奄美カンポンLIFE

being on the road. where is next? 奄美移住生活悲喜交々。

異質の光

2005-09-29 19:48:32 | 活字中毒的愛読書
活字中毒的愛読書その⑥は、つい最近読んだ福祉系の本で、「異質の光 糸賀一雄の魂と思想」<高谷清著:大月書店>です。ハードカバーで330ページは読み応えたっぷりです。

糸賀一雄、障がい児者の福祉はこの人がいなかったら、その出発はどれだけか遅れていたに違いないと思います。その生涯と業績を膨大な資料と関係者の証言により明らかにしています。戦後直ぐ滋賀に近江学園という、戦災孤児と知的障がい児を対象とした施設を作り、そこから多くの施設が必要に応じて作られていきました。歴史の古い障がい者施設は、戦災孤児の救済からスタートしている場合があります。

糸賀一雄の思想は、その事業を慈善・救済ではなく、社会の発展、平和な国作りにつながる事業として捉えています。この本を読んでいると今の福祉や教育では一般的となっているキーワード、ノーマライゼーション、インテグレーション、地域移行、自己実現、食育、といった考え方を既に実践に移していることが分かり、驚かされます。その先見性のするどさと、福祉の基礎は揺るがないものであることを実感します。

様々な壁や批判を乗り越え、実践を重ねる中で行き着いた思想は「発達の権利の保障」です。どれだけ重度の障がいがあり、あらゆる場面で介助が必要とされていても、その人はその人としての発達する権利を有しており、社会はそれを保障しなくていけないとするものです。
この思想は障がい者だけでなく、子ども、高齢者、その他を問わずあらゆる人に対して意味のあることだと思います。

僕は糸賀一雄の言葉の中に好きな言葉がたくさんあります。その一部を紹介します。

「この子らを本当に理解してくれる社会、差別的な考え方や見方のない社会、人間と人間が理解と愛情でむすばれるような社会を作りたい。」
「この子達の教育は、結局世界平和につながる。」
「施設は昔の屑かご的な終着駅的な観念から脱却して、ひとりひとりの持つかけがえのない生命の尊さを保障し、その人格を保障し、その発達を保障する役割をするものである。」
「どんな障がい者も含めて、万人がめいめい、この社会に生きて、その中で自己を実現していくのである。」

そして...

「私たちの願いは、重症な障がいを持ったこの子たちも立派な生産者であるということを認め合える社会を作ろうということである。『この子らに世の光を』あててやろうという哀れみの政策を求めているのではなく、この子らが自ら輝く素材そのものであるから、いよいよみがきをかけて輝かそうというものである。『この子らを世の光に』である。」

でも、僕が糸賀一雄を語るには、僕はあまりに未熟です。百年早いです。

WORLD JOURNEY

2005-09-29 13:25:42 | 活字中毒的愛読書

活字中毒的愛読書その⑤は、昨日ツタヤで買った本「WORLD JOURNEY」<高橋歩著:サンクチャアリ出版>です。

「世界一周しちゃえば?」
「そうですね、しちゃいますか。」

著者夫婦の世界一周のエッセイや写真、世界のオススメスポット、他の旅人の紹介、旅の情報などなど、盛り沢山の内容です。でもいわゆるマニュアル本ではなく、こういう本なんて言うですかね、とてもテンポのいい本です。(自分の語彙の少なさが情けない....。)

旅の写真から、旅の雰囲気が伝わってきます。旅をした人にしか分からない、あの感覚です。旅は人の五感を刺激します。その刺激が癖になり、癖が進行し病気になります。病気はなかなか治りませんが、旅ばかりしている訳にはいかず、旅の余韻に浸るという小技を編み出します。それが僕です。

奄美にもバックパックを背負った旅人をたまに見かけます。つい声をかけてしまいます。きのうも加計呂麻島に向かう一人旅の女性を見かけました。地元の人が好奇心一杯に話しかけていました。

僕達もアジア旅を計画していた時、世界一周も考えて航空券とか調べたんですが、とりあえず、タイに出てそこから西に向かいたくなったら行くことにするという、超アバウトな計画?に留まりました。結局西はネパール止まりでしたが、僕達は僕達の旅に満足しています。

今買う本といえば、こうした旅系の本と、仕事(福祉関係)の本のどちらかです。

著者のホームページがありました。→ アユムチャンネル

ビジネスマ~ン

2005-09-28 22:19:35 | その他もろもろ

東京から奄美に戻りました。この時期は内地と島では気温差が大きく、季節が違って感じます。奄美空港に着陸するときに見える海は、いつ見てもとても美しいものです。観光客の皆さんも小さく歓声を上げながら、しばし見とれていました。

東京は別世界というより、別次元ですね。名古屋、大阪、福岡といった都会とも明らかにスケールが違います。写真は品川駅から溢れ出すビジネスマンの皆さんです。昔時任三郎がリゲインのコマーシャルで歌っていた「ビジネスマ~ン」というフレーズが僕の頭から離れませんでした。こんなところで写真を撮っている僕はやっぱりかなり浮いてました。

当たり前ですけど、東京には東京の人の営みがあり、奄美には奄美の人の営みがあります。その暮らしには色々違いはありますけど、どっちがどうと比べるものでもないものだと、なんとなく思いました。



<ホテルの窓から正面に東京タワーが見えました。>



<加計呂麻の生間港から古仁屋を眺めるとこんな感じです。>

お上りさん二日目

2005-09-27 22:33:28 | Weblog
東京は今日22度と奄美より10度程も低く、暑くもなく寒くもなく普通に秋です。電車の中でホワイトバンドをつけている人を数人見かけました。相手の人も気付いていたと思いますが、妙に嬉しく感じます。明日奄美に帰ります。また台風が発生したようですね。丁度台風の合間で良かったです。

ただ今上京中です

2005-09-26 22:16:32 | Weblog
完全にお上りさん状態です...。ホテルの窓から東京タワーが見えます。外国人がイッパイです。サリーのインド人の女性を見かけました。さすが経済大国日本の首都やん、と意味不明なことを思ったりしました。田舎者丸出しで我ながら場違いな感じです。

「心をこめる」ということ

2005-09-25 22:33:14 | 奄美な仕事

一つ前の記事で紹介した、担当の利用者の方からお土産でもらった携帯のストラップです。ミンサー織りにかわいいシーサーが付いています。

このストラップには彼の心がこもっている気がします。「心をこめる」といことは、「さあ、今から心をこめるぞ!」と意図的に、または打算的にするものではないと思います。自然に意図せず無意識に相手を想いやる時、「心をこめる」ことができる気がします。

そんなことを彼から教えてもらった気がします。

26日から2泊3日で所用で東京です。奄美から東京へ。もはや、それは別の国に行くかのようです。だからといって、奄美が良くて東京が良くないとは思いません。それぞれの土地で、それぞれの人の営みがあります。

なんか、久しぶりに旅がしたい気分です。そんな時、友達から来月バンコクに行くとメールがありました。許せません。屋台の喧騒と熱気と湿気とタイ語の中で、カオマンガイとパッタイを汗をかきながら食べたいと、僕の願望は妙にリアルで困ります。



もうぼちぼち夏も終わりかな

2005-09-25 00:53:43 | 奄美な生活
日中の暑さと日差しの強さは相変わらずですが、奄美もさすがに朝夕は過ごしやすくなってきました。特に早朝の日の出までの時間はとても気持ちのいい時間帯です。

加計呂麻島と大島海峡とデイゴの木、それは昔から変わらない景色。変わらないことの大切さと、変わらなくてはいけないこともあるんじゃないかと相反することを思います。

抽象的過ぎてよく分からないですね。僕もよく分かりません。

物事には二つ以上の面があって、一方から見たり考えたりするだけでは、その物事を一面でしか捉えることはできないと思います。別の角度から見たり考えたりした時、別の姿が見えるはずです。仕事をしながらよくそんなことを思います。

何が書きたいのでしょう?僕もよく分かりません。

家族旅行に行っていた僕の担当の利用者の方が、僕に携帯のストラップをお土産に買ってきてくれました。あまり感情表現をされない方なんですが、その気持ちがとても嬉しかったです。(少し泣けました。)家族の方に話を聞くと、家族の方が買うように勧めた訳ではなく、本人さんが自ら買っていたとのことでした。早速携帯にそのストラップをつけると、その方は「ニヤッ」と笑っていました。大事にしたいと思います。

僕は利用者との何気ない、こうしたやりとりがとても好きです。彼ら彼女らはストレートです。嘘も見え見えな場合が多いです。その分、こちらの姿勢を本能的に見抜く力を持っています。それだけに自分自身の態度を反省することもしばしばあります。後から、もっとこうすれば良かった、ああすれば良かったと思うことも少なくありません。日々勉強です。

全く一貫性のない記事となりました。あしからず。



大人の家出、5年連続7万人超

2005-09-24 12:23:20 | 奄美な仕事

少し古い新聞記事になりますが、気になる記事がありました。

「大人の家出、5年連続7万人超…10年前の3割増」(読売新聞)

未成年の家出が微減傾向にあるのとは対照的に、大人の家出が増えているそうです。仕事や家庭の悩みに耐え切れず、今の暮らしから逃れようとする人々、その風潮に、自殺の増加と同じ要因を指摘する専門家もいるとのことです。

更に特徴的なのが、大人の家出人が74,487人の内、男性の家出が61,276人と約8割を占めています。

それだけ社会の中のストレスが多大で、生き難い世の中であることは間違いないのかもしれません。現代の世の中を象徴している大変な数字だと思います。それにしても、あまりの数字の大きさに驚きました。


名瀬は...遠い。

2005-09-23 22:49:35 | 奄美な生活

今日はtakaと名瀬まで買い物に行ってきました。名瀬は...遠い。片道50キロ、往復100キロ。ガソリン代もそれなりにかかります。以前はちょこちょこ出かけていたんですが、最近は出不精になったのか、仕事のついでにちょこちょこと買い物を済まして、改めて休みの日に行くことは滅法少なくなりました。

で、僕達的に結構意外に困るのが食事の場所です。ジョイフルは古仁屋に出来たし、笠利は更に遠いし、昼から焼肉っていうのもくどいし、ラーメンて気分じゃないしで、結局本日はアーケード近くのカレー屋さんにしました。感想は....普通です。なんとなく時々食べるのが、ホテルニュー奄美一階の「FINE DISH」です。日替わりランチがコーヒー付きで630円なり。一度食事をすると100円引き券をくれるので、次回からは530円なり。 

ホテルニュー奄美は、僕達が奄美へ移住する前に旅行や下見に来たときに、いつも利用したホテルなんです。本当はニュー奄美横のたつや旅館に泊まるつもりだったんですが、アジア旅の癖が抜けず予約せずに来たので満室でした。

昼飯を食べてからちょこちょこと買物をしたんですが、結局いつものように「買物」ではなく「買出し」になってしまいました。



とある日のランチメニュー。これは790円のメニュー。でも100円引きで690円なり。



「今日も暑かったニャー。」でも、もう秋だ。




実は釣れない日もそれなりにあるんです。

2005-09-22 21:40:12 | 嘉徳にて
いつも釣れている記事ばかり書いていますが、釣れない日は記事にしていないだけで、それなりに釣れない日もあります。釣り用語で言うところの「ぼうず」です。釣れないことをなんで「ぼうず」って言うでしょうかね。誰か知っていましたら教えて下さい。

釣れない日に「今日は釣れなかったけど、大自然の中で竿を振れただけで満足。」....などとは残念ながら僕は思えません。「何で釣れへんのや~、しんどいだけやん、来んかったら良かった。」と思います。でも、また釣りに行ってしまいます。下手な鉄砲数打ちゃ当たるって感じで、その内気まぐれな魚が僕のエサかルアーに食いつくのです。

写真は先日嘉徳に釣りに行った時の写真ですが、全く釣れず写真にする魚が無かったので、止むを得ず竿とリールとルアーを撮りました。あしからず。

台風14号が通過して以来初めて嘉徳に行ったのですが、大きく地形が変わっていて驚きました。アダンの林が更にえぐられ海岸の崖が後退し、嘉徳川の流れも大きく左に蛇行していました。自然の猛威を改めて感じずにはいられませんでした。



以前は奥の山に沿って流れていた川が、山側の河口は砂で埋まり、大きく左側に100メートル以上蛇行していました。(リバーリバイバル研究所奄美支部提供)



現在の河口は砂浜に出来ています。水量はかなりありました。左側の砂を少しずつ削っている感じがしました。(リバーリバイバル研究所奄美支部提供)



当日もサーファーが結構いました。県外ナンバーの車も数台見かけました。僕のデジカメではサーファーの写真は点にしかなりませんので、ボードのみ。



与路でヨロヨロ

2005-09-21 23:26:59 | 奄美な釣り

僕の休日は、晴れていれば釣り、雨が降っていればパソコンと図書館ってほぼ決まっています。まあ、晴釣雨読って感じです。

本日は職場の人と与路島まで釣りに行って来ました。与路は遠かったなぁ。海の向こうにうっすらと徳之島が見えました。当たり前ですけど、炎天下の磯は超暑かったです。めっちゃ疲れました。ので、今日はあっさりと、これにて。



本日三人での釣果です。ちなみに、一番でかいの(ツムブリ)は僕が釣りました。もう僕とtakaとクニオの胃の中です。


旧陸軍:知的障がい者も徴兵

2005-09-20 11:28:40 | 奄美な仕事
リンクさせてもらっている「Groovy & 遊び感覚」さんの記事より、

「旧陸軍:知的障がい者も徴兵、大戦中、480人以上」(毎日新聞)

こうしたことがあったことは初めて知りました。人が人としての存在を認められない、それが戦争だと思います。しかも、障がい者ということで、戦後恩給も支給されていないと記事にあります。

驚きなど通り越して、とても、怖ろしいものを感じます。同じ日本人がこのような行為をしてきたことを信じたくありません。しかも、今になってようやく表に出てくるなんて。まだまだ隠されていることが、きっとたくさんあるんだと思います。

戦争は何も生みません。戦争をするいかなる理由も存在しません。僕はそう思います。知的障がい者のみなさんは心優しい人達なんです。戦争中だったら僕が関わってきた、関わっている知的障がいのみなさんも戦地に送られるんですね。なんて非情な。

心が痛みます。平和な世の中であって欲しい、ただそれだけなんです。

戦後60年、今は確かに戦時中ではありません。でも、今の世の中平和だと言い切れない気がしてなりません。虐げられている、権利を侵害されている、自分らしく生きることができないでいる、そんな人達がこの繁栄しきった世の中で一生懸命生きていると思います。

誰もが...人として...当たり前に...普通に生きていくことができる、そんな世の中であって欲しいと思います。


まもなく桟橋修復かもね

2005-09-19 21:03:31 | 奄美な生活

今日の仕事は午前中昨日の豊年祭の片づけを、集落の方と利用者も参加して行いました。終わってしまうとあっけない感じもしますが、来年も同じように開催されると思うと、その繰り返し繰り返しの歴史の重みを感じます。昔と比べると、どうしても縮小してきているようですが...。

写真は職場の前にある立派な「浮き桟橋」です。去年の秋の台風で壊れて、ようやく1年ぶりに直りそうです。でも、この浮き桟橋が曲者です。潮の干満の影響を受けないという設計らしいのですが、台風に弱く、先日の台風で直ったばかりの渡連という場所の浮き桟橋がまた壊れました。台風が強い勢力で通過するこの地域には構造的に合わないようです。

地元での説明会の際、地元の方はまた壊れる恐れがあるので、コンクリートの桟橋にして欲しいと伝えたそうなんですが、押し通されたようです。直る前からまた壊れると噂されています。

なんか、むなしい話です。魚釣りには便利なんですけどね。

土俵のある風景

2005-09-18 20:50:49 | 奄美な生活
奄美の集落にはどこでも土俵があります。この土俵を中心にそれぞれの集落で今日は豊年祭・敬老会が行われました。

職場の集落でも豊年祭が行われ、施設の利用者のみなさんんも集落の一員として参加、見学しました。区長や来賓の挨拶の後、島に伝わる芸能や島唄等の余興が続きますが、施設からも踊りの余興と相撲に参加しました。

施設の利用者のみなさんも生粋の島人なので、踊りや島唄になると自然にリズムをとっています。手や腰の振りや、足運びは僕には真似できません。






ガラの入れ食い

2005-09-17 20:13:22 | 奄美な釣り
奄美ではシマアジ系の幼魚を(たぶん)ガラと言います。この時期になると大群となって岸際にやってくるそうです。

ルアーを投げていると偶然その大群に当たり、ガラ君が入れ食いとなりました。適当にペンシルとかポッパーを投げると10匹ぐらいで追いかけてきて、その内にその中の一匹が針にかかります。サイズは10センチ前後と小ぶりですが、これはこれでおもしろい釣りでした。

内地ではメッキと呼んでいたと思います。少し成長すると、すごく引きが強くなり、釣っていてとてもおもしろい魚です。

釣りはおもしろいなぁ~。