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[増補版]神道はなぜ教えがないのか 単行本(ソフトカバー) – 2023/9/1

2023年10月25日 | 本と雑誌

[増補版]神道はなぜ教えがないのか 単行本(ソフトカバー) – 2023/9/1
島田 裕巳 (著) 8個の評価

名瀬の書店で見つけた。

全18章のうちとくに印象にのこったのは7章と8章とあと第13章

第7章 人を神として祀る神道
吉田茂は国葬だったが、死後カトリックの洗礼を受けた。浄土宗の戒名も授かっている
さらに大磯の旧吉田邸にある七賢堂に神としても祀られている。

第8章 神道は意外にイスラム教と似ている。

神道とギリシャ神話に登場する神々も共通するところがあるように感じるのだが、
イスラム教については世界で二番目に信者数が多いのにもかかわらず日本にあまりなじみがなく
すこしわかりにくかった。この章は11ページほどしかない。
もっと掘り下げてくれれば、おもしろいテーマになると思う。

第13章 ないがゆえの自由と伝統
こちら興味深いがもっと論じてもらいたい。
全18章もある章立ての中ではしかたないのかも知れない。


アマゾンより
第1章 「ない宗教」としての神道
第2章 もともとは神殿などなかった
第3章 岩と火-原初の信仰対象と閉じられた空間
第4章 日本の神道は創造神のない宗教である
第5章 神社の社殿はいつからあるのか
第6章 「ない宗教」と「ある宗教」との共存
第7章 人を神として祀る神道
第8章 神道は意外にイスラム教と似ている
第9章 神主は、要らない
第10章 神道には生き神という存在がある
第11章 伊勢神宮の式年遷宮はいつから行われているのか
第12章 救いのない宗教
第13章 ないがゆえの自由と伝統
第14章 浄土としての神社空間
第15章 仏教からの脱却をめざした神道理論
第16章 神道は宗教にあらず
第17章 「ある宗教」への胎動
第18章 「ない宗教」の現在と未来


『「新しさ」の日本思想史』 ――進歩志向の系譜を探る (ちくま新書) 新書 – 2022/2/9

2023年09月27日 | 本と雑誌

「新しさ」の日本思想史 ――進歩志向の系譜を探る (ちくま新書) 新書 – 2022/2/9

「新しさ」という割と日常的な概念だけでこれほどの内容が語れるのか、と驚く。
日本思想史の本なので学術的で難解なところは、ところどころ飛ばしつつ読み進めてみたが、
最後までけっこう読み応えあり。日本語のスキルブラシュアップも兼ねた日本史のおさらいにもなった。

たとえば、海保青陵(wiki 人生の過半を遊歴に費やし、各地で『論語』などの中国古典や漢文作成の文法を教えながら、一方で経済上の様々な相談や指導を行って家計や経営の立て直しに手腕を振い、現在の経営コンサルタントの先駆けとも評される人物である)
についての項が興味を引いた。

いかなる人間関係も基本的にはウリカイ(売り買い)阿蘭陀ハ国王ガガ商ヒヲスル、「物ヲ売リテ物ヲ買ウハ、世界ノ理」
君臣関係もまた 「ウリカイ」 である。

そういわれてみれば「官尊民卑」のイメージが強い薩摩藩は、藩自体が奄美の砂糖などを「ウリカイ」するなどして破綻寸前の財政を立て直すなど、さまざまな貿易にものりだしている。
このことも地政学的に思想史の文脈で語ることも可能だろう。


登録情報
出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房 (2022/2/9)
発売日 ‏ : ‎ 2022/2/9
言語 ‏ : ‎ 日本語
新書 ‏ : ‎ 288ページ


『ChatGPTの全貌』 何がすごくて、何が危険なのか? (光文社新書 1267) 新書 – 2023/8/18

2023年09月20日 | 本と雑誌

ChatGPTの全貌 何がすごくて、何が危険なのか? (光文社新書 1267) 新書 – 2023/8/18
オタクを自認する著者の視点はユニークで、視野も広く文の語り口もソフトでノリもいいし、わかりやすい
(専門的なことも言っているのだが)、経歴もちょっと変わっている。
こういう本を書くには最適任ではないだろうか、と読み始めてすぐに思った。

P200 エリートの幻想(小見出し) 「人間にとって自分で考えること、自分で決めることが重要で、価値があり、みんながそれを望んでいる・・・」は恵まれたエリートの幻想である。は今の社会をよく観察している。


名瀬の書店で買ったGPTの本


『日本とユダヤの古代史&世界史』 - 縄文・神話から続く日本建国の真実 - 単行本 – 2023/6/9

2023年09月18日 | 本と雑誌

日本とユダヤの古代史&世界史 - 縄文・神話から続く日本建国の真実 - 単行本 – 2023/6/9


amazon 登録情報
出版社 ‏ : ‎ ワニブックス (2023/6/9)
発売日 ‏ : ‎ 2023/6/9
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 304ページ

本書も名瀬の書店のいつも行く棚の裏側で見つけた。
いかにもトンデモ本のような装丁だったのだが、それと割り切ってもペラペラめくると面白そうだ。
対談本なので読みやすい。カラー写真、イラストなども豊富。

いきなり千葉県芝山古墳群(殿塚・姫塚)出土埴輪(しばやまこふんぐん(とのづか・ひめづか)しゅつどはにわ)の人物埴輪群の写真。それが本書ではユダヤ人とされる。

渡来人の秦氏もユダヤ人とされる。

島津氏の出自は秦氏の後裔とされる惟宗氏であるという話は歴史の本で、何度か読んだ記憶があるので、興味を引かれた。

まあ、NHKBSダークサイドミステリー”神秘の古代ミステリー 徹底検証!日本・ユダヤ同祖論
初回放送日: 2023年7月13日”が再放送されたら、観てみたい。本書の主張を肯定的にとらえる内容とは思えないのですが。しかし不思議なことはあるものである。

NHKBSダークサイドミステリー”神秘の古代ミステリー 徹底検証!日本・ユダヤ同祖論

”日本人の祖先はユダヤ人と共通?日本各地の神社にユダヤの痕跡?「かごめかごめ」はヘブライ語の暗号?ネット等で話題の古代ロマン・日ユ同祖論を専門家とともに検証する。”


「古事記ワールド案内図」池澤夏樹著 発売日 ‏ : ‎ 2023/5/24

2023年09月11日 | 本と雑誌

「古事記ワールド案内図」池澤夏樹著

登録情報
出版社 ‏ : ‎ 河出書房新社 (2023/5/24)
発売日 ‏ : ‎ 2023/5/24
言語 ‏ : ‎ 日本語
新書 ‏ : ‎ 256ページ

読了から時間が経ってしまった。
読書中はアマゾンのカスタマーレビューはまだなかったのだが、現在ついている
2~3のレビューはいづれも批判的だ。文学ガイド的なので、記紀についてのそれなりの基礎知識は要求される。おもしろく読める人とそうでない人に大きく分かれるのだろう。
また同じ人でも読むときの気分で、評価が分かれそうな。
おもしろく読んだ、と思ったのだったが、今振り返ると具体的に何が面白かったのか思い出せない。あまり角度をつけずに、断定を控えつつの語りが、そうさせたのかも知れない。歌の引用も多かった。

ワカタケル 単行本 – 2020/9/1
池澤 夏樹 (著)
を先に読んでおけばよかったかも知れない。21代雄略天皇にまつわる小説です。


『禁断の中国史』 単行本(ソフトカバー) – 2022/6/30

2023年09月10日 | 本と雑誌

『禁断の中国史』 単行本(ソフトカバー) – 2022/6/30
百田尚樹 (著)
4.4 5つ星のうち4.4    2,385個の評価


登録情報
出版社 ‏ : ‎ 飛鳥新社 (2022/6/30)
発売日 ‏ : ‎ 2022/6/30
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 228ページ

よく行く書店の棚の裏側で思いがけなく見つけた。
内容はヘイト的だが、割と知られたエピソードが意外と多い。ドラマなどでよく見るシーンも。
関西弁のセリフを交えた語り口は巧みで独創的。ある意味とても効果的でもある。
纏足と、2万人収容の貢院(こういん)と呼ばれる科挙の試験場全景、試験部屋の写真などは初めて見たので印象的だった。


ソポクレス『オイディプス王』 2015年6月 (100分 de 名著) ムック – 2015/5/25

2023年09月08日 | 本と雑誌

ソポクレス『オイディプス王』 2015年6月 (100分 de 名著) ムック – 2015/5/25


登録情報
出版社 ‏ : ‎ NHK出版 (2015/5/25)
発売日 ‏ : ‎ 2015/5/25
言語 ‏ : ‎ 日本語
ムック ‏ : ‎ 112ページ

「オイディプス王」の話はもうお知っている、ソポクレスの名はそれほど聞き馴染んではいない、ということで8年間の積読で、ページが黄ばんでいる。

表紙の「物語の原型はこれだ!」にひかれ読み始めた。暇にまかせて連続2度も読んだ。

「オイディプス王」はソポクレス60歳(70歳?)くらいの作品。その続編の「コロノスのオイディプス」を執筆したのが90歳ごろというから驚きだ。歳をとると「コロノスのオイディプス」のほうに魅かれる。P76 ディオゲネスとオイディプスの話がおもしろい。


100分 de 名著 司馬遼太郎『覇王の家』 2023年 8月

2023年09月07日 | 本と雑誌

NHK 100分 de 名著 司馬遼太郎『覇王の家』 2023年 8月 [雑誌] (NHKテキスト)

小説として描かれた、司馬遼太郎の「家康論」

下巻の中心を占める小牧・長久手の戦い。関ケ原も大坂の陣も端折られている。司馬作品としては、知名度、人気は高いといえない。

放送は最終回だけ、それも途中からしか見ることができなかった。

第二回 家康の正室の築山殿についての記述と 三回「三河かたぎ」の功罪、それに最後の著者の持論、今の日本を再生のための持論、農本主義・」地方分権に戻すべき、田園都市構想、コンパクトシティ、などが印象深かった。


スサノヲの正体 (新潮新書) 新書 – 2023/7/18 関 裕二 (著)

2023年09月02日 | 本と雑誌

スサノヲの正体 (新潮新書) 新書 – 2023/7/18
関 裕二 (著)
3.8 5つ星のうち3.8    19個の評価

総論的部分は面白いのだけど、各論になると一度読んだだけでは理解しにくい感が増える。

p24 七世紀後半に伊勢神宮が今の形に整えられてからあと明治維新にいたるまで、持統天皇を除き、歴代天皇はひとりも伊勢を参拝されていないP24

これほど長い間歴代天皇が伊勢を避けてきた理由。興味ぶかいが、それだけに一度読んだだけでは理解は困難だ。P32 スサノヲは弥生的ではなく、もっと古い縄文的な神P32 スサノヲはアマテラスより何倍も面白そうだ。アマテラスはユダヤ人だったという本も名瀬の書店で見つけた。

いままでの、邪馬台国の場所はどこだ、の古代史ロマンっていったい何だったのか。

アマテラス=善 スサノオ=悪

スサノヲの正体がわかれば、ヤマト建国と古代史の多くの謎が解ける。やはり相当読み込まないと・・・。


NHK 100分 de 名著 新約聖書 福音書 2023年 4月 [雑誌] (NHKテキスト)

2023年09月01日 | 本と雑誌

NHK 100分 de 名著 新約聖書 福音書 2023年 4月 [雑誌] (NHKテキスト)


知や教養を超えて、“心の糧”として「聖書」の言葉を読む

理解するのではない心で味わうのだ。

「新約聖書」の4つの「福音書」に描かれた、弱きもの・小さきものに寄り添ったイエス・キリストの存在は、現代人にどのような意味を持つのか。信仰者に留まらない開かれた書物として、また「理解する」ものではなく、各々の人生に照らして「感じる」ものとして、キリスト教の聖典を読み直す。

講師:若松英輔


『日本、中国、朝鮮 古代史の謎を解く』 (PHP新書) 新書 – 2023/6/16

2023年08月24日 | 本と雑誌

日本、中国、朝鮮 古代史の謎を解く (PHP新書) 新書 – 2023/6/16
関 裕二 (著)

序章 アジアは一つか?
第一章 中国文明の本質
第二章 日本の神話時代と古代外交
第三章 中国の影響力と朝鮮・日本の連動
第四章 日本は中国と対等に渡り合おうとしたのか
第五章 中国の正体と日本の宿命

序章は岡倉覚三(天心)の「アジアは一つ」に対して、「本当にアジアは一つか」で始まる。

日本と中国はやはり相いれないのか。
海洋国家と大陸国家の意識の差。国境線はそう簡単に動かせないものだという海洋国家に対し、
常に国境は動くものだという大陸国家。
油断してはならないのは海洋国家だ。


『逆説の日本史:』明治終焉編 韓国併合と大逆事件の謎 (27) 単行本 – 2022/10/14

2023年08月14日 | 本と雑誌

逆説の日本史: 明治終焉編 韓国併合と大逆事件の謎 (27) 単行本 – 2022/10/14
井沢 元彦 (著)
4.4 5つ星のうち4.4    46個の評価

久しぶりのジャンル「本と雑誌」。
書店で買った積読の本をやっつけるため、図書館にはご無沙汰が続いていた。

第一巻から通読しているこのシリーズ。最近は世界史も俯瞰する。見つけた以上もう読まないわけにはいかない。

”韓国併合”は分量も多く、井沢節炸裂。

”大逆事件”は、あまり内容が知られていないが、今に尾を引く事件の重大性に気づかされる。しかし分量は比較的少ない。1894年にフランスで起きたドレフュス事件(ユダヤ人のアルフレド・ドレフュスがスパイ容疑)における冤罪事件
に対する作家エミール・ゾラの公開告発状と、幸徳秋水らが天皇暗殺を謀ったとして、多数の被告が死刑や無期刑に処せられた大逆事件。それにたいする徳富蘆花の抵抗とが描かれている。
日本の知識人の沈黙。日本の裁判の推移。フランスとの対比が刺激的だった。

上記二つの項の間の、中華民国を建国した辛亥革命の孫文と袁世凱の意外な対比。こちらも朱子学の害毒、それに天皇に関する井沢節が光るがこの項は先の二つに比べると聞きなれない固有名詞もあって、やや面白みに欠ける。

 

amazon“井沢史観”で歴史を斬る日本史ノンフィクション第27弾。「大日本帝国」が確立した明治後半期について考察する。
比較的成功を収めた台湾統治に対し、大きな失敗に終わった韓国併合はなぜ強行されたのか? そこには「韓国併合の元凶」とされ、今なお韓国民に憎まれる伊藤博文はじつは当初併合に反対していたこと。韓国側から併合を推進し、現在も「売国奴」と罵倒される李完用や李容九こそ真の愛国者であったこと。そして“義士”と讃えられる暗殺者・安重根は、皮肉にも自分ともっとも近い考え方を持っていた伊藤を殺してしまったこと、といった埋もれた歴史の「真相」が見えてくる。


『薬に頼らず血圧を下げる方法』 <文庫版>

2023年07月11日 | 本と雑誌

名瀬の書店で見つけた。(高齢者向け?健康本はよく見かける)

本書は、同名のよく売れた 2017/2/18
加藤雅俊 (著)1530円

を文庫化したもの。

ネットでは、似たようなタイトルの他の著者の本も見つかる。
著者は薬剤師 体内環境師。 東洋医学などからのアプローチもわかりやすい。

 

「日本で一番消費されている薬「降圧剤」P90
「減塩や降圧剤で高血圧は治らない」

「ツボ押し」と「ストレッチ」、食習慣などの実践的な理論の他
血圧そのももについての基礎知識、そもそもなぜ血圧が上がるのか、下がるのか、
そのメカニズムについても論理的に解説。

なぜ減塩、降圧剤で改善しないのか。
もデータやエビデンスをあげわかりやすく解説していて、薬剤師の意見だから説得力がある。

ツボは一時的だが確かに効果があった。
習慣化すれば体質改善にもつながる。

ストレッチは、確かに薬より効きそうだ。
以前看護師さんに言われたことがある「仕事が一番のリハビリ」。
長嶋さんの「リハビリは裏切らない」も検索してみた。


『11人の考える日本人』 吉田松陰から丸山眞男まで (文春新書) 片山杜秀

2023年06月05日 | 本と雑誌

11人の考える日本人 吉田松陰から丸山眞男まで (文春新書 1397) 新書 – 2023/2/17
片山 杜秀 (著)
4.1 5つ星のうち4.1    10個の評価

名瀬の書店にありました。

吉田松陰
福沢諭吉
岡倉天心
北一輝
美濃部達吉
和辻哲郎
河上肇
小林秀雄
柳田國男
西田幾多郎
丸山眞男

 

文藝春秋の夜間授業 2017年9月から、翌年7月まで、一回あたり90分の講義 11人の思想家一人一回 講師片山杜秀
を文庫化したもの。

難解な話はほとんどない。日本思想史に関心のある人にとっては名前を知らない人はほとんどいないだろうと思われる11人。わかりやすくてもの足りないということもない。それは11人が重なりあいなが連続して「時代」とそして「今」が描かれているからだろう。

11人それぞれの生きた時代、生まれ育ち、人生の体験、などが簡単に述べられる。昔読んで、難解をありがたがっていて読んでいた話。すっかり忘れていた内容を改めて思い出し、そういうことだったのか、とこの歳になって落ちる目のうろこ。

読み方はそれぞれあろうが、原体験や、生い立ちはやはり、その人の思想にあらわれていると思うのは歳をとったせいだろうか。