活字中毒的愛読書その⑥は、つい最近読んだ福祉系の本で、「異質の光 糸賀一雄の魂と思想」<高谷清著:大月書店>です。ハードカバーで330ページは読み応えたっぷりです。
糸賀一雄、障がい児者の福祉はこの人がいなかったら、その出発はどれだけか遅れていたに違いないと思います。その生涯と業績を膨大な資料と関係者の証言により明らかにしています。戦後直ぐ滋賀に近江学園という、戦災孤児と知的障がい児を対象とした施設を作り、そこから多くの施設が必要に応じて作られていきました。歴史の古い障がい者施設は、戦災孤児の救済からスタートしている場合があります。
糸賀一雄の思想は、その事業を慈善・救済ではなく、社会の発展、平和な国作りにつながる事業として捉えています。この本を読んでいると今の福祉や教育では一般的となっているキーワード、ノーマライゼーション、インテグレーション、地域移行、自己実現、食育、といった考え方を既に実践に移していることが分かり、驚かされます。その先見性のするどさと、福祉の基礎は揺るがないものであることを実感します。
様々な壁や批判を乗り越え、実践を重ねる中で行き着いた思想は「発達の権利の保障」です。どれだけ重度の障がいがあり、あらゆる場面で介助が必要とされていても、その人はその人としての発達する権利を有しており、社会はそれを保障しなくていけないとするものです。
この思想は障がい者だけでなく、子ども、高齢者、その他を問わずあらゆる人に対して意味のあることだと思います。
僕は糸賀一雄の言葉の中に好きな言葉がたくさんあります。その一部を紹介します。
「この子らを本当に理解してくれる社会、差別的な考え方や見方のない社会、人間と人間が理解と愛情でむすばれるような社会を作りたい。」
「この子達の教育は、結局世界平和につながる。」
「施設は昔の屑かご的な終着駅的な観念から脱却して、ひとりひとりの持つかけがえのない生命の尊さを保障し、その人格を保障し、その発達を保障する役割をするものである。」
「どんな障がい者も含めて、万人がめいめい、この社会に生きて、その中で自己を実現していくのである。」
そして...
「私たちの願いは、重症な障がいを持ったこの子たちも立派な生産者であるということを認め合える社会を作ろうということである。『この子らに世の光を』あててやろうという哀れみの政策を求めているのではなく、この子らが自ら輝く素材そのものであるから、いよいよみがきをかけて輝かそうというものである。『この子らを世の光に』である。」
でも、僕が糸賀一雄を語るには、僕はあまりに未熟です。百年早いです。
糸賀一雄、障がい児者の福祉はこの人がいなかったら、その出発はどれだけか遅れていたに違いないと思います。その生涯と業績を膨大な資料と関係者の証言により明らかにしています。戦後直ぐ滋賀に近江学園という、戦災孤児と知的障がい児を対象とした施設を作り、そこから多くの施設が必要に応じて作られていきました。歴史の古い障がい者施設は、戦災孤児の救済からスタートしている場合があります。
糸賀一雄の思想は、その事業を慈善・救済ではなく、社会の発展、平和な国作りにつながる事業として捉えています。この本を読んでいると今の福祉や教育では一般的となっているキーワード、ノーマライゼーション、インテグレーション、地域移行、自己実現、食育、といった考え方を既に実践に移していることが分かり、驚かされます。その先見性のするどさと、福祉の基礎は揺るがないものであることを実感します。
様々な壁や批判を乗り越え、実践を重ねる中で行き着いた思想は「発達の権利の保障」です。どれだけ重度の障がいがあり、あらゆる場面で介助が必要とされていても、その人はその人としての発達する権利を有しており、社会はそれを保障しなくていけないとするものです。
この思想は障がい者だけでなく、子ども、高齢者、その他を問わずあらゆる人に対して意味のあることだと思います。
僕は糸賀一雄の言葉の中に好きな言葉がたくさんあります。その一部を紹介します。
「この子らを本当に理解してくれる社会、差別的な考え方や見方のない社会、人間と人間が理解と愛情でむすばれるような社会を作りたい。」
「この子達の教育は、結局世界平和につながる。」
「施設は昔の屑かご的な終着駅的な観念から脱却して、ひとりひとりの持つかけがえのない生命の尊さを保障し、その人格を保障し、その発達を保障する役割をするものである。」
「どんな障がい者も含めて、万人がめいめい、この社会に生きて、その中で自己を実現していくのである。」
そして...
「私たちの願いは、重症な障がいを持ったこの子たちも立派な生産者であるということを認め合える社会を作ろうということである。『この子らに世の光を』あててやろうという哀れみの政策を求めているのではなく、この子らが自ら輝く素材そのものであるから、いよいよみがきをかけて輝かそうというものである。『この子らを世の光に』である。」
でも、僕が糸賀一雄を語るには、僕はあまりに未熟です。百年早いです。