ロシア留学中・脱力進行中

モスクワ留学滞在記、スポーツ(特にテニス)のこと。他に趣味(漫画や音楽)等いろいろ・・・

三色旗(トリコロール)の下に

2005-11-14 22:09:46 | テニス
今年の女子テニス、WTAツアーもいよいよ最終局面を迎えた。
ツアーチャンピオンシップ6日目、決勝戦。
FINALの舞台に進出したのは2人のフランス選手。
アメリー・モレスモーとメアリー・ピアースだ。
これまで才能を期待されながら、'99年の全豪準優勝を最高に、いつもGSの決勝目前で予想通りに敗退し、その精神力の弱さをメディアから批判されてきたモレスモー。
一方、今年で30歳、過去2度のGS制覇を誇る元カナダ人、引退を考える歳になっても衰えを知らず、今シーズン2度のGS決勝へ進み周囲にベテラン健在をアピールしたピアース。
これまでツアーチャンピオンシップはフランス人の優勝者がいないが、
これでどちらかがその初の栄光を手にすることが決定している訳だ。

1stセット、早めのブレイクに成功したピアースだが、直後の第4ゲームで返される。
その後は一進一退、第7ゲーム終了時点で両者1ブレイクずつ、
ウィナー/エラーの数は共に14/7という、両者譲らぬ緊迫した展開。
第8ゲーム、ピアースは30-40と1つBポイントを与えるが、そこから3連続Aの圧巻。
ロングセットになった1stセット、均衡が敗れたのは第11ゲーム。
モレスモーはこのゲーム2度目のBポイントを、ストロークをネットにかけて落とす。
この1ブレイクを第12ゲームでピアースが守り、1stセットはピアース先取。

2ndセット、両者1ブレイクずつで迎えた第10ゲーム、ピアースのサービス。
ストロークミスが3つ重なり15-40でモレスモーにセットポイント2つ。
ここから粘りでこのゲームを守りきると、ピアースは大きく両手でガッツポーズ。
結局両者決め手を与えぬまま、2ndセットはタイブレークへ。
3ポイント目、モレスモーがものすごいバックハンドの逆クロスでミニブレイクを得ると、
それを守り6-3、ピアースのサービスだがまとめて3つのセットポイントを得る。
このポイントでピアースのバックがアウトになり、1セットオール。

FINALセット、前2セットと同じように、セットの序盤で両者が1つずつブレイク。
セットが動いたのは第9ゲーム、ピアースのサービス。
モレスモーがロブ、ショートクロスと2連続で美しいウィナーを決めて0-30とすると、
そこからピアースがバックのクロスを僅かにアウトして0-40。
15-40と1つ返しはしたものの、ピアースの攻めたフォアの逆クロスが惜しくもアウト。
直後の第10ゲーム、モレスモーのサービスで、Wフォルトを含めて0-40と、
今度は逆にピアースにまとめて3つのチャンスが訪れる。
しかしこの土壇場でピアースにエラーが4本連続してしまい、
モレスモーが初のチャンピオンシップポイントを得る。
最後は互いに我慢のラリーが続くが、ピアースのバックのクロスがサイドにアウトし、
モレスモーの勝利が決定。瞬間、両膝を着いて天にガッツポーズ。
精神力の弱点を指摘され続けたフランス期待の星モレスモーが、
キャリアで最も大きなタイトルの獲得に成功した。

Pierce   (FRA) 7 6(3) 4
Mauresmo (FRA) 5 7(7) 6

3時間6分に及ぶこの試合の勝敗を分けたのはほんのわずかな執念の差か。
結果的に両者ともウィナーがエラーの数を上回り、緊迫した素晴らしい内容だった。
FINALセットの最も大事な場面で、ピアースにエラーが多く出てしまった。
たったそれだけの差だったように思う。最後まで結末が読めない、最高の試合。
試合後の握手の場面で、ネットを越えてモレスモー陣営まで行き、
抱き合って祝福をしたピアース、それに応えたモレスモーの笑顔がまた良い。
こんな試合を見るために、毎回テレビにかじり付いてるんだと、改めて思った。
(試合のスタッツはこちら


男子の最終戦マスターズカップは日曜日に開幕し、既に初日の結果が出ている。
しかし月曜昼に最悪のニュースが飛び込んできた。
ナダルとアガシが揃って欠場を表明したのだ。最初の3人に続いて5人目。
これでは優勝予想も何もあったものではない。
1位フェデラー、2位リュビチッチで決まりと見た。
何よりも、モスクワで中継が無いという驚愕の事実が発覚したのが最大の落胆。