↑ ゴーギャンがタヒチに移住して、すぐにに入院した病室の窓に描いた絵がなんとなく田中一村の絵に似ていた(映画0:20:55秒ごろ)
『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』(原題:Gauguin – Voyage de Tahiti、2017年)
フランスの画家ポール・ゴーギャンのタヒチでの生活と創作活動を描いた伝記映画。
ゴーギャンと田中一村は「南の楽園へ旅立った画家」として比較されがちですが
しれば知るほど相違点が多い、と改めて気づいた。(ある意味当然なのだが)
一村とゴーギャンは実際には移住の動機も、生活態度も、画風も異なります。
フランスでゴーギャンは子供が5人もいて、タヒチではすぐに美しい女性と一緒に住んでいるし。
田中一村が奄美大島に移住した理由は「楽園」探しではなく、自然への没入、島のリアルな美しさを表現。
ゴーギャンが「象徴的な楽園を創り出した」のに対し、一村は「現実の自然を精緻に描いた」、
また最晩年の一村は、一切の世俗のしがらみから解放され、画家として充実した境地に達していたと考えられる。
画風も表現方法も似ているようで違うし、画家としての生き方も大いなる相違点があると思う。