不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Olimpiadi 2004 ATENE

2004-08-15 16:13:50 | スポーツ
たまにしかつけないテレビ、
映りの悪いうちのテレビ、
御機嫌伺いながらチラッとつけてみた。
だって、やっぱり世界の祭典だものね。

そしたらちょうど女子柔道48キロ級。
ヤワラちゃんが投げた瞬間だった。
これって神のお導きかと思った…。(爆)

イタリアではもちろんイタリア選手を中心に
あとは世界的に有名な選手を
ダイジェストして放映している。
なので、ヤワラちゃんも登場はするんだけど、
その扱いは非常に軽い。
まぁ。当然といえば当然ですが。

で、映像としてはしっかり認識できているのに
実況中継のアナウンサーの
言っていることが理解できない…。
「Ryoko Ranitamura」と連呼。

リョコタニタムラ、リョコタニタムラ。

しばらく考えなくちゃわからなかった。
「Ryoko Tani-Tamura」なのですね。
2つの名前でメダル獲得。快挙ですね。

残念ながら表彰台までは実況してくれなかったので
先ほど日本のサイトで確認したら
彼女はとってもいい笑顔で
金メダルにくちづけてましたね。

あ、因みにイタリア人
Aldo Montanoも金メダルにくちづけてました。
というか、みんなくちづけたくなるんですかね。

イタリア、野球で日本にコールド負けですか。
同じ負けるのでもコールドとは…。
まぁ、日本の野球の力とは
比べものにならないってことが証明されました。
期待していたんですけどねぇ、
イタリアの野球もう少しいけるかと…。

イタリアは伝統的にフェンシング(Scherma)、
水球(Palla Nuota)は強いのです。
(Aldo Montanoもサーベルで金メダルでした。)

「イタリアごろごろ猫記」
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Citta' allarmate

2004-08-15 14:59:48 | 日記・エッセイ・コラム
8月15日はイタリアはFerragostoという祝日。
聖母被昇天祭です。

しかし今年は、別の意味でも特別な日。
なぜならアルカイダ絡みのイスラム・テロ組織から
イタリアを標的にするという宣戦布告があり、
その標的の日とされたのが本日だったからです。
今のところ何事もなく平和なフィレンツェ。

ヴァチカンを抱えるローマはもちろん、
ミラノも地下鉄のコントロールなど
いつもよりも厳しい警戒態勢。

フィレンツェはといえば。
地下鉄もないし、ヴァチカンもないけれど、
それなりに警戒態勢が敷かれているようで、
数日来、街歩きの(パトロールという名のもとに)
警察官の姿が増えていました。

しかし、5日前の夜、
サンロレンツォの夜での出来事を思うと…。

その夜は無料配布のパスタとスイカに群がる人で
ごった返していたサンロレンツォ教会周辺。
長蛇の列の一番後ろでまんじりとしていた私の耳にも
強烈な叫び声とそれに続く平手打ちの音が届きました。
人だかりのその先で起きている一部始終は
チビっこの私には全然知る由もなく…。

やがてその女性が人込みを掻き分けてやってきて
なんとなく状況が判ってきました。
最前列で今まさにスイカか
パスタを受け取ろうとしたその女性は
無料配布のボランティアをしている男性が
モロッコ人だったことに
腹を経ててとつぜん暴れだしたらしい。
平手打ちをかましたのは彼女だったのか、
はたまた連れの男性だったのか…。
単なる言いがかりなんでしょうけどね。

しかし、彼女と連れの男性、どうみても異常。
男性は薬の作用で幻覚をみているかのような眼差し。
彼女は薬がどうこうというより
精神的に不安定な人という感じ。
そういう人の人権ももちろん認めている国ですし
よくそういう人が日常的に
街中で叫びまくっていたりするのですが、
他人に迷惑をかけるようではいけません。

人込みから少し外れた場所でも、
二人は寄り添って
男性はフラフラと虚空を見つめ
彼女はまだ人種差別的な言葉を発しつづけ
終いにはフィレンツェにいる外国人全てに
悪態つくかという勢いで
若い東欧のお姉ちゃんに「売女!プッ」と吐き捨て。
まったく手に負えない。

そんな様子をみんな遠巻きに見ている時間が随分流れて
ようやく二人組の警察官が到着。
ピストルをちゃんとぶら下げて
早い時間から教会周辺をパトロールしていたのに、
その現場に辿りつくのに、随分時間がかかること…。

たいした事件でもなく、ただのいがみ合いと
警察側では思っているかもしれないし
怪我人が出たわけでもないのだけど。
(殴られたモロッコ人も痛かっただろうけど怪我なし)
それに確かにこのときは
はしゃぐ人込みを掻き分けて
現場に駆けつけなくてはいけなかったけれど
それにしても時間かかりすぎ…。
そんな悠長な警察官に
フィレンツェの街の警備を任せていいものなのかどうか…。
頑張れ、イタリア警察。

まぁ、とにかく厳戒態勢のイタリアの街々。
しかし、イタリア人たちがどう感じているかというと。
あまり脅威に感じていない。
特に脅迫声明にビビッテいない。
そうです、イタリア人はこの宣戦布告をモノともしていない。
むしろ興味薄な感じがします。
それよりも、
この休暇をどうやって過ごすかが目先の問題であり
休暇中の自分のお財布を脅かす恐怖のほうが
はるかに重大なわけです。
それにこの厳戒警備にかかった費用が
いずれは増税、年金減額などといった形で
生活を圧迫してくるのではないかということに
恐怖を感じているらしいのです。

まぁ、それも確かに恐怖ではある…。