最も素朴なタイプのヤシ砂糖。ヤシの実の殻に入れて固めるからこういう形になる。
この形のものは、スラウェシで多く見かける。
伝統的な型はヤシの殻だが、最近はたこ焼き型に似たプラスティックの型に入れて小型のものを作ることが多い。
煮詰め方によるのか、色の明るい黄色っぽいもの、赤っぽいもの、こげ茶のものがある。カラメルのような匂いがして、かじるとなぜかみたらしのような味がする。
ジャワ人は甘いものが大好きだから、たくさん使うのだろう。
島の東のほうではサトウキビ栽培が盛んだが、歴史的にはサトウキビは最近導入されたものだ。中央部では今も料理にはヤシ砂糖を使うことが多いようである。
ヤシ砂糖のことひとつとっても、インドネシアは食べものがほんとうに豊かだと思う。
年中植物が育つ環境がある。
日本では、北にてんさい、南にさとうきびがあって砂糖が作れるけど
それ以外の地域では、昔は容易に砂糖など口にすることはできなかった。
昔の人はみんな、砂糖が貴重だったことを言う。
だから山に自然にできる果物、たとえばサルナシやアケビなんか貴重だったし、
さつまいもも大事な甘い食べものだったし
料理には干し柿や柿の皮を使って甘みをつけたりもしている。
柿は、どの木が誰のものと、子どもの中で縄張りが決まっていたらしい。
私の住んでいる地域に限っていえば、
果物だって簡単にできるものはそんなに種類はなく
リンゴ1個を家族みんなで分け合って食べたと聞く。
写真上/スラウェシ島タナ・トラジャ(2008年)
写真下/ジャワ島中ジャワ州(2008年)
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