」に寄って、
余りの高さに目が飛び出ながら岐路に着いた。(カップラーメンが500円!)

カジノの戦い~常勝と不敗と~

2005-11-20 09:36:02 | モスクワ留学記
え~、ブログ5月病というやつで(なんじゃそりゃ?)
更新サボってすいません。留学5月病でも有りました。

金曜日、夜6時に寮の階下に留学生仲間5人が集まり「いざ、出陣」
ヴァラビョーヴィ丘近くにあるホテル「アリョーナク」のカジノへと出かけてまいりました。
ボディチェックを受けてロビーに入るといきなりスロットマシンの山。
奥に進めばありました、カジノテーブルの列が。
ルーレット、ブラックジャック、ポーカー数種。
他にルーレットマシンもあり、地下1階と1階の2フロアにまたがっております。

この日の目当てはブラックジャック。前日このホテルの特殊なルールで勝つために、
皆で集まって特訓をしたのだ。その成果を見せられるか?
※ホテルの特殊ルールとは?「アリョーナク」のルールではBJはカードを全てオープンにし、子が全て引き終わった後に親であるディーラーが自分のカードを引く。非常に子に不利なルールであると同時に、相手のカードを読むという最大の楽しみを奪ってしまっている駄目ルール。それでも此処を選ぶのは入場無料で安全なので。あぁ、ベガスに行ってみたい・・・

結果→約1時間後、全員50ドルの持ち金を半額にして終了。負けました。 orz。
やっぱり一筋縄ではいかなかった。
ただ途中は全員合わせて10ドル近く勝っていることも有り、見極めによるかも。
1人ツイてた奴が途中所要で抜けたのも痛かった。
その後地下の日本食レストランでうどんセットを食って深夜1時まで反省会。
うどんセットは何気にうまかった。先日行った「一番星」など比較にならないほど。
この店だけでもまた来る価値はある。
途中抜けた1人も再合流し、いい時間になったところでこの日はお開き・・・


のハズだった!が、俺と言いだしっぺのT氏で「物足りない!」ということになり、
途中抜けたW氏も交えて3人で残ってスロットをやることに。
そりゃそうですよ。勝つつもりで来て、そのために「朝までカジノ」の気構えだったのに、
1時ごときで帰るとなった日にゃぁ男がすたるってもんですよ。

結果→人間がすたりました。
朝5時までやって大金を失ったところで終了。止めときゃよかった・・・
しかし!俺達に明日はない!次週金曜日も挑戦し、リベンジを果たしに行きます!
待て次回!

鎮魂曲(レクイエム)への招待

2005-11-16 06:46:26 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
火曜日、夜7時にコンセルバトーリヤへ。
かなりの人混み。さすが人気演目だけある。
チケットも最後列の席で250ルーブルと、
平均より少し高めの様子。

演目は「オレグ・カガンへ捧ぐ」
ビバルディのバイオリンとチェロの為の協奏曲を2つと、
モーツァルトのレクイエム。←これです。

レクイエムは同じコンセルバトーリヤで、'03年3月に一度聴いたことがある。
その時はあまりの気持ちよさに眠りかけてそのまま死にそうになったが、
はたして今日もそうだった。
冒頭のものすごい合唱を聴いた後は、そのまま深い深い陶酔の世界へ誘われる。
気持ち良くなりフッと意識を失いそうになると、片足を棺おけに突っ込んでいる、
まさしくそんな感じだ。素晴らしい和声に、魂を黄泉の国まで持っていかれそうになる。
冗談ではない、多少の誇張はあるがこれはマジだ。
嘘だと言うなら生で聴いてみると良い。CDでも寝ながら聴くとヤバイ。
今でもあの3曲目「怒りの日」の旋律が頭を駆け巡っている。
Dies irae, dies illa で始まる、あの最も激しい部分だ。ヤバイ。

帰りは夜の赤の広場に寄って素晴らしい夜景をチラ見してきた。
もう少しゆっくりしたかったが、恐ろしく寒くなってきたので急いで帰った。

三色旗(トリコロール)の下に

2005-11-14 22:09:46 | テニス
今年の女子テニス、WTAツアーもいよいよ最終局面を迎えた。
ツアーチャンピオンシップ6日目、決勝戦。
FINALの舞台に進出したのは2人のフランス選手。
アメリー・モレスモーとメアリー・ピアースだ。
これまで才能を期待されながら、'99年の全豪準優勝を最高に、いつもGSの決勝目前で予想通りに敗退し、その精神力の弱さをメディアから批判されてきたモレスモー。
一方、今年で30歳、過去2度のGS制覇を誇る元カナダ人、引退を考える歳になっても衰えを知らず、今シーズン2度のGS決勝へ進み周囲にベテラン健在をアピールしたピアース。
これまでツアーチャンピオンシップはフランス人の優勝者がいないが、
これでどちらかがその初の栄光を手にすることが決定している訳だ。

1stセット、早めのブレイクに成功したピアースだが、直後の第4ゲームで返される。
その後は一進一退、第7ゲーム終了時点で両者1ブレイクずつ、
ウィナー/エラーの数は共に14/7という、両者譲らぬ緊迫した展開。
第8ゲーム、ピアースは30-40と1つBポイントを与えるが、そこから3連続Aの圧巻。
ロングセットになった1stセット、均衡が敗れたのは第11ゲーム。
モレスモーはこのゲーム2度目のBポイントを、ストロークをネットにかけて落とす。
この1ブレイクを第12ゲームでピアースが守り、1stセットはピアース先取。

2ndセット、両者1ブレイクずつで迎えた第10ゲーム、ピアースのサービス。
ストロークミスが3つ重なり15-40でモレスモーにセットポイント2つ。
ここから粘りでこのゲームを守りきると、ピアースは大きく両手でガッツポーズ。
結局両者決め手を与えぬまま、2ndセットはタイブレークへ。
3ポイント目、モレスモーがものすごいバックハンドの逆クロスでミニブレイクを得ると、
それを守り6-3、ピアースのサービスだがまとめて3つのセットポイントを得る。
このポイントでピアースのバックがアウトになり、1セットオール。

FINALセット、前2セットと同じように、セットの序盤で両者が1つずつブレイク。
セットが動いたのは第9ゲーム、ピアースのサービス。
モレスモーがロブ、ショートクロスと2連続で美しいウィナーを決めて0-30とすると、
そこからピアースがバックのクロスを僅かにアウトして0-40。
15-40と1つ返しはしたものの、ピアースの攻めたフォアの逆クロスが惜しくもアウト。
直後の第10ゲーム、モレスモーのサービスで、Wフォルトを含めて0-40と、
今度は逆にピアースにまとめて3つのチャンスが訪れる。
しかしこの土壇場でピアースにエラーが4本連続してしまい、
モレスモーが初のチャンピオンシップポイントを得る。
最後は互いに我慢のラリーが続くが、ピアースのバックのクロスがサイドにアウトし、
モレスモーの勝利が決定。瞬間、両膝を着いて天にガッツポーズ。
精神力の弱点を指摘され続けたフランス期待の星モレスモーが、
キャリアで最も大きなタイトルの獲得に成功した。

Pierce   (FRA) 7 6(3) 4
Mauresmo (FRA) 5 7(7) 6

3時間6分に及ぶこの試合の勝敗を分けたのはほんのわずかな執念の差か。
結果的に両者ともウィナーがエラーの数を上回り、緊迫した素晴らしい内容だった。
FINALセットの最も大事な場面で、ピアースにエラーが多く出てしまった。
たったそれだけの差だったように思う。最後まで結末が読めない、最高の試合。
試合後の握手の場面で、ネットを越えてモレスモー陣営まで行き、
抱き合って祝福をしたピアース、それに応えたモレスモーの笑顔がまた良い。
こんな試合を見るために、毎回テレビにかじり付いてるんだと、改めて思った。
(試合のスタッツはこちら


男子の最終戦マスターズカップは日曜日に開幕し、既に初日の結果が出ている。
しかし月曜昼に最悪のニュースが飛び込んできた。
ナダルとアガシが揃って欠場を表明したのだ。最初の3人に続いて5人目。
これでは優勝予想も何もあったものではない。
1位フェデラー、2位リュビチッチで決まりと見た。
何よりも、モスクワで中継が無いという驚愕の事実が発覚したのが最大の落胆。

終わりなき協奏曲

2005-11-13 16:14:36 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
土曜日。夜7時、トヴェルスカヤ通りマヤコフスカヤ広場。
今日はここチャイコフスキー記念コンサートホールに音楽を聴きに来た。
'02年3月にベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴きに来て以来、
約2年半ぶりの来場。
その時は前から3列目という破格の席だったため、実はホール内の様子が分からない。
初めて後ろの方(場所は1-йアンフィテアトルという250ルーブルの席)から眺めたら、
改めてコンセルバトーリヤにも劣らぬ素晴らしいホールだということを実感した。

この日の演目は「若き天才達」
モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番、ソリスト=ロジオン・ペトロフ
ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番、ソリスト=エフゲニー・ミハイロフ
指揮アレクサンドル・スルツキー、ロシア国立アカデミー交響楽団の演奏。

はっきり言って、モーツァルトのこの曲には全く関心が無かった。
やはりこのレパートリーなら皆の注目はラフマニノフでしょう。
実際、演奏は素晴らしかった。3番を生で聴くのは3回目だが、
今回の演奏は中でも際立って素晴らしかったように思う。
第3楽章の冒頭部分、第2楽章のラストで盛り上がりそのままカデンツァへ。
恐ろしいまでの音の洪水に溺れそう。バックの演奏も金管が力強く良い。
当然弦楽隊も主旋律部分で情熱的に弾いて盛り上げてくれる。
最後の盛り上がり部分まで一度も気の抜けることなく聴かせてくれた。
まさしく突き抜けた。
この日は同じ寮の留学生仲間が数多く行っており(出所は全部俺です)、
その中の1人M嬢は、感動に打ち震えてソリスト・ミハイロフのファンになっていた。
5年前、ペテルブルクで始めてこの曲を聴いた俺と同じ現象だ。
予備知識が無くても(むしろ無い方が)、この協奏曲は衝撃を与えてくれる。
この日は本当に行って良かった。250ルーブルが1,000ルーブルでも安いくらいだ。
こんなことがあるからコンサート通いはやめられない。

女優退場

2005-11-13 09:40:32 | テニス
5日目、準決勝;

Davenport (USA) 6(5) 6(6)
Pierce   (FRA) 7(7) 7(8)

Sharapova (RUS) 6(1) 3
Mauresmo (FRA) 7(7) 6

第1試合1stセット、5-3ピアースのサービングforセット。
15-15からダベンポートのフォアハンドのダウンザラインが際どくラインに落ちる。
ピアースはアウトだと抗議し、その場所へボールを置いて主審にアピールも実らず。
30-40からダベンポートが素晴らしく華麗な(アナウンサー談)クロスを決め、
土壇場でブレイクバックする。
タイブレークではピアースが4-0から5-4まで追いつかれるが、
6-5の自分のサービスをワイドに決め、甘くなったリターンをフォアでクロスへ。
これがコードボールとなる幸運も重なりセットを先取。
ピアースは1stサービスがとても良く、タイブレークでも5/6。
セット全体で75%、エース6。さらにはウィナー19、エラーはたったの6つ!
(ダベンポートもウィナー21、エラー13とけして悪くは無い)
2ndセットはお互い一歩も譲らぬ展開に。
第2ゲーム、ピアースのサービスゲームで計5度のデュース。
リターンAとウィナーが両者に交互に出て、まさしくがっぷり4つの状態。
これをキープすると、今度はうって変わって第3~5ゲームまで0ゲームキープが続く。
結局両者ブレイクチャンスの無いまま2セット連続のタイブレークへ突入すると、
場内からは大歓声。
タイブレーク6-6のダベンポートのサービスでピアースの深いリターンが決まり、
7-6、2度目のマッチポイントで自分のサービス。
ダベンポートのバックがアウトになると、ピアースは静かに両手でガッツポーズ。
最終的にはウィナー/エラーが、ダベンポート=49/24、ピアース=40/10。
ダベンポートもかなりの数字を残しているが、ピアースが凄すぎた。
予選リーグの好調を上回るほどの会心の勝利、決勝へとても良い形で望めることに。

第2試合は序盤シャラポワが積極的に強打で仕掛け、第2ゲームでいきなりブレーク。
しかし5-3、シャラポワのサービングforセットで30-0からWフォルト。
その後バックのストロークミスが3本続き、土壇場でセットを逃してしまう。
このままタイブレークへ突入、第1試合から数えて3セット連続のタイブレークに、
観客は大歓声で喜びを示す。
ただしタイブレークではシャラポワに自分のサービスポイントでエラーが重なり、
1-6から最後はWフォルト。モレスモーが逆転でセットを先取した。
2ndセット、お互いWフォルトでサービスを落とし合い1-1のスタート。
ただこの後モレスモーのネットプレーが冴え渡り、逆にシャラポワはミスが目立つ様に。
ダブルブレイクアップでモレスモーが5-1と圧倒的優位に立つ。
相手のサービングforマッチでシャラポワは意地のブレイクバック、
次のサービスゲームでもマッチポイントを1つ逃れて3-5まで追いすがるが、
反撃はここまで。
第9ゲーム0-30からシャラポワのストロークミスが3本続き二度目のマッチポイント。
最後もコードボールやオンザラインを含む際どいラリーの応酬から、
シャラポワのフォアがバックアウト。この日目立ったミスを最後まで無くせなかった。
ウィナー/エラーの数はモレスモー=13/17、シャラポワ=20/39。
さらにシャラポワは2ndサービスで4/21と、19%しかポイントが奪えなかった。
ツアーチャンピオンシップ2連覇の夢は惜しくも消えてしまった。

これで決勝はAll-French Championships Finalに。
自動的に初の最終戦フランス人チャンピオンが生まれることとなった。
30歳となった今年のピアースの脅威の快進撃は賞賛に値する。
しかしモレスモーは女子では珍しく果敢にネットへ出て、ボレーで魅了してくれる。
これまでGSではいつも目前で破れているモレスモー、
ツアーチャンピオンシップでは初の決勝戦で、是非とも大きなタイトルを奪って欲しい。

進出者

2005-11-12 23:55:45 | テニス
3日目;

Schnyder (SUI) 6 5 6
Petrova (RUS) 0 7 4

Davenport (USA) 3 7 4
Sharapova (RUS) 6 5 6

Mauresmo  (FRA) 6 6
Dementieva (RUS) 2 3

第1試合は2ndセット後半からの観戦。
さすがに5時起きはきつかった。6時まで2度寝。
2ndセット5-6、第12ゲームでシュニーダーのサービスG、
計7度目のセットポイントをようやくペトロワがコンバートしてセットオールへ。
シュニーダーにも3~5回ほどGポイントがあったのだが、すごい粘りだった。
しかし3rdセットは第9ゲームでペトロワに痛いミスが出てブレイクを許し、
5-4のシュニーダーのサービングforマッチで40-15から最後はエース。

第2試合、本日のメインイベント。シャラポワ対ダベンポートは大熱戦。
1stセットで試合が動いたのは3-4、ダベンポートのサービスG。
シャラポワの素晴らしいバックのダウンザラインのリターンエース、
ダベンポートの2ndサービスレットの後のダブルフォルトなどで0-40。
2つ返すもラストはフォアのリターンエース。
5-3としたシャラポワのサービングforセットでは、いきなりセンターへエース。
30-30でワイドへの深いスライスサーブがオンライン。ダベンポートは判定に不満も、
続くポイントでもサービスの力でシャラポワが1stセット先取。
1stセットではシャラポワの攻めが早く、特にリターンとバックハンドが素晴らしい。
早めの攻めからポイントを重ね、逆にダベンポートは長いラリーに持ち込まないと
ポイントが奪えていなかった。お互いミスも少なく素晴らしい打ち合いが続いた。
2ndセットに入ってもシャラポワの勢いは衰えず、第3ゲームで早めにブレイク。
その後の第4ゲームではこの試合初のBポイントを計3つ握られるも、
サービスが冴え渡り守りきる。ダベンポートはフラストレーションが溜まっている様子。
ただ、このままで終わらないのが現№1、ダベンポート。
第8ゲーム辺りからシャラポワの強打の展開に早めに応じるようになり、
5-4のシャラポワのサービングforマッチで初のブレイクに成功。
6-5のサービングforセットでは40-0と圧倒してセットオールに。
このセット後半からダベンポートが強打で応酬してくるようになり、
シャラポワにもミスが目立つようになる。
しかし3rdセットは再びシャラポワが立て直す。圧巻は第2ゲーム。
シャラポワは3本のエースと1本のサービスポイントでキープ。
この日のサービスの好調さを表すゲームだった。
第4ゲームで1本のBポイントを逃れると、ピンチの後にはチャンスあり、
続く第5ゲームではダベンポートのWフォルトもあってまたもや先にブレイクアップ。
第6ゲームでは0ゲームキープでハズミをつける。4-2。
第10ゲーム、シャラポワ二度目のサービングforマッチでは
デュースからWフォルトで1度Bポイントを与えピンチを迎えるも、
粘りのストロークでダベンポートのミスを誘い大きな大きなガッツポーズ。
最後はワイドへ素晴らしいエースで二度目のマッチポイントを決めると、
再びガッツポーズで喜びを表した。

第3試合は前2試合とうって変わり一方的な試合に。
デメンティエワは1試合目のピアース戦と同じく、サービスでもストロークでも
なかなか優位に立てずリズムをつかめない。
特に1stセットの第8ゲームでは、デュースから2連続のWフォルトでセットを失う等、
全く粘りが見られなかった。
先日のフィラデルフィア決勝のリベンジどころか、完全に返り討ちされた格好だ。

この日の試合の結果により、GREEN GROUP、BLACK GROUPともに
リーグ選最終日を待たずして決勝T進出者が決定した。
最終的には翌日の残り試合消化を待って最終順位が決まり、(←この日は見てない)
GREEN GROUPは1位シャラポワ、2位ダベンポート(予想惜しい!)
BLACK GROUPは1位ピアース、2位モレスモー(予想大ハズレ)
土曜日に行われる準決勝は第1試合がダベンポート対ピアース、
第2試合はシャラポワ対モレスモー。共に楽しみな対戦だ。

急転

2005-11-10 23:21:39 | テニス
WTAツアーチャンピオンシップ、2日で計6試合が終了した。
驚くべき結果が出ている。

1日目;
Clijsters (BEL) 1 6 6(2)
Pierce  (FRA) 6 4 7(7)

Sharapova (RUS) 6 3 6
Schnyder  (SUI) 1 6 3

Davenport (USA) 6 7(7)
Petrova  (RUS) 2 6(1)

第1試合、まさかのスタート。
前回のエントリーで優勝候補に挙げたキム・クライシュテルスがいきなりの黒星。
1stセット、まったくショットの決まらないクライシュテルスは、
セットを通じてなんとウィナーが、ゼロ。(エラーは7つ)
第3ゲームをWフォルトで落とすと、そのまま反撃の機会なくセットダウン。
セットに要した時間18分と、ピアースにとってはまさにクルージングだった。
2ndセット第2ゲーム、クライシュテルスは実に7ゲームぶりのゲーム奪取。
セット後半になり徐々にストロークにもキレが戻り始め、
特にフォアのクロスで主導権を握るのが目に付いた。
ただ最も得意なセンター付近からのフォアの逆クロスは1~2セットを通して見られず。
そして1ブレイクアップで迎えた第9ゲーム、5-4のサービングforセットで、
最初のポイント、40-30、2度目のデュースの計3回Wフォルト。
そのままセットオールに持ち込んだは良いが、この日の悪さを象徴していたように思う。
結局生放送で見ていたため朝6時過ぎに力尽き、FINALセットを見逃す。
後で結果を知って正直しまったと思った。まさかタイブレークだったとは。
結果的にはクライシュテルスのWフォルト11本に現れている調子の悪さで、
本人の言うには時差ボケという残念な結果となってしまった。
調整不足で世界のトップ8を相手するのは難しいということだろう。
逆に最大の難関を突破したピアースはベスト4進出に大きな前進。

第2、第3試合は順当な結果だろう。
ただチラリと見たシャラポワはイマイチ調子が上がってないようだった。
シュニーダーのフォアの逆クロスが美しく決まるシーンばっかり印象に残っているが、
それでも勝ってしまうのはさすがとも言えるか。


2日目;
 Pierce    (FRA) 6 6
Dementieva (RUS) 2 3

Davenport (USA) 6 7
Schnyder  (SUI) 3 5

Mauresmo (FRA) 6 7
Clijsters   (BEL) 3 6

第1試合、2日連続でトップバッターを任されたピアース。
対するデメンティエワは先週フィラデルフィアで貰ったワイルドカードで決勝まで行き、
土壇場でツアーチャンピオンシップ出場権を手にした。失うものは何も無い。
2人の対戦はこれまでデメンティエワの3勝1敗。
先日の予想でも決勝進出に2番手でデメンティエワを挙げたのは、
実績有利のデメンティエワが、ここでハズミをつけてくれるとの期待からだ。
実際、2日目までのドローを見たとき、ピアースはここで2連敗だろうと予想した。
すいません。
今年絶好調の30歳ベテランは伊達ではなかった。
この試合ではストローク主体のデメンティエワに全くテニスをさせなかった。
両者得意のフォアハンドの差し合いでは必ずピアースが主導権を握り、
早めの展開で次々と相手を押し込んだ。
1stセットはいきなりのWブレイクでピアースの4-0。
2ndも第2ゲームでブレイクを奪い3-0のスタート。
この差は最後まで埋まらなかった。試合後にデメンティエワが語った、
「ピアースは絶頂にあるとしか言えないわ。これじゃ私は何もできない。」
この2言が端的にこのスコアの内容を物語っている。
最終的にはお互いのウィナー/エラーが、P=16/15、D=9/23という差。

第2試合は午前中の放送しかなかったので授業で見れず。ダベンポート強い・・・

第3試合、最も面白い試合となりそうな顔合わせ。
1stセット互いに1ブレイクずつで3-3、迎えた第7ゲーム、モレスモーのサービス。
0-40でクライシュテルスが3つのブレイクチャンスを手にする。
しかしこの日のアメリーの調子は3度のピンチ全てを跳ね除ける力を持っていた。
まとめて3本、素晴らしいサーブが入りピンチを消してそのままキープ。
ピンチの後にはチャンス有りとは良く言ったもので、直後の第8ゲームでブレイク。
5-3となった第9ゲーム、3度のSポイントを守られ逆にBポイントを握られるも、
ラストはセンターへのエースでモレスモーがきっちりセット奪取。
1stセットのスタッツは、数字にほとんど差は無かった。
唯一の差はBポイントをコンバートできたか出来ないか。(M=2/2、C=1/10)
この違いが如実に現れてしまったということだろう。
2ndセットは序盤(何ゲームか忘れました)でモレスモーがブレイクを奪い、
5-3の第9、5-4第10ゲーム(モレスモーのサーブ)でマッチポイントを得る。
しかしクライシュテルスが意地の粘りをみせ、タイブレークへ突入。
ポイント3-4でクライシュテルスのフォアがアウト。←だったと思う。うろ覚えスマン
このミニブレイクを守りきって、モレスモーが勝利。難敵を退けた。
クライシュテルスは前日の不調がまだ残っていたのだろうか。2日続けてエラーが多い。
モレスモーはサービスがかなり良く、エースでなくともサービスポイントを良く取った。
積極的にネットに出るプレーは女子ではなかなか見られないので、
美しいボールタッチにホレボレとする。アナウンサーも「華麗だ」と良く口にしてた。
これでクライシュテルスの決勝T進出はほぼ無くなったと言ってよい。
この調子から見るとフランスの2人が揃って進出しそうな勢いだ。予想マル外れ。


余談だが男子の方で、ロディックの欠場までが判明。
これで出場権を持った選手の内、サフィン、ヒューイット、ロディックの3人が欠場。
最も好きな選手3人なので、かなり興味が薄れてしまった。
ストップtheフェデラーは絶好調のリュビチッチに期待するかな。
(敢えてナダルと言わない)

肖像

2005-11-08 23:31:24 | テニス
今日からいよいよ今シーズンの総決算、テニスの年度最終戦が開幕。
まず今週は女子のツアーチャンピオンシップinロサンゼルス。
そして来週は男子のマスターズカップin上海。

2週連続の大きな大会で、上位8人が2グループに分かれての総当たり戦。
これはGS以上にエキサイティングになる可能盛大。(勿論GSが一番)
しかし残念なことに、男子は膝の怪我が長引いているマラト・サフィンどころか
レイトン・ヒューイットまでが欠場を表明!
奥さんの出産に立ち会うためという。
どちらが大事かなど俺には分からないが、今回は怪我明けのフェデラーを倒すチャンス
だと思っていたので非常に残念。まぁレイトンも怪我明けなんだけど。

とりあえず女子。(WTA公式サイトツアーチャンピオンシップ公式サイト)
「GREEN GROUP」と「BLACK GROUP」に分かれての総当たり戦で、上位2選手が決勝トーナメント進出。決勝Tは各組1位vs別組2位のたすき掛け。
GREEN G=ダベンポート(USA)、シャラポワ(RUS)、シュニーダー(SUI)、ペトロワ(RUS)
BLACK G=クライシュテルス(BEL)、モレスモー(FRA)、ピアース(FRA)、デメンティエワ(RUS)
ずばり予想は、「GREEN GROUP」1位抜けがダベンポート、2位がシャラポワ。
「BLACK GROUP」1位抜けがクライシュテルス、2位がデメンティエワ。
決勝はクライシュテルス対シャラポワでクライシュテルス優勝。
デメンティエワは前週フィラデルフィアを見たところサービスが未だに少し不安がある。シャラポワは胸の筋肉を傷めているし、何よりモスクワでの散々な結果が目に焼きついておるので少し低評価。でも期待をこめてグループリーグ通過とした。
地元の利を生かしてダベンポートが決勝に進むも、アメリカハードコートにやけに強いクライシュテルスの壁は厚いと見る。大体今年後半は絶好調だし。

男子は、まだ正式な組み分けが出ていないので予想は後回しにしときます。
でもやっぱりフェデラーかなぁ、悔しいけど。


関係ないが今日の授業で発音の先生ボリス・ソーチンからテニスの話題を振られた。
「ヒロキ、日曜日の決勝戦見たぞ。デメンティエワは惜しかった。でもあのアメリー・モレスモは強い。日本人のような折れない心を持っている。」
確かに。あの試合はデメンティエワがFINALセットで一度逆転したのもかかわらず、
モレスモーが自らを鼓舞して再逆転。よく立ち直ったと思う。
デメンティエワはあそこのサービングforチャンピオンシップで勝ちきれないところに、
サービスの弱点が表れている気がする。
「でもデメンティエワのあのプレーも大いに気に入ったぞ。今日からのツアーチャンピオンシップは楽しみだなぁ。モレスモーへのリベンジを期待してるよ」
全く同感です。来週はその話題で盛り上がりましょう、先生。

休暇は終わりぬ

2005-11-07 23:29:54 | モスクワ留学記
5日、夕方まで惰眠を貪った後、ゴーシャの家に遊びに行く。
彼の奥さん、パロマのあまりの綺麗さに驚く。
同行の5人と、計7人で食卓を囲んで楽しく過ごした。

6日、同じ寮の留学生仲間と4人でガルブーシュカにお買い物。
こう書くと別に普通の事だが、場所を日本置き換えて言ってみれば、
連休の真っ只中に男4人で秋葉原へ行くようなもの。これはかなり凹むorz
ただ掘り出し物はあった。欲しいなと思っていたムラヴィンスキー指揮のショスタコ!
ロシアのメロディアというレーベルから出ている5番、7番、8番が各150ルーブル。
もちろん1枚600円は、日本でも決して安い値段ではない。(高くも無いが)
ただブリリアントレーベルという廉価版の破格を体験してしまうと、
安いとは1枚300円以下を言いたくなる。
それでも、指揮者にこだわれば1枚1,500円オーバーもザラでは無いので、
これは即買い決定でしょう。
同行のT氏がホラー映画「DOOM」その他を買っていたので、帰ってから鑑賞会。
ロシア語吹き替えながら、内容が薄い映画だったので大体分かった。
その後朝5時まで他愛ないことを熱く語り合って就寝。

7日、この日は革命記念日。赤の広場でパレードがあるので見に行く予定だった。
10時前、隣部屋のH君から電話。
「軍隊が1メートル間隔で道路を封鎖しており、入場券ないと赤の広場に入れないよ」
残念ながらパレード見物は夢と消え、そのまま布団へ逆戻り。
気がつくと1時、パレードのテレビ中継さえ終わっていた・・・orz
結局夜まで一度も外に出ることなく、連休4日目は終わりを告げようとしている。

明日からは再び授業が始まると共に、新しいクラスメイトが増えるようだ。
勿論同じ寮に住む日本人。
この時期に2ヶ月遅れで来るとはちょっと変わってるよね。
そしてテニスではまず女子のツアーチャンピオンシップ、
そして来週は男子のマスターズカップが連週で開催。
ロシアでもテレビ放映してくれる。
サフィンが出ないのは残念だが、GSに次ぐ2大会を堪能したい。
とりあえずはこれらの変化を楽しみ、心機一転頑張ろうか。

黄金の環の下に

2005-11-04 23:59:11 | モスクワ留学記
連休初日の4日朝9時、同期のI氏と寮の玄関で落ち合い出発。
黄金の環、セルギエフ・パッサートへいざ行かん。

まずは地下鉄でコムソモーリスカヤ広場へ。
ここは地球の歩き方にも書いてある通り3つの駅が集まる場所。
レニングラード駅、カザン駅、ヤロスラブリ駅が軒を並べる。
セルギエフ・パッサートへはヤロスラブリ駅発の電車で行ける。
(05年現在、片道64ルーブル)
ヤロスラブリ駅は5年前、初めてモスクワに降り立った場所。
シベリア鉄道で長駆モスクワに乗り込んだ際の感慨が甦ってくる。

電車はごく普通の郊外電車。3人掛けの席が向かい合わせに左右にズラッと並ぶ。
ロシアの鉄道は広軌を採用しているので、日本よりも横幅が広いのだ。
電車が発車すると、次々とやってくる売り子。これも日本にはない風景。
大きなかばんに自家製?のピロシキを詰めたおばさんや飲み物売り、
さらに靴下や文房具を売る人まで(中にはA4版くらいのガラスを売る人も!)、
車両に入ってきては大きな声で商品説明をして通り過ぎてゆく。
とりあえず朝飯に肉入りピロシキを買った。

電車が出発して15分もすると、窓からの景色は一変する。
それまで見えていたマンションや工場などの大きな建物は消え、
郊外のダーチャと呼ばれる別荘や小さな森、森が途切れれば地平線まで見渡せる草原。
モスクワ近郊にこれだけ広大な自然があるとは、さすが日本とはスケールが違うロシア。
でかい・・・
雄大な眺めに、早起きも手伝って眠気が押し寄せる。
気がつくと乗車して1時間、目的地についていた。
電車の窓から遠くに聖堂の青いクーポルが見える。
寺院に行く前にセルギエフ・パッサート駅前のサービスエリアで軽く朝食。
かなり粗末なスタローヴァヤ(大衆食堂)だが、モスクワよりも大分値段が安かった。

トロイツェ・セルギエフ修道院へは駅から北へ歩いて10分ほど。
途中、丘の上にある修道院を撮る絶好のポイントがある。
(地球の歩き方にも載ってる写真)
観光客がたくさん写真を撮っているので、気軽にシャッターを押してもらえる。
修道院前の広場には、青空市にマトリョーシカやグジェリの陶器などを売る
お土産屋が数多く並んでいる。
そう、ここセルギエフ・パッサートはマトリョーシカの産地なのだ。
途中、自家製マトリョーシカを売るおばさんにもつかまったし。(買わなかったけど)

修道院は入場無料(←これ素晴らしい)。
連休初日とあって多くの人が詰め掛けていた。
地球の歩き方にもカメラ撮影100ルーブルとあったので、入り口のカッサで払った。
しかし内部では全くチェックなし。入るときに見つかった人だけ払えばいいようだ。
まぁ、素晴らしい修道院への寄付だと思っておきましょう。
中に入り時計と反対周りに進んだら途中、入場禁止区域に入り警備の人に追い返された。
真ん中の大きな鐘楼は、上からの眺めがとても気持ち良さそう。
登ることが出来ないらしく非常に残念。
本当に登れないのかと裏に回ってみると入り口があった。おぉ!これはもしや。
近づいてみると立ち入り禁止というロシア語の下に英語で
「Danger for your Life」
これは大変だ!危険を感じたので即刻退散。
地球の歩き方にも書いてある通り、残念ながらメインのウスペンスキー大聖堂は見学不可。

なのでトロイツキー聖堂に行くと、そこには長蛇の列。
やはり連休初日、エクスカーションで小学生とかがやたら多く、見た目以上の待ち時間。
結局2時間近く待った気がする。しかしここは観光のメイン。
もし列が長いからといって、諦めて帰るなかれ。
ようやく中にたどり着くと、そこにはロシア正教の荘厳な精神世界が広がっていた。
薄暗い堂内にに灯るたくさんの蝋燭。修道女達がか細く唱える聖歌。
時折修道士が低い声で聖書の一節を読み、続けてまた修道女達の唱え。
堂内には壁から柱から天井一面に至るまでイコンで埋め尽くされている。
金色に装飾された正面の祭壇の上には、キリストや使途の姿。
その前を横切って、列は右奥の一際厳かに飾られた祭壇へ。
ロシア人の信者達は、十字を切り祭壇に置かれた何かに向かって口づけをしている。
後から分かったのだが、それは街の名称の元にもなった聖セルギウスの棺だった。
彼の遺体が今もその中に!
信者でなければ、列に並ばず簡単に堂内部を見学できる。
ただ、そこまで並んでしまった手前引き返すのも悔しいし、何より見たい。
最後まで並び、蝋燭に火を灯して燭台に指した後、聖セルギウスとご対面。
修道士や大勢の信者の目の前、決して失礼の無いように一礼して速やかに退散した。
並んでいる途中、真似して十字を切るかどうしようかと同行のI氏と相談したが、
信者じゃ無いものが形だけの行為をすることは逆に失礼だということで取り止め。
止めてよかった。修道士も特に咎める事も無く、観光客の好奇心を許容してくれた。
小さいがこれまで訪れた中で最も厳かな、素晴らしい聖堂だった。

もう一つのドゥホフスカヤ教会も長蛇の列が出来ていたがこれは止めた。
院内南西に位置する大食堂に行って見る。
最初のホールはアダムとイヴの楽園での生活と楽園からの追放を描いた大きな絵。
そこからメインホールに行く扉があるのだが、この時はミサがやっておるようで入れず。
後で再び行ったときに入れたが、こちらも素晴らしかった。
大食堂という名前(なぜこんな名称かは不明)から、全然違うものを想像していたが、
ホール内部は大きな聖堂といった感じで、そこ彼処に聖画が飾られて信者が接吻している。
奥には大きな祭壇があり、これが黄金のものすごい祭壇だった。さすが黄金の環。

ラスト、院内の小さな美術館(これは入場料40ルーブル)。
15時15分に入り口に来いと言われたので何故かと思ったら、
係りの人が20人ほどの見学者を連れて説明しながら回ってくれた。
特に目茶苦茶すごいというものは無かったが、キリスト教関係のものが数多くあった。
クリスタルや金で造られた十字架、古い聖書、イコンや修道士の着衣、肖像画など。
大体1時間くらい、説明たっぷりに10部屋程の館内を回って終了。
どれだけ詳しく聞かされても、説明が全く分からないのが痛い。

歴史が好きなら必ず見ておくべきものが一つある。
ここにはロシアの動乱(スムータ)時代を引き起こした、ボリス・ゴドゥノフの墓がある。
3メートル四方、高さ1メートルほどの簡素な墓に、家族4人で葬られている。
ウスペンスキー大聖堂のすぐ脇、鐘楼とトロイツキー聖堂の中間の側に位置していた。
これから訪れる人は是非見られたし。

帰り道、駅への道を間違えて遠回りをしてしまった。
線路に差し掛かったので駅まで線路をつたって行くことに。
災い転じて福となる、夕暮れ、院下の街に霧がかかる荘厳な景色を見ることが出来た。
写真がそれ、いまいち分かりづらいかもしれないが。
帰りの電車は5時19分発。さすが北国、この時間でかなり暗くなってきた。
車内からは外が真っ暗で何も見えず。日本と違いロシアには郊外は街灯が少ない。

今回面白かったのは、修道院内で偶然にも同じ寮の留学生仲間に会ったこと。
しかも2組も。やはり皆考えることは一緒なんだなぁ。

日本食惑星

2005-11-03 23:42:20 | モスクワ留学記
木曜は午前中で授業が終わり、午後は完全に空き時間。
同じクラスのお嬢様達と5人で中心街にコンサートチケットを買いに行った。
コンセルバトーリヤ(モスクワ音楽院)では今月15日のレクイエムと、
22日のロジェストヴェンスキー指揮のショスタコーヴィチ(曲詳細不明)。
さらにチャイコフスキー記念コンサートホールでは、
12日の「若い才能」と題したラフマニノフのピアノ協奏曲第3番!
それぞれ250~300ルーブル(1,000~1,200円)ととってもお得。
昼飯はトヴェルスカヤ通り沿いのヨールキ・パールキで取りました。

夕方は同期の5人でお出かけ。先日も書いたジマ、ポリーナとの夕食会。
先週満員で入れなかった「一番星」で、久々の日本食を食す。
モスクワには大量の日本食レストランがあるが、どこもかなりの値段。
ここはその中ではそれなりに安い方で、味と値段で考えれば悪くはない。
(↑勿論、モスクワでの話。日本だったらやっぱりイマイチ味が・・・)
この日注文したのは親子丼とスープ“一番”。
間違ってカツ丼が出てきたが、それでも全く構いません。
スープは肉ときしめん?肉うどんのきしめん版かな?まぁ悪くはなかった。
久しぶりの日本の味を堪能しながら、日本やロシアのことについてまた色々話した。
面白いのは、日本に行ったことのあるポリーナが日本で見て感じたこと。
飲食店での店員の愛想良い対応は素晴らしいと言っていた。
そして、パチンコ店。韓国のヤクザが仕切ってるんでしょ?と聞かれたときはビックリ。
良く知ってるな、おい。
ジマは日本の歴史に詳しく、特に平安時代、道鏡が好きなそうだ。
彼は日本に宗教的な改革をもたらしたと、ロシア語&日本語で熱く語ってくれた。
日本でも道鏡をそんなに詳しく知ってるやつはいない、できる・・・。

結局11時過ぎまでその店にいて、終電が無くなるといけないのでさようなら。
とても日本が好きな人達で気さくなので、一緒にいてとても面白い。
楽しい夜を過ごせました。

実は学校は明日から月曜まで4連休。11月7日はロシア10月革命記念日。
4日は・・・何だろう?とりあえず有意義な連休にしようと思います。
とりあえず決まっているのは明日、“黄金の環”セルギエフ・パッサートへ。
あと7日には赤の広場でパレードがあるらしいので、それを見に行こうかと。
また写真等含めてこちらに書こうと思っております。お楽しみに。

法廷紹介

2005-11-01 03:57:29 | 漫画・映画・その他趣味
月曜日、学校が終わってからメガ・モールに行った。
注:メガ・モールとは郊外の大きなショッピングセンター。アシャン、イケア、メガ等の複合施設でシネマコンプレックスも有り。

前日、ブログで映画の事とか書いてたら急に何かしら見たくなって、
メガ内にあるソユーズというTSUTAYAみたいなCDショップに行った。
これまで何度も行った事あるが、一番のお目当てミッション・インポッシブルはビデオのみ。
DVDではア・フュー・グッドメンとマイノリティ・リポートしか置いてなかった。
モスクワの秋葉原、ガルブーシュカに行けばもっと安く品数も豊富かもしれないが、
さすがに地下鉄で50分ほどかかるので面倒くさい。
結局「ア・フュー・グッドメン」を約1,000円で買った。
他にアシャンでt.A.T.u.の新作とウマトゥルマンの2枚も購入。
それぞれ約600円、300円と破格の値段だった。
CDさえ場所によってはべらぼーに値段が違うからロシアは油断ならん。

久しぶりに見たトム・クルーズの演技はさすがにキレていた。
トム映画の中では、ストーリーとしてはこれか「ザ・エージェント」が一番いいと思う。
昨日上げた「ミッション・インポッシブル」は、アクションや格好良さ、音楽、ノリで一番。
『レッドライト!グリーンライト!』と何度口にしたことか。
演技という点においては一番すきなのは「インタヴュー・ウィズ・ザ・バンパイア」。
あのレスタトは、耽美的というかエロい、そしてものすごいカリスマ。
最初の配役に原作者が難癖つけた後、完成作品を見て大絶賛に変わったというのも頷ける。
「マグノリア」の教祖様も面白い。さすがにあれは人前で真似してたらアホと思われるが、
トム普段も本当にあんなことしてるのか?ってくらい活き活きしてた。
嫌いなのは「M.I-2」。単純につまんない。監督がジョン・ウーというのが全ての失敗の原因。
やはり1作目のデ・パルマの腕は最高だと感じる。

ところで「ア・フュー・グッドメン」の好きな理由は法廷サスペンスと言う理由もある。
犯人が悪い、悪くないというのは別にして、法廷という闘いの場において、
検事と弁護士が互いに緻密な論戦を繰り広げるのは最高にドラマチック。
秀逸な映画ではおいおい、そんなとこまで突っ込むのかよ、くらい細かい。
それに比べて「容疑者 室井慎次」はガックリorz
主題は別の所にあるのかもしれないが、踊るシリーズ好きとしてはちょっと物足りなかった。
法廷サスペンスでとても嫌いなのが1つ。「評決のとき」
結構有名な作品なので好きな方がここ読まれたらすみません。
この映画は法廷サスペンスという題材を選んでおきながら、決着は陪審員の同情票。
議論が行き詰って検事に対して反論が出来なくなったときに、マシュー・マコノヒー扮する弁護士がとった最後の作戦が“お涙頂戴"。そんなのありかー!
同じ状況に陥った「ア・フュー~」でも、トムはしっかり論戦を張ったぞ。
相手のプライドに付け込んで証人喚問の場で事件を覆す証拠となる言質を取った。
同じく大好きな「推定無罪」は、法廷の場面だけなら一番好き。
血液型等の物的証拠を巡って、相手の論証の欠陥を叩こうと丁々発止のやり取りがすごい。
ということで「評決のとき」は、全体として詰まらなかったわけでもないんだけど、
嫌いな映画リストの上位に名を連ねてしまったわけであります。