今回のバルトロ氷河&フンザの旅は終了し35日間ぶりの8月14日仙台に帰着したが、我々にとっては予想以上のハードなコースだった為予定通りとは行かず、ゴンドゴロラ峠越えとG1、G2ベースキャンプ入りは叶わず、威勢が良い割には結局トーンダウンしてしまった。
しかし、コンコルディア~K2ベースキャンプまでは辿り着き、その間は殆ど晴天の連続で8000mの巨峰群の姿を嫌と謂う程堪能出来た素晴らしい旅でも有った。
元々無理な計画とは内心思っていたが、16日間の砂漠地帯歩きと氷河モレーン上のテント生活は結構疲れるもので、特に真夏の時期を選択した場合は熱射病、下痢、食欲不振、高所順応の失敗など、65歳代後半の我々にとっては途中で脱落する要素は結構あった。
特に、トレッキングがスタートするアスコーレからコボルツェへの往復計6日間は日中35~42℃の灼熱乾燥砂漠地帯で、10~12時間の歩きは予想外のダメージでメンバーの足並みは乱れた。9月頃なら涼しいだろうがコンコルディア方面は雪になりやすく、ゴンドゴロラ峠越えはクローズになっているだろう。
また、慣れない氷河上のモレーン歩きは20~50m程のアップ&ダウンが無限に続き、距離と時間の感覚が麻痺してしまって疲れが溜まる。
しかし、コンコルディアに着く頃には体も慣れ、周りの巨峰群を連日見ているとエネルギーが湧いてきて、食欲も出て最適なタイミングで楽しめたのは収穫だった。
特に、写真撮りには最高の環境と天候のタイミングで、同じ画像なのに何枚も撮り続けても飽きない毎日で、写真好きの人の気持ちが初めて良く解った。
下手な写真でも数の中には当たりも有るだろうという下心で、山では初めて有り余る時間を使ってカメラをいじった。
結局、3週間のトレッキング中の雨は1日半位で、3日間位の曇りは有ったが殆どが晴天という毎日で、現地ガイドも余りないという最高の天候となりました。
ただ残念なのは、最後にパーティーを分けてゴンドゴロラ峠を一人で越えるつもりで準備していた所、2時間後にナジールEXPから衛星電話が入り、2日目からの天候悪化の予報が出て急遽中止に追い込まれてしまった事。(実際その通り)
峠越えは積雪・気温(下りの落石)の状況と天候のタイミング、そしてメンバーの足並みが揃わないと難しい様で、他のヨーロッパや中国のグループの大半もコンコルディアから引き返して行った。
結論から言うと、今でも山は現役で足腰の鍛えられた人は別だが、普通の65歳後半位の人にはある程度覚悟が必要です。実際、やたらと多い中国人やヨーロッパの連中は20~50歳台が多く、人の事は言えないが60歳を超えるトレッキング客は日本人が殆どという感じでした。
なお、我々の行動時間は全体的に長かったので、標準タイムは表示時間より10~20%程度短いと思います。
羽田空港〜イスラマバード
7月10日 13時55分 羽田空港発 中国国際航空
天候 晴れ
羽田空港で機内に預ける荷物のダッフルバッグのダイヤルキーが開かなくなったが、どうやら解錠時にダイアルセットの状況で回ってしまい、解除番号が解らなくなって困ったがそのまま羽田空港を定刻通りに出発。
17時15分 北京空港着
18時45分 入国手続完了
空港に着いてフリーwifiを使ってみるが繋がらず、フェイスブックの投稿ができず困ってしまう。
空港は広すぎて解りにくく、入国手続のカウンターは狭いゲートで結構時間がかかる。特に、イスラマバードへの乗り継ぎカウンターは分かり難く、一番奥の狭い入り口から入ってパスポートのスキャンを行いゲートを潜り、窮屈な階段を下がって回り込むと手荷物検査カウンターが有った。
特にうるさいチェックが入りそうなリチウム電池は予め手荷物から分けておき、トレーに分けて載せて検査機のコンベアに送るとそのままパスして通過した。
ただ、手荷物検査の際誤ってタブレットをカウンターに置き忘れてしまったが、あわてて30分後取りに行ったら意外にもそこに置いてあって助かった。
乗り継ぎの為空港に22時間もソファーに寝転んで暇をつぶしたが、立派で余裕のある椅子に横になれば寝るのには意外に快適で、wifi設備と給水スタンド、トイレがすぐそばに揃ったポイントを占めればこちらのもので、下手にホテルなどに泊まるのと比べれば山屋には楽で快適で無料。
空港の施設の建物だけで長さ3キロはあると言う巨大な設備だが、人はスカスカで無駄に大きいと言う印象が残る施設で、如何にも中国様らしいと言えばその通り。
7月11日 15時37分 北京空港発
天候 晴れ
北京空港ではwifiの接続が悪くてメールが打てず、結局何もする事もなく食って寝るだけの暮らしだが、日頃の睡眠不足解消には役に立った。
飛行機に搭乗するとイスラマバードへの空路は西に向かってカシュガル方面に進み、その後進路を南の方にとってカラコロ厶山脈を越えて行く。
今回は好天に恵まれてカシュガル上空をしばらく過ぎると、機内左側からは最近日本人2人で新ルートが開かればかりのラカポシ南面(7780m)や、6〜7000mの無数の山並みが広がって目を楽しませてくれる。残念ながらK2の勇姿を俯瞰する事は出なかったが、これでも元は充分取れたので今回は満足としよう。
7月11日 17時10分 イスラマバード空港着
ホテル着。
天候 晴れ
空港に到着してみるとナジールEXのベイグさんが待っていて、荷物を積んでホテルへ直行してチェックイン。
バッグにつけていたダイヤルキーのNoが分からくなって困っていたが、鍵を壊してもらって一件落着。
翌日のスカルド便の為の各自荷物の重量調整を終え、免税店で購入したカナディアンドライを引っ掛けて寝たのは翌日の2時だった。
羽田空港から北京空港へ
中国国際航空の機内。
機内の食事は羽田発のため比較的まとも
北京空港に到着。
やたらとでかい北京空港のシンボルとなる噴水広場。
国内便と国際便を合わせると建物の長さは3.0kmという巨大な施設。
その割には閑散としてお客の姿は少ない。
モバイル用の電源が完備している位置に陣取る。
平らな椅子は横になるには好都合で意外と居心地は良い。
イスラマバードへの乗り継ぎ時間は22時間。山屋にとっては快適な環境でホテルなど無用。
北京からカシュガル方面に西に飛んでから南下するとカラコロム山脈が眼下に。
6000mクラスの山だろうが山の名は不明。
7000mクラスの秀峰が印象的。
息を飲むような素晴らしい光景。
イスラマバードのホテル。
No11 バルトロ氷河TR 備忘録 ⇔ No1 イスラマバード~アスコーレ
バルトロ氷河トレッキング 2019年 7月~8月 No1 イスラマバード~アスコーレ
バルトロ氷河トレッキング No.3 7月18日 パイユ〜コボルツェ
バルトロ氷河トレッキング No 4 7月20~21日 ウルドカス~コンコルディア
バルトロ氷河トレッキング No5 コンコルディア〜ブロードピークBC~k2BC〜コンコルディア
バルトロ氷河トレッキング No6 コンコルディア〜アスコーレ
バルトロ氷河トレッキング No7 アスコーレ〜スカルド~カリマバード
フンザの旅 No8 カリマバード滞在の3日間
フンザの旅 No.9 カリマバード〜ナガール村~アッタバード湖~ボリレイク~パスー
フンザの旅 No 10 パスー〜クンジュラブ峠~ボリレイク~ギルギット~イスラマバード~羽田
No11 バルトロ氷河TR 備忘録
【関連サイト】 東北アルパインスキー日誌