ロシア留学中・脱力進行中

モスクワ留学滞在記、スポーツ(特にテニス)のこと。他に趣味(漫画や音楽)等いろいろ・・・

終わりなき最終セット

2006-09-24 23:34:12 | テニス
デビス・カップ準決勝、ロシアvsアメリカ 2日目
(モスクワ、オリンピックスタジアム、クレー)
9月23日午後2時開始。

B.BRYAN & M.BRYAN (USA) 6 6 6
TURSUNOV & YOUZHNY (RUS) 3 4 2

初日を2連勝で終えたロシアだが、2日目のダブルスではトゥルスノフ&ユーズニーが、
今季GS2冠、世界ランク№1のブライアン兄弟にストレートで敗北。
ブライアン兄弟はさすがの強さ。トゥルスノフはサービス、リターン共に良く、
ユーズニーも前日の快勝の勢いもあり調子は悪くなさそうだったが、
1+1が2にならないところがダブルスの醍醐味か。
ロシアチームはネットでのミスが多く、逆にブライアン兄弟は積極的にネットをとって、
鋭角の深いボレーを素晴らしいタッチで決めていた。終わってみれば圧勝で、
決着は最終日まで持ち越された。(俺もそれを願っていた)


デビス・カップ準決勝、ロシアvsアメリカ 最終日
(モスクワ、オリンピックスタジアム、クレー)
9月24日午後1開始。

TURSUNOV (RUS) 6 6 5 3 17
RODDICK  (USA) 3 4 7 6 15

試合開始から飛ばしまくるトゥルスノフは、ストロークが面白いようにラインを捉え、
ロディックはなす術なく立ち尽くすシーンが目立った。
ロディックは1stサービス確率70%、対するトゥルスノフは45%そこそこながら、
序盤2セットで相手を圧倒したのはこのストローク戦で完全に優位に立っていたから。
もちろん苦手なサーフェスに原因もあるかもしれないが、
ロディックはほとんどネットに出ることが出来ず、
逆にベースライン後方に押されっぱなしの苦しいプレーが続いた。
2セットダウンのロディックが、追い込まれた3rdセット終盤でようやくブレイク。
そこからカムバックを果たし試合が面白くなってきたところで4thセットも奪取。
サービスゲームも2ndセット第9ゲーム以降は相手にブレイクポイントも与えず、
完全に流れはロディックに傾いたかに見えた。
そして迎えたFinalセット第11ゲーム。多少ミスが多くなり始めたトゥルスノフを攻め、
ロディックが1ブレイクUP!試合は決まったかに思えた。
第12ゲームはロディックのサービングforマッチ。
ここまではある程度予想できないでもない展開。
頭の中では既に最終第5戦のサフィンを応援する気持ちで一杯だった。
しかし!
この後さらに20ゲームも試合が続くとは一体誰が予想しえたであろうか!?
デビス・カップはFinalセットはタイブレイクがない。
延々続くキープの応酬。
第12ゲーム以降、終了までの間にお互いの間にあったブレイクポイントは、
第24ゲームのロディックのサービスでの3つのみ。
15-40で2つ、デュース後の1つのマッチポイントをいずれもサービスウィナーで切り抜けると、
ピンチの後にはチャンスあり。続く第25ゲームのトゥルスノフ・サービスは、
40-0からデュースまで追い上げた。
思えばロディックにとっては此処が最後のチャンスだったのかもしれない。
その後は両者ともに多くのポイントがサービスウィナーで決まり、
(恐らく体力的にラリーを追うのがきつかったからだと思われるが)
相手のミスに付け込む隙を窺う状態。
その隙は第32ゲーム、サービスを打つロディック側に現れた。
最初のポイントをこの日2本目となるWフォルト(此処に至ってこの少なさ!)で落とすと、
次のポイントはサービス&ボレーで果敢に攻めるもボレーがアウト。
サービス力で30-30まで戻すも、次のポイントはトゥルスノフに。
通算4本目のマッチポイント。
最後、此処が決め所と踏んだトゥルスノフが渾身のフォアハンド、
ネットに寄せるロディックのフォアサイドを見事パッシングで抜き、
試合時間計4時間48分、Finalセットだけでも32ゲーム・2時間14分の
歴史に残る接戦にようやく終止符を打った。

ちなみに消化試合となったサフィンvsブレークの試合は、
お互い微妙なモチベーションの中7-5、7-6でブレイクが勝利した。

ロシアはこれで決勝進出、12月1~3日決勝の舞台で、アルゼンチンを迎え撃つことになる。
会場は同じオリンピックスタジアムだろうか?
勿論たとえ開催地がペテルブルクだろうと、3日間すべて観戦に行くだろう。
誰だってそうする、俺だってそうする。
今回は最高の試合が観れた。最高の結果が訪れた。
感動を与えてくれた2国の選手に、マラッツィ。

双璧相撃つ!

2006-09-23 17:33:27 | テニス
デビス・カップ準決勝、ロシアvsアメリカ
(モスクワ、オリンピックスタジアム、クレー)
9月22日午後1時開始。

シングルス・1
Safin  (RUS) 6 6 7(7)
Roddick (USA) 4 3 6(5)

両国の誇るエース、ツアー屈指の強打者の対戦。
王者フェデラー打倒の1番手に名のりを上げたい2人の、
今回は国の威信をかけた、まさに「双璧の争覇戦」。
しかし内容は地元の声援を背に受けたサフィンの圧勝劇。
序盤から好調のサービスを武器にロディックに付け入る隙を許さない。
1st~2ndセットでのエース通算10本、1stサービス確率60%以上、
1stサービスポイント率84%、2ndサービスでも64%のポイント率は、
ロディックのそれを大きく上回り、ブレイクポイントを1度しか与えなかった。
逆にサービスに絶対の自信を持つロディックは苦手のクレーサーフェスに自慢の翼をもがれ、
ストロークでもスペイン育ちのサフィンに対してはなかなか優位に立つことは出来ない。
結果1stセットで1つ、2ndセットで2つのブレイクダウンを喫し、
一挙に2セットダウンに追い込まれた。
最後となった3rdセットではようやくロディックがサフィンのサービスを1つブレイクし、
タイブレイクへ持ち込むもそれが精一杯。
結局セットカウント3-0、試合時間2時間10分の完勝で、
ロシアが大事な1勝目を手にした。
俺の予想ではこの試合に勝った方が決勝への切符を手にする。
これにより限りなくロシアの決勝進出が近づいた気がする。

予断だが試合終了後にサフィンが長々と観客席からのサインに応じてくれており、
休憩時間にトイレに行っていた俺は帰ってきてフェンス際へ速攻ダッシュ!
間一髪、最後の3人でギリギリ、サインを貰うことが出来た。嬉しぃぃー!

シングルス・2
Youzhny (RUS) 7 1 6 7
Blake  (USA)  5 6 1 5

第一試合のサフィンの完璧なテニスに勢いを貰ったのか、
全米OP大活躍のユーズニーが地元モスクワでもやってのけた。
サービスは毎セットの序盤でブレイクされる不安定さながら、
リターン、特にブレークの2ndサービスを攻め、2ndリターンで61%のポイント率!
ビッグプレーでは観客にガッツポーズのアピールで、会場全体を乗せていく。
全米でナダルを破りロディックを苦しめたストロークのキレも健在。
「ロシア」「ミーシャ」「マラジェッツ」の大合唱の中で、
ブレークを破る代金星、ロシアに大きな大きな2勝目をもたらした。
最後はもちろん、全米OPでお披露目したあの敬礼ポーズ。
大声援の観客にも、長い間サインに応じてくれていた。

試合終了後には試合を見守っていたチームメイトのダビデンコとトゥルスノフ、
それに会場に来ていたアンドレーエフもサインに応じてくれた。
いきなり初日でロシア・チーム全員のサインがそろうとは思わなんだ。


初日で2-0、早くも決勝進出に大手をかけてしまったロシアだが、
明日の相手はダブルス世界ランク№1のブライアン兄弟。
ここはアメリカに勝ってもらって、最終日に楽しみを取っておきたい気もする。
勿論最終的にロシアが勝ってくれないと困るので悩ましいところだが、
2-2のタイで迎える最終のシングルス戦にサフィンが勝つってシナリオが一番見たいなぁ。

コンサートへの招待

2006-09-19 22:12:38 | 音楽・コンサート・バレエ・オペラ
再度18日(月)のこと。
博識のエレーナの授業中、いきなり今夜のコンサートに誘われた。
エレーナは知り合いにオーケストラの第一ヴァイオリン奏者がおり、
ドーム・ムーズィキで催されるコンサートによく招待されるそうで、
この日も4席分のチケットのうち1人分が余ってたそうだ。

ドーム・ムーズィキは地下鉄パヴェレツカヤから歩いて5~10分ほどの場所にあり、
ガラス張りの大きなホールが素晴らしく綺麗なとても新しいコンサートホール。
革命参照、ドーム・ムーズィキ公式HPはコチラ
6時40分、ホール入り口の前に集合。
家で昼寝してたらかなり遅刻ギリギリになって、あやうく遅れるところだった。
授業には遅れる遅刻間の俺だが、招待されて遅れるわけにはいかないので、
思いっきり走っていったらエレーナより前に着けた。良かった良かった。
この癖は治したいが死んでも治りそうにないな・・・
メンバーはエレーナ、エレーナのおばさん、その旦那さんとの計4人。
とてもいい人そうだったが、先生の親類ということで失礼があってはならないと思い、
ガラにもなく殊勝にしててあまり話せなかったのが不覚の極みだ。

コンサート内容は下記のとおり
「エフゲニー・スヴェトラーノフの思い出によせて」
プロコフィエフの交響曲第1番(「古典交響曲」)
グリエルのハープ協奏曲 ソリスト=イローナ・ノケライニェン
チャイコフスキーの組曲第3番
指揮サウリュス・サンデツキス、ロシアナショナルフィルハーモニーオーケストラの演奏。

不覚にもプロコフィエフの交響曲は1枚もCDを持っておらず(何たることだ!)、
番号をいわれてもどんな曲か分からない。でもこれは何処かで聞いたことがあった。
どこだろう?と考えて真っ先に思い当たったのは銀河英雄伝説。
調べたけどどうやら違っていた。これが外れるとあとは皆目見当が付かない。
まぁ有名な曲だからどこかしらで聞いたことがあるのは当然か。
ハープ協奏曲も、余り好きではないはずの組曲も良かった。
ただ!途中で携帯が鳴ったり、写真をフラッシュたいて撮ったり、
さらに楽章の合間に毎回拍手があったりと、
聴き手の質はコンセルバトーリヤより落ちるかな。

もちろんエレーナ一家はそんなことはしていない、さすがだ。
それよりもすごいのは、いつもとオーケストラの並びが違うと指摘していた。
そう言われて見ればそうだ。弦楽隊が左から第一、第二ヴァイオリン、
中央にビオラ、指揮者の右側にチェロ、その後ろにコントラバス。
日本では上記はごく普通の並びだと思って反論したのだが、良く考えれば、
ロシアではチェロの位置には普段は第二ヴァイオリンで、チェロが中央だったりするのだ。
さすが良く見ている。。。招待してくれた第一ヴァイオリン奏者に聞いてくれるそうなので、
次の金曜日の回答を待つことにしよう。

あと、観客以外にもこの日はオケに失態が。トライアングル奏者が、
チャイコの組曲の盛り上がる部分で熱く弾き過ぎてか楽器を落としてしまったのだ!
落とした音もしっかり響いた。これはさすがに初めて観た。

演奏曲自体は良かったし、何より無料なので文句は言えない。
エレーナとも初デートということで(年の差20歳以上、娘が俺より年上だけど)
この日は良しとする。帰りは方向が同じなので(地下鉄の隣の駅)、
ホールを出てから帰るまでずっと話すのがちょっと疲れたけど。
次のお誘いも是非お願いしておこう。

祭りの前

2006-09-18 23:11:35 | テニス
本日18日(月)、授業が午前で終わった後、プロスペクト・ミーラ(平和大通り)にある、
オリンピック複合スポーツスタジアムへチケットを買いに行った。
そのチケットとは・・・そう!
今週末の22日(金)~24日(日)に開催されるデビス・カップ準決勝なのだ!
ロシアはvsアメリカを母国で迎え撃つことになる大一番。
サフィンがようやく復調気配だし、全米OPで自己最高のベスト4に入り波に乗るユーズニー、
トップ5をキープし続け安定感ではロシア№1のダビデンコと、この3人の期待は大!
もちろん対フランス戦勝利の立役者、ブログ王(!)トゥルスノフもいるし。
そして対するアメリカも、全米準優勝の復活ロディックは言うまでもなし!
同じく全米ベスト8のブレイク、ダブルスのブライアン兄弟とスター目白押し!!
この対戦を見るためだけに今回ロシアに来たといっても過言ではない!?
アデランスの中野さん風に言えば、女房を質に入れてでも観なければならない、
それくらいの価値ある一戦、もちろん初日から3日間全て観に行きます!

対戦表はまだ出ておりません、というかいつ出るのか知らないが、
デ杯公式HPによればロシアはサーフェスにクレーを選んだ模様(もちろんインドア)。
ロシア選手は芝以外ならどのサーフェスにも得手不得手はなさそうだが、
対アメリカ選手ではクレーが吉と出ることでしょう。
ロディックも応援したいが、やはり地元と言うことでロシアを死ぬ気で応援する所存です。
(初めての生マラト・サフィンが観られるのもそれに拍車をかける)

ちなみにもう片方の準決勝はアルゼンチンvsオーストラリア。
アルゼンチンのホームでサーフェスは当然アウトドア・クレー。
ヒューイットvsアルゼンチン勢はものすごい因縁深く、これはこれですごい注目だ。
どちらが勝っても決勝はロシア開催なのでいいのだが、
出来ればサフィンvsヒューイットが観たいのでオーストラリア応援!
その前にロシアが勝ってくれなければ話にならないわけだけどね・・・

儀式から再び幕は上がり…

2006-09-12 23:14:45 | モスクワ留学記
9月10日夜8時半、再びモスクワの地に降り立った。
長い長い税関の列で中国人に横入りをされ後ろに追いやり、
荷物受け取りで韓国人の通訳をさせられそうになり、
タクシーの客待ちにもみくちゃにされながら、ようやく送迎の運転手を見つけた。
ダーチャ帰りでごったがえすレニングラード街道を抜けてモスクワ大環状道路に入ると、
あとは100キロオーバーの猛スピードで寮に向かうのみ。

10時半、懐かしのДСВ(デーエスヴェー)寮に着いた。
留学生の現地連絡員Y・Kさんに案内され入寮手続きを済ませ、
やっと重たい荷物を部屋に置いて休むことが出来た。
前回6月までの部屋は22階の2人用大部屋だったが、今回は17階の1人部屋。
(↑知ってる人は知っている、何を隠そう元T氏の部屋だ!)
物が多い俺としては非常に狭い。
2日後の本日、すぐ部屋替えを申請したが、前の部屋は埋まってるとのことであえなく撃沈。
結局、T氏の部屋がこの後10ヶ月の生活の場となりそうだ。

2ヶ月間日本の実家でゆったりと生活していただけに、
モスクワで見る物すべてが新鮮に感じる。
久しぶりの愛想の悪い店員、マシンガンのようにまくし立ててくる寮の管理人、
クラスメイトや留学仲間、素晴らしい先生達と再会できてとても嬉しい。
飛行機が落ちなくて良かった。
これからの10ヶ月を、前回以上に有意義なものに出来るよう
頑張っていこうと心に決めて今日は寝る。

運命の前日

2006-09-10 04:44:43 | モスクワ留学記
モスクワ渡航前夜。というより当日未明だが。
またこの日がやってきた。
1年前の9月3日、実家を出て関西空港に向かったその時から、もう1年が経ってしまった。
光陰矢の如し。
動かざること山の如し。(←意味なし)

なわけで再び行ってきます。
9月10日11時40分中部国際空港発、ソウル乗り継ぎ、現地時間8時30分モスクワ着。
長い長い飛行機の旅だ。
今こんな時間でまだ起きているのも、この長旅の時差ボケ防止・・・
ではなくもちろん全米オープンのためだ。
そういえば8月31日のエントリーで準備編を書くといっていたのに、
結局テニスの話しか書かずに渡航直前になってしまった。
前回行って荷造りなど大体は分かってるから、前日に準備すれば十分すぎた。
強いて言えば2日前に持って行くノートパソコンのデータを整理し、
昨日床屋に行って髪を切った、くらいのもんだ。
まぁ常にあるのが忘れ物。今回も証明写真撮り忘れっていう不覚はあったが。

テニス見ながらなので支離滅裂な文章になってしまったが、
とりあえずあと4時間後には家を出発しているところでしょう。
最近物騒なニュースが多い飛行機が無事に着いたら、次はモスクワから書きます。
それではごきげんよう。

双璧相撃つ!

2006-09-07 13:45:14 | テニス
全米OP10日目

男子シングルスQF
Roddick (USA) (9) 6 7 6
Hewitt (AUS) (15) 3 5 4

ひざの怪我が悪化したわけではなかった。
サービスやストロークが極端に悪いわけでもなかった。
しかしヒューイットはロディックにまさかのストレート負けを喫した。
これまでの対戦成績はヒューイットの6勝2敗、GSだけに絞れば3戦全勝。
得意としていたはずの相手に対し、一度も優位に立てないままヒューイットは敗れた。
プロフェッショナルな目を通してしか分からない所で、彼のフットワークに影響があったのか?
実際、WOWOW解説の土橋さんは、右サイドへの動きがよろしくないといっていた。
(関係ないが俺はこの人の解説はあまり好きではない・・・柳さんか丸山さんがいい)
ただ、ヒューイットの調子如何よりも、今日に限ってはロディックが最高の出来だった。
あの強烈な1stサービスを72%(!)も入れ、2ndサービスでも56%のポイント率。
そしてブレイクポイントのコンバート100%(4/4)という勝負強さ。
逆に同じ数のチャンスがあったヒューイットがものに出来たブレイク数は1つ。
これまで大事な場面でポイントを取りきれない歯がゆさを残してきたロディックの、
一体何が変わったというのか?
わずか2ヶ月前、コーチにジミー・コナーズがついたというだけで、
短期間の間にこれほどの変化を見せるものなのだろうか?
そういえば、'03年の全米OP初優勝の時も、
コーチがブラッド・ギルバートに代わって間もなくの事だった。
強力無比なサービスとフォアハンドに加え、今日のロディックには
バックハンドのダウンザラインとスライスという武器まで加わっていた。
まさに鬼に金棒だ。
攻める場面では厳しく攻め、無理な場面では落ち着いて1本様子を見る。
ヒューイット側にしてみれば付け入る隙が無く、「カモン!」が一度も出なかったのは、
ロディックのこれまでにない自信と威圧感に押されていたのかもしれない。
ここ勝負の分かれ目だった、という場面は無かったように思う。
全局面においてロディック優勢。明らかに成長したプレーヤーの姿を見た。
これなら、不動の王者ロジャー・フェデラーを倒せるかもしれない、
そんな期待を抱かせてくれたロディックの勝ち上がりだった。

この日の驚きはもう2つ。
1つは、ロシアのユーズニーがあのナダルを降して初のGSベスト4入り!
試合は見てないが、ストロークでナダルを翻弄したらしい。すごい。
次戦SFはロディック、厳しいだろうが面白いテニスを見せて欲しい。
もうひとつはゴロビン。シャラポワを相手に2セット連続のタイブレイク。
敗れはしたが、この日のストロークでは完全にシャラポワに勝っていた。
果敢にネットに出る姿も良い。そして何より、美しい!
依然見たときより数段可愛くなっている気がする。ウェアも洒落てるし。
GSを狙えるほどの実力が伴ってきた今、女子の若手では一番好きな選手になった。
いやいや、収穫だ。

細い一本の糸

2006-09-07 05:44:21 | テニス
薄氷を踏むような・・・

「勝利」とはいかなかった。

全米OP10日目

男子シングルス4回戦
Safin (RUS)   6 3 6 2 6(5)
Haas (GER) (14) 4 6 2 6 7(7)

今大会、サフィンは見事な復活劇を見せた。
1回戦ロビン・ビク戦を危なげなく勝ち上がり、
2回戦、今大会1週目屈指の好カード、第4シードのナルバンディアン戦では、
2セットUPから追いつかれ、Finalセットタイブレイク5-1から追いつかれ、
それでも何とか勝ちきった辺り、ファンに「今回はイケる」と夢を見せてくれた。
3回戦の苦手のオリビエ・ロフス戦をストレートで圧勝した時には、
多少気は早いがSFでの打倒フェデラーを思い描いて胸が躍ったものだ。
しかし、雨で順延したこの試合。
3rdセットを獲ったときまでは確かにサフィンのペースだった。
何が彼を狂わせたのか4thセット、いきなり5ゲーム連続のブレイク合戦の立ち上がりから、
結局1ゲームもキープできないままセットオールに持ち込まれてしまった。
Finalセット、嫌な流れを断ち切るように、サフィンは序盤から1stサービスをいれ、
順調にキープを重ねていった。だがハースはブレイクを許さない。
サフィンの重いストロークを、ベースライン後方から必死に返球し、
スライスやドロップショットで繋いでサフィンのミスを誘う。
ネットのエラーが多くなってきたサフィン。
タイブレイクに持ち込まれ、お互いミニブレイクを奪い合いながらも、
最後に優位に立ったのは、このセットの1stサービス確率68%を誇るハースだった。
解説の柳さんの言うとおり、速くても200キロそこそこ、
平均で180キロ前後の1stサービスをサイドに広角に打ち分け、
リターンのいいサフィンに的を絞らせない。
両者を通じて僅かに一つしかなかったマッチポイントを掴んだのも、
デュースコートからワイドに切れていく、決して速くは無いがコースは最高の、
ハースの1stサービスだった。
ブランクの影響もあってか、長いラリーに我慢の効かないサフィンは、
最後はバックのダウンザラインを長めにアウト。
'01以来5年ぶりの全米OP、QF進出はならなかった。

これほど祈るように見ていた試合は近年なかった。
今大会が復活サフィンの第1章と思っただけに、この負けが後を引かないか不安だ。
最後のタイブレイク、以前のサフィンなら獲っていた、
いや、タイブレイクに行く前にどこかでブレイクして試合を決めていたように思われる。
1試合の中でも調子が安定しないのはサフィンの魅力ではあるが、
それを戻しきれないのはブランクの故だろう。
願わくば今年中に、かつての輝きを取り戻す道筋を見つけて欲しい。
'04年復活の狼煙を上げた相性のいいマスターズカップ・パリ&マドリード、
もしくは俺も観戦を予定している9月&12月のデビスカップで、
良い成績を残して自信を取り戻して欲しいものだ。
フェデラー打倒の1番手はマラト・サフィンだと、今でも信じるファンの熱い熱い願いである。

さらば、遠き日

2006-09-04 15:47:32 | テニス
アンドレ・アガシ、36歳。

グランド・スラムタイトル=8(全豪=4、全仏=1、全英=1、全米=2)
キャリア通産タイトル=60
キャリア通算成績=870勝274敗
最高ランク=1位
通産獲得賞金=31,152,975ドル

21年の現役生活より引退。
ありがとう、おつかれさまでした。
これまで与えてくれた感動に万感の思いを込めて。