サーベラージュ、引退

2020/4/13 栗東TC
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レース後は右前脚に軽度の打撲の痕や左前脚の皮膚炎による張りはあるものの、大きなダメージは見られません。昨年秋に転厩後も気性面での課題を克服できるように、いろいろと試行錯誤しながら出走を重ねてきました。しかし、最後で自分から止めたり、外から交わされると嫌気がさして一気に脚色が鈍るという面は残ったままで、芳しい結果を出すことができませんでした。長距離戦で気分良く走れればと臨んだ前走では、タイムオーバーの出走制限を課せられてしまうに至ったため、今後について関係者間で協議を行いました。その結果、これ以上の上積みや変わり身を望むことは難しいと考えられ、制限明けを待ってさらにレースを使ったとしても引き続き苦戦を強いられる可能性が高く、このままでは維持費出資金等の会員様のご負担ばかりが大きくなってしまうことから、残念ではございますが、ここで現役を引退するとの結論に達しました。活躍を期待されていた会員の皆さまにおかれましても、まことに残念なことと存じますが、何卒ご了承賜りますようお願い申しあげます。
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【G1サラブレッドクラブより、公式HPの近況レポート等の転載につき、許可を受けています。】


サーベラージュの引退が決まりました。もうずっと惨敗続きで、陣営があれこれと工夫してくれましたが全く変わり身もなく、引退は妥当な判断だと思います。

結局デビュー戦が唯一の勝ち星になってしまいました。ムーアを背に府中芝1,800戦を圧勝。直線で仕掛けてからグーンと伸びたレースっぷりは大物感たっぷりで、こりゃ将来が楽しみだと大いに喜んだ覚えがあります。「これからも勝ち星を重ねていける馬」とムーアもコメントしてくれたし、振り返れば、この時が一番楽しかった時期でした。2戦目に選んだのは年明けの京成杯（G3）。期待を胸に中山に出掛け、応援しましたが、結果は14着。最後の直線で何度も前が詰まるわ、他馬にぶつかわ、最悪なレースでした。このレースでサーベの気性がブチ切れてしまったと決めつけることはできないけど、少なくとも私の中では、このレースに騎乗したあのジョッキーは許せません。今まで出資馬で色んな騎手に残念な騎乗をされたことがあるし、大抵は人間のやること、そんなに怒ったりすることはありませんが、このレースばかりはいまだに思い出すと怒りフツフツと湧き上がってきます。クソ騎乗という言葉では表現できないくらいのクソ騎乗。二度と乗って欲しくない。

このレースがターニングポイントとなり、サーベの気性は悪化の一途を辿ります。ノドの不調もありましたが、段々とメンタルが壊れていく感じ。4歳秋に去勢手術を行いましたが、もうどうにもならなかったですね。外厩で増えた馬体も、帰厩すると10kgや20kgはすぐに減るし、競馬場までの輸送でも減る、装鞍所でイレ込む、パドックでもイレ込む。レース前にほぼ終わっています。レースでも気性をコントロールできずに暴走。自分が満足すると止まる。もう手の施しようがありませんでした。

新馬戦で見せたポテンシャルから、能力は非常に高かったと思います。ただ、メンタルが大成を阻みました。この繁殖の産駒は全部セン馬になっているように、トワイニングの影響なのか気性が難しいですね。故に、まだ競馬場を知らないで連れて来られた新馬戦に抜群の相性を見せます。が、そこから徐々に崩れてくる。堀厩舎でもダメでは仕方ありません。転厩した上村厩舎では、本当に良くやってくれました。あれこれ調教からレース選択まで工夫してくれて、陣営には本当に感謝です。残念ながら、サーベのメンタルが改善されることはありませんでしたが、やれることはやったし、ここが限界でしょう。引退は仕方ありません。これからオークションに出されるようですが、誰がこの暴れん坊を落札してくれるのか心配です。ともあれ、サーベラージュ、お疲れさま。未完の大器、未完のまま終わる。新馬戦の時のワクワク感は忘れません。

サーベラージュ
　父ヴィクトワールピサ
　母アスペンアベニュー（トワイニング）

2014年2月26日生まれ
追分ファーム生産
美浦 堀宣行厩舎→栗東 上村洋行厩舎

12戦1勝 1-0-1-0-2-8

2016/11/19：3歳未勝利