ロシア留学中・脱力進行中

モスクワ留学滞在記、スポーツ(特にテニス)のこと。他に趣味(漫画や音楽)等いろいろ・・・

双璧相撃つ

2007-01-19 22:33:50 | テニス
既に今年最初のグランドスラム、
オーストラリアンオープンが始まっている。
時差8時間、モスクワ時間で午前3時に試合開始のため、
毎日朝のニュースのアナウンサーの様な生活をしている。
既に目覚まし無しでも勝手に朝4時~5時に目が覚めるようになってしまった。
好きこそ物の上手なれ、と言うが、趣味の力というのは本当に恐ろしい。

前もって書く余裕が無くて優勝予想をしてないが、
いちいち書かなくても俺の予想は常にマラト・サフィン。
特にこの全豪OPでは出場した3大会連続(02年、04年、05年。03年、06年は欠場)で、
決勝進出の快挙。特に05年のSFでフェデラーを倒した試合は語り草になるほどの好勝負。
リバウンドエースを最も得意とするサフィンを優勝候補に挙げても、
誰も不思議に思う人間は居ないだろう。
女子の予想はセレナ・ウィリアムズ。こちらも単にファンだから。
サフィナやキリレンコ、ゴロビン、そしてヒンギスにも頑張って欲しいが、
ここはあえて女王復活を祈ってセレナを押す。
今朝の3回戦でも第5シードのペトロワを破っての4回戦進出。
前回のセレナが戻ってきたなら、これは十分に期待できる。
セレナがノーシードで自分の山に抽選されたペトロワは不運としか言いようが無い。

さて、大会5日目の注目はなによりも男子3回戦サフィンvsロディック。
こちらもサフィンが第26シードで、第6シードのロディックの山に入ってきた不運。
3回戦で当たるには勿体無さ過ぎる内容。
両者はこの全豪OPでは04年のQFで一度対戦があり、
その時はフルセットの熱戦をサフィンが制している。
今回もこのサーフェスに限ってはロディックには可愛そうだがサフィン有利、と見ていた。

Safin (RUS) [26] 6(2) 6 4 6(2)
Roddick (USA) [6] 7(7) 2 6 7(7)

午前の授業が終わって帰って見ると、試合開始から1時間弱、
1stセットは予想に反してタイブレイクでロディックが取ったところだった。
だが2ndセットでロディックのサービスゲームを2ブレイクの末勝ち取り、
1セットオールにしたところを見て、やはりサフィン!と思った。
そして3rdセット、再びその気持ちが吹き飛んだ。
最初にケチがついたのは、3rdセット2-2で迎えた第5ゲーム、
サフィンのサービスゲームの2ポイント目。
ネットに着いたサフィンがフォア側に抜けるパスを横っ飛びで獲ろうとした際に、
地面で右手の小指を擦って血が流れるほどの怪我をした時。
メディカルタイムアウトがとられ、数分間の治療後、ポイント0-30からの再開。
このゲームは良くキープしたと思う。2ポイントのビハインドから、
怪我の影響も無く、4ポイント連取でゲームカウント3-2とした。
最大の分岐点は4-4で迎えた第9ゲーム、サフィンのサービスでの30-30だろうか。
そこで素晴らしい1stサービスを放ったサフィンは、浮いたロディックのリターンを、
なんとドロップショット、でネット!なんちゅうショットセレクション!
即座にロディックにブレイクポイントが行く。
一度は逃れたものの、その次のデュースからのポイントで、
ロディックのフォアがコードボールでサフィンのコートに落ちる不運。
結局このままブレイクを許し、3rdセットも落とすことになった。
ラケットを叩きつける寸前で怒りを飲み込むサフィン、とここで恵みの雨。
前の試合、2回戦4thセットの最終盤サフィンのサービス5-6・30-30でも雨。
もっと言えば02年のSFハース戦でも敗北寸前を雨で救われているサフィン。
今回もこの雨はサフィンにとって恵みの雨となるはずだった。
屋根が閉まる約20分間の中断を挟んでの再開、頭を冷やすいい機会になった、はずだった。
ところが!試合再開を宣告されても「コートがまだ濡れている」と、
主審のパスカル・マリアさんに食って掛かるサフィン。
スーパーバイザーが出て来ての説得にも耳を貸そうとしないサフィン。
結局ブーイングとワーニングを受けてコートに戻るものの、
この兆候が良い方向に出た試しは無い。3回戦突破に暗雲が立ち込めてきた。
4thセットはお互いブレイク無しの白熱した攻防。
ここを切り抜けられれば、全豪OPでは5セットマッチとなった試合で
8勝負けなしのキャリアが生きてくる。(岩佐さん情報)
しかし、これまで両者のタイブレイクはこの試合の1stセットを含めて
9回あり、ロディックの7勝2敗。分が悪し。
そして土壇場のここでももその予感が的中。2度目のサービスでミニブレイクを許すと、
後は一度もミニブレイクバックできないまま、試合は終わりを告げた。。。

天を仰ぐサフィンファンの観客と、同じく1人でガッカリの俺。
今大会は久しぶりにベストの状態で出たグランドスラムで、しかも得意の全豪。
05年の再現を願って期待していたのだが。入った山が悪すぎた。
ロディックのプレーは全体を通してすごかったと思う。
バックハンドではサフィンに一日の長があるものの、
フォアハンドでは明らかにサフィンよりも威力、質ともに上回っていた。
良くアタックしており、しかも際どいところで良く入る。
この出来なら、年度最終戦で夢に終わった打倒フェデラーを託せるかもしれない。
ウィナー/エラーはサフィン=52/39、ロディック=47/33。
スタッツも素晴らしい試合内容を物語っている。
ロディックはこの後4回戦でアンチッチ、QFでフィッシュorフェラーと続くが、
調子を上げてSFのフェデラー戦まで駆け上がって欲しい。
正直、決勝で当たるよりは打倒フェデラーはやりやすいと思うので、
マラトの分まで頑張れ、アンディ!(だから写真は期待をこめて格好良いアンディで)

突然の新しい仕事? Kap.Ⅳ

2007-01-15 23:03:39 | モスクワ留学記
例の日本語家庭教師、12日(金)に再開するはずだったが、
前エントリーで書いたお別れ会と重なってしまったため、
ズラして貰って14日(日)の昼にすることになった。
前日に電話して、昼1時頃に行くと言っておいたのだが、
ちょろっと寝坊したため30分ほど遅れての到着。
まぁ1時“頃”と言っておいたので良かった良かった。
だが、行く途中から「今から行くよ」と電話しようにも電話が通じない。
もしかしたら出かけていて地下鉄の中かもしれないと思い、
とりあえずマルシュルートカに乗ってユリアの家に向かったのだが、
家の前に着いても一行に電話は繋がらない。結局寒空の中1時間待ち、
電話し続けても繋がらないので帰った。なんなんだ!?不毛に疲れた。
ちなみにこの待ちぼうけの間に、2人の留学生仲間は寮を出て日本へと旅立った。
ほんとになんだったんだ!?

寮に帰って少し休息の後、Sゲル、Aチ君の3人で中心街に向かい、
4時にロシア人友達のリョーシャと会う。
ルビヤンカ駅からФСБ本部(元КГВ本部)の裏の方にあるレストランへ行き、
ボルシチやハンバーガーを食べて腹ごしらえ。
そういえば起きてからパン1個しかだべて無かった!
結構安い店でまた行きたいと思ったが、(ボルシチは肉無しでイマイチだったが)
この店は日曜の夜はゲイの集会所になると聞いて尻込み。(←うまい)
しかもこの日は日曜日じゃねぇかぁぁぁ!でも集会は夜10時からだと聞いてひと安心。
日曜以外の夜は普通のクラブらしいので、今度一回行ってみるのもいいかもしれない。
日曜以外に。

その後1時間半ほど街をブラブラ散歩して、さようなら。
まぁ色々話した。ロシア人だからあまり意識しないが、リョーシャはまだ20歳。
若い!!で、かなり純粋な心の持ち主。いい奴だ。
どうでもいいけど改めて歳を聞くと、年齢差の大きさを痛感するな・・・

夜は夜で、待ちぼうけ&散歩により非常に疲れているにもかかわらず、
急遽飲み会が始まってしまった。次の日から始まる授業の宿題やってないのに・・・
結局飲み会は朝5時まで続き、俺はそのまま起き続けて12時の授業に行った。
体力だけならまだ若いだろうと証明できた、かな。

※リョーシャに聞くまですっかり忘れていたが、この日1月14日はСтарый Новый год(古い新年←面白い名前)。旧暦で1月7日がロシア正教のクリスマスなら、1月14日はロシア正教の元旦にあたる訳で、実は前夜の13日から14日にかけては色々セレモニーのようなものがあったらしい。勿体無い、ほとんど寝て過ごしちまった!中心街に行っとけば良かった!!という訳で写真は旧新年の赤の広場から。

8人の星、8人の光「パーティーの夜」

2007-01-14 10:38:08 | モスクワ留学記
最近ずっと定期的にしてきた更新が、久しぶりに滞ってしまった。
原因は休みボケだ。

まだ冬休み中の12日(金)、お別れ会が開かれた。
留学仲間の4月生の残り8人が、今月で10ヶ月の留学生活に終わりを告げる。
その第1陣は14日に帰国してしまうため、全体での最後の合同お別れ会。
俺は彼らが4月にロシアに来た時から、一応仲間となったわけで、
そういう意味で同期ではなくても同じ位の寂しさがあるわけで。
まぁそのほか色々な感情も入り混じるので、その会では酒に逃げました。
5~6人くらいで花札をやり、負けたほうがウォッカ1杯。
結局おちょこで何倍飲んだか分からないが、終わった時には瓶が2本空いていた。
ほとんど4人で飲んでいたので、400mlくらいは飲んだかな?

その後2人は潰れ、1人は帰り、俺は他の奴と朝6時までトランプに興じていた。
次の日がほぼ前日無駄になったのは言うまでもない。。。

決意と野心と

2007-01-08 03:40:32 | モスクワ留学記
7日(日)、ロシア正教のクリスマス。
この日は俺の誕生日だった。28回目。
また、つまらぬ歳をとってしまった・・・

前日、フィギュアスケートから帰った後、一時帰国から帰ってきたSゲルと
半月ぶりに会って話し込み、寝たのが朝7時。
そしてこの日、起きたのが夕方4時。まさに終わってる記念日の出だしだ。

洗濯をして少し部屋の掃除をした後、ヒロリンクルからの
「誕生日ケーキを食べよう」という誘いを断り(ヒロリンクル、すみません!!)
Rョウ君、Sゲル、Aチ君と4人でレストランへ。
Rョウ君との待ち合わせ時間に20分も遅れたのは、
洗濯機が予定より30分も時間オーバーして洗濯しやがったからだ!
ということで、Rョウ君、何度もいうが、遅れてすみません。
行ったのはトレチャコフ美術館すぐ隣にあるレストラン(カフェ?)の
「Бубновый валет(ダイヤのJ)」というお店。
Rョウ君の持っているモスクワ・レストランガイドを見ていたとき、
安く、なおかつ名前を気に入ったので行きたいと思っていたところだったのだ。
カードゲームやマジックが好きな俺にとってはすごく格好良い名前に思えたのだが、
実はБубновый валетというのは、1910年に結成されたロシア絵画の一流派らしい。
さすがトレチャコフ美術館に位置するだけあるわ。

店内はさすが美術館横のレストランだけあって、たくさんの絵が飾られ、
画家の名前が壁一面に現代アートさながらに描き連ねてある。
料理はガイドブックの平均10~20ドルの表示通りに高くなく(←これ最重要)、
ボルシチ=90ルーブル、蜂蜜ブリヌイ=70ルーブル、魚・肉料理=250~300ルーブル、
生ビール(500ml)=85ルーブルなど、モスクワにしては安めの内容。
全員で鳥料理を一つ頼み、後は好きなものを。
俺は久しぶりに魚を食べたかったので、メインは魚に。
それにボルシチ、ビールを飲んで結構腹いっぱいになって510ルーブル。
なかなかのお味、結構良い店でした。
これまであまりロシア料理屋に行ったことのなかったSゲルが大層気に行って、
帰国3週間前にしてロシア料理に目覚めていたのは笑える。
俺は、店も良いが、店の名前と、店の前の通りが気に入った。
トレチャコフ美術館には前回留学時に2回行った事があるが、
夜の美術館前の通りがこれほど綺麗だとは!
(写真は、店に入る前に、その気に入った美術館前通りでの記念撮影)
行きは遠回りしてモスクワ川沿いを歩いてきたが、そこも川向こうにクレムリンが望め、
風情があって良かった。少しだけペテルブルクを歩いている感じがした。

わざわざ付き合ってくれた3人の友人に感謝だ。
Rョウ君、Sゲル、Aチ君、ありがとう。

その後、4人で戦場・アリョーナクへ。
誕生日のこのパターン、去年と同じだな・・・
そこで3人は勝って、俺だけ負けた。何故だーーー!!??


※ここでとりあえず27年目を簡単に振り返り、次の目標を立てておく。
色々あった。自分の中で激動の年齢だった。特に後半。7~8月を除く10ヶ月をモスクワで過ごし、少しは成長できたものと思いたい。28年目の今年は、留学最後の6ヶ月、それを終え日本に帰ったら、その後の人生を決めるであろう職探し。自分の人生の一大転機となる1年になること間違い無しなので(ていうかならなかったらやばいので)、もう少し渇を入れて頑張りたい。6月までの、モスクワ生活での目標としては、第1に、先日クラスメイトのAサミが受かった(女優退場参照)モスクワ大学の外国人用ロシア語検定第2レベルに俺も合格すること、第2にロシア人の可愛い彼女を作ること。あ、こっちが第1かな?達成できたあかつきには、寿司でもおごって下さい。

帝国の残照 Kap.Ⅱ

2007-01-07 12:00:38 | 体操・フィギュアスケートその他スポーツ
6日(土)、フィギュアスケートのロシア選手権に行った。
ムィティシというモスクワ北西の郊外にある
「氷の宮殿」アリーナで開催されていて、
行ったのは3日目の男子シングル、ペア、アイスダンスの決勝の日。
女子は前日2日目に終了していて観れなかった。
この町に住んでいるスヴェータ、ナターシャ、そしてヒロリンクルの4人での観戦。
チケットは500ルーブル。審判席の真後ろ15列目で、恐ろしく見やすかった。

行くときに余裕を持って出たつもりが、チケットを忘れたことに気がつき、
地下鉄の駅から走って引き返すという愚考。15分ほどロス。
さらに北の端にある地下鉄メドヴェートコボ駅で余裕こいてたら、
意外と会場までのバスが遠回りして、時間がかかって10分遅刻。
スヴェータ、すまん。。。

最初はアイスダンス。第1グループは嘆かわしい内容で、
ナフカ&コストマロフ引退後の暗黒時代を感じさせたが、
最終滑走、期待のドムニナ&シャバリンは期待以上だった・・・
・・・ドムニナの美貌が。
あれはやばいよ!ナフカやタニス・ベルビンに負けない美しさ!!
まだ22歳だし、次の五輪はかなり期待できるかも!
ベルビン&アゴストとの美貌対決は、色んな意味で見逃せない!!

ペアは、出場予定に書いてあるうちの、期待していた2組が棄権。
いつの間にか競技が終わっていたって感じで、まったく拍子抜けだった。
第3グループがあると思っていた矢先、2グループで終了だったので、
「終わりかよ!」って4人で突っ込んでいた。

男子、ヒロリンクルがすごい知識を披露。
俺は勿論、ロシア人のスヴェータでも着いていけない程のロシア・フィギュア通ぶり。
まずヒロリンクルのお勧めはアルトゥール・ガチンスキー。
若干13歳ながら、入りのトリプルアクセルをきっちり決め、その後も
かなりの高い難度のジャンプを決めていく。第一滑走ながら天晴れな内容。
ステップもプルシェンコを彷彿とさせ、ミーシン・コーチの元で修行を積めば、
自分のスタイルを確立させる頃には世界の表舞台に躍り出ることだろう。
次のお勧め、ウスペンスキー兄弟は、ヴラディーミルしか出ていなかったが、
それほど強烈な印象と言うわけでもなかった。
その後で、ジャンプの難度はそれほどでもないながら、強烈な印象を残した選手がいた。
ただ、名前を忘れてしまった!アルチョーム・ボロドゥリンだったかな?
ステップといいスピンといい表現力といいかなりの魅せ方。
彼も若そうだったので将来に期待。
そして最終・第3グループのトップ滑走では、
ヒロリンクルの王子様、アンドレイ・グリャゼフが。
4回転こそ跳ばなかったものの、トリプルアクセル、ルッツ他すべてほぼ完璧。
これ以上ないという出来で、演技の途中で2回ほどガッツポーズも飛び出て、
SP7点差を跳ね返してそのまま優勝。
グランプリ・シリーズのロシア杯とはうって変わった素晴らしいパフォーマンスだった。
ヒロリンクルも王子様の久しぶりの素晴らしい演技に酔いしれ、満足そうであった。
2位はアンドレイ・ルタイ。SPで77点台、2位以下に7点以上もつける大差で、
恐らく彼1人が4回転を成功させていたのだろうと思われる。
FSでも唯一の4回転成功者であったものの、その後の3回転(詳しくは忘れた)で
難度か失敗し、結局グリャゼフには届かず2位。しかし良い滑りだった。

ただ!
これではジュベールやランビエールには届かないであろうことを明記しておく。
奴らはやっぱり頭一つ抜けている。

11月25日のグランプリ・シリーズ、ロシア杯と比べればレベル的にも低く、
更にプルシェンコ他、ロシアのチャンピオン達に会えなかったのは残念。
ただ、腐ってもフィギュア大国ロシア、を見せつけられた。
特に男子は、この年齢でこんなに滑れるんだ!とすごさを実感した。
2時前に寮を出て、結局帰り着いたのは夜1時半だったが、楽しい時間が過ごせた。
そういえば最後、競技終了が11時過ぎでメトロ駅へのバスがなくなったのだが、
近くに座っていたスヴェータのお隣さん(以外にも会場にはスヴェータの知り合いが沢山)
の彼氏に寮まで送ってもらえた。なんと彼は俺たちの寮からすごい近くに住んでいるらしい。
ラッキー。

郊外へのささやかな旅

2007-01-03 23:27:54 | モスクワ留学記
3日(水)、この日は留学仲間のアチ君に誘われて、
アチ君の居合い道場の友達アンドレイさんに
エクスカーションに連れて行ってもらった。
エクスカーションといっても彼の車で彼の案内。無料です。
朝10時。寮の前まで迎えに来てもらい、出発。

アチ君の知り合いなので、俺は遠慮がちに後ろの席に座り、
行きの道中は大人しく窓の外を眺めていた。
車はレーニンスキー・プロスペクトからサドーバエ環状~ヤウザ川沿い
~ソコーリニキ公園そばを通り抜け、プロスペクト・ミーラ~モスクワ大環状(МКАД)
~ボロコラムスコエ街道を快適に飛ばしながら走ってゆく。
さすが新年、ドえらく道が空いている。
車中ではアンドレイが馴染みの場所を色々説明してくれ、
アチ君がそれに耳を傾ける構図。俺は後ろで2人の会話を聞いていた。

ボロコラムスコエ街道に入ると途端に都会らしさが消え、周りは一面冬の森。
ときたま村を通り抜けるが、中には「ここは誰も住んでないから名前がない」
とアンドレイに説明された場所も。モスクワ北西の端から約30~40キロのところで、
ようやくお目当ての場所、ノーヴィ・エルサレムに着いた。出発から1時間と少し。

この「歴史的・建築学的・美術的博物館」ノーヴィ・エルサレム修道院は、
本家エルサレムのユダヤ寺院を模して造られた様でこの名前がある。
中には地下6メートルから建てられている教会が一つと、
その横にある修道院のメインをなす教会が一つ。
更にその2つそれぞれに小さな教会が1つ~2つくっついている構造。
メインの教会は第2次世界大戦のナチスによる破壊から修復されておらず、
その横の付属の教会が現在の主要な役割を担っていた。
そこには聖女タチアナの遺体が安置されており、新しく再建された壁は、
壁一面が水色で塗られ、とても綺麗だった。
しかしナチスが持ち去ったため、普通ならイコンを置くべき場所が空っぽだった。
メインの建物の反対側にはかつての総主教ニコンを祀ってあり、
(祀るという言い方が正しいのかどうか知らない)
狭い部屋ながらちょっと厳格な雰囲気を醸し出していた。
地下教会は、地下への階段がエルサレムの段数と同じ数という。
イコノスタスという教会内部正面にある壁からほとんどのイコンが持ち去られ、
ここでも戦争の傷跡が。中では聖なる水を配っていた。
内部でカメラを撮っているロシア人がたくさんいるので不思議に思っていたら、
ここは内部の撮影が許可されているとの但し書きがあった。
活動している教会かと思ったら完全な博物館か!ちょっとがっくり。
さっき「厳格な雰囲気を・・・」と言ったのは取り消します。

昼は修道院の端にある美術館兼カフェで紅茶とピロシキの昼飯を食べ、
午後は外の公園を散策。18~19世紀頃の農民の家が面白かった。
農民といってもこれは富裕な部類に入る家のようで、きっと農奴ではないだろう。
ペチカという暖炉があり、その上には1~2人分の寝れるスペースがある。
また窓には雨戸の換わりに木の扉。いかにもロシアならではの構造。
ただ玄関が2つある造りは珍しいようで、アンドレイも不思議がっていた。
でもその他は、農家の道具や薪置き場など、あまり日本と変わらないかな?

公園の端には小川が流れており、昔スーズダリに行ったときのような、
「ロシアの田舎」って感じがヒシヒシとした。(スーズダリについてはコチラ参照)
修道院内部の見学の最中は別のエクスカーション組がいて(って俺らは本当は違うけど)、
それについていって説明を聞き、アンドレイが分かりやすく俺に説明してくれ、
それを俺がアチ君に日本語で説明するという4段階構造。
結局修道院内部に入ってからは、ほとんど俺が話していた気がする。
すまん、アチ君。

3時頃修道院を後にし、来る途中の道沿いにあった戦没者記念碑に寄った。
ここは第2次世界大戦の対ナチス・モスクワ防衛線で全滅した
シベリア出身の兵士達に敬意をこめて記念碑が建てられた場所で、
周りには旧ソ連軍の戦車や対空砲、明らかに近代の弾道ミサイルのようなものや、
中にはドイツ軍の戦車ティーゲルまで展示されていた。
っていうか展示というより雨ざらしに置いてあるだけという感じもしたが・・・
記念碑の周りには「第16機甲兵団・ルーキン将軍」みたいな但し書きもあった。
それより何より面白かったのは、アチ君が急に生き生きとしだしたこと。
修道院の中では非常に大人しかったのが、ここでは率先して写真を撮りたがっていた。
何故かと尋ねたら、友達に兵器マニアがいて写真を見せたいらしい。
「自分の趣味じゃないのかよ!」

帰りの道中、大環状沿いにあるリーガという巨大ショッピングモールに寄り、
この中にある「ムー・ムー」で少し早い晩飯。
アンドレイは仕事の後、居合い道場に行く前に此処でよく晩飯を食べるらしい。
で、驚いたことにムー・ムーでも全額アンドレイがご馳走してくれた。
ノーヴィ・エルサレム内部の入館料(修道院のみなら無料)も昼飯も、
全て払ってもらっていて、更には夕飯まで!ちょっとびっくりしたが、
「君達はお客さんだから」と言ってくれたのでありがたく好意に甘えた。
結局使ったのは一番最初のトイレ代8ルーブルのみだった。。。
夕方6時、寮到着。帰りも寮の前まで送ってもらったので、しっかりお礼を言って別れた。

今日は朝早くから、丸1日を使って俺たちを案内してくれるなんて、
なんていい人なんだ。アンドレイに感謝。
そして素晴らしいエクスカーションに誘ってくれたアチ君にも感謝。
アンドレイがこれだけしてくれるということいは、
居合い道場でアチ君が良い関係を築いているということだろう。素晴らしい。
ただアチ君よ、1つ言うとしたら、もう少し会話の練習はした方が良いぞ。

新年来たりなば・・・

2007-01-02 09:27:13 | モスクワ留学記
06年12月31日、夜8時頃から隣の部屋のヒラシェンコ部屋で、
留学同期生10人ほどが集まって忘年会が始まった。
年越しラーメンを食べながら1年を振り返る、
と言いながらほとんど振り返り話などせず、
ムダ話に終始するのはいつもの事だ。
俺を含めた4人が朝8時頃まで起きていて、そのうち3人は
「それから寝たら昼には起きれない!」ということで、赤の広場へ出かけることにした。

1月1日。前日から起き続けているのでイマイチ実感がないが。
俺、ヒラシェンコ、Rョウ君の3人は元旦の朝9時、メトロに乗って中心街へ。
そして新年のモスクワ中心部を歩きまくった。
赤の広場に始まり、大ニキーツカヤ通り~ニキーツキー・ブリヴァール~アルバート通り
~スモーレンスカヤ~パールク・クリトゥールィ~クロポトキンスカヤ。
延々3時間は歩いた。途中で腹が減ったので空いてる店を探したが、
マクドナルドも含めて営業している店は皆無。
シャウルマ屋やポテト屋などのキオスクがいくつか営業しているのみだった。
この日はメトロはもちろん、中心街はどこもかしこも空いており、
普段は交通量の多い新アルバート通りも、道の真ん中で記念撮影できるほど。
これほど人気のないモスクワも珍しい。
最後に救世主キリスト聖堂に寄り、新年のお布施をして中心街を後にした。
この時、時間は大体1時頃。新年早々良く歩いた。
(写真は新アルバート通り。ビルには「2007」の文字が。)

帰りの途中、大型スーパー・ラムストルに寄ったところで眠気のピーク。
フラフラになりながらも歩いて帰る際の荷物ジャンケンでは6戦4敗。
重い荷物が何とか俺の意識を繋ぎとめた・・・ってコラー!
ジャンケン負けまくりだった。Rョウ君1人勝ち。全くコノヤローだ。


夜は8時頃から同室3人(俺、ヒラシェンコ、Y山氏)+Aチ君でアリョーナクに行き、
新年早々ギャンブル。途中でRョウ君も参戦。
最初1,000ルーブル勝ったものの、途中で晩飯を食った辺りからツキが急変。
一気にマイナスに陥って結局負けた。年末の勝ち額を半分まで減らしてしまった。
やっぱりギャンブル途中で飯を食ってはいけない。これは昔からのジンクスだ。
3時頃寮に帰り、今度は5人で花札大会。これがアツい!
ツキまくりで実に18戦13勝。結構勝ってしまった。
新年は散歩にギャンブルに、思ってたよりも楽しい迎え方が出来た。


というわけで明けましておめでとうございます。
昨年はご多忙のところ、当ブログを読んでいただき、大変ありがとうございました。
今年も頑張ってモスクワから日記を書き続けますので、よろしくお願いいたします。
皆様にとって、そして自分にとっても今年が良い年でありますように。