島のまにまに~インドネシアの小径~

海洋国インドネシアのあちこちでで出会う、美しい村、美しいもの。自然とつながる暮らし。

ボゴールの竹笠

2012-08-10 | 籠・編んだもの

シェルブールの雨傘という映画があったけど。

ボゴールでは竹笠。雨にも晴れにも使える、晴雨兼用笠。
笠の下の顔がかなり暗くなっているところを見ると
遮光性抜群のよう。

ジャワやバリの田んぼを描いた絵の中の人たちは、この形の笠をかぶっている。
日本にも同じような笠があるけど、若干大きさと深さが違う。安藤広重の東海道五十三次に出てくる人たちがかぶっている。

日本で作られていたのは……
桧笠(ひがさ)。ヒノキの材を細くへいで細い帯状にして編む。木曽地方で一般的。色の違う竹を使って模様を出したりしている。
竹笠もある。
本当の山奥の日常使いでは、タケノコの皮で作るのもある。椎葉村ではバッチョウ笠という。これは家々でおじいちゃんなんかが作って子どもの雨の日の通学にかぶらせていた。
菅笠(すげがさ)。これはカヤツリグサ科の草の葉で作る。その草の名をカサスゲという。ため池のほとりや山の湿地帯でよく見かける大型の草で、見れば「この草で何か作れないかしら」と思うのは必然的なような草。
全国各地に、もっといろいろな材料のものがあるだろう。
今時の帽子よりも頭が蒸れなくていいと、今も農作業をする人には好評である。


で、ボゴールの竹笠。思わず写真を撮ったのは、色がスゴかったから。
まず、竹笠に色を塗ろうという発想がスゴいし、
その色づかいがまたスゴい。
到底私には思いつくことができない。

生まれた土地で培われる発想というのは大したものだ。
それと、街の中でもこんな笠が健在というのがいい。


写真/ジャワ島ボゴール(2008年)

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