不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Il Carro Matto ad Atene

2004-08-16 22:50:00 | うんちく・小ネタ
フィレンツェ郊外の
Rufina(ルフィーナ)という小さな街は
キアンティワインの産地として有名。
(まぁこの辺りはたいてい
キアンティワインの産地なわけですが)

数あるキアンティワインの産地の中でも
このルフィーナが特別なのは
Carro Mattoがあるからといっても過言ではないでしょう。

そのルフィーナから2つのシンボルがアテネへ。
8月16日、オリンピックの機会に
アテネの在ギリシャイタリア大使館で
Chianti RufinaのワインとCarro Mattoのお披露目。
このイベントには世界各国から
約600人のジャーナリストが招かれているとか。
日本からも誰か招かれて出かけているのでしょうか。

Chianti Rufinaは
ポンタッシエーヴェとディコマーノの間で
作られるキアンティワイン。
Carro Mattoは
そこで作られたワインをフラスコ詰にして
長い台車の上にフラスコ100瓶以上を
上手にピラミッド型に積み上げて
それを2匹の白い牛に引かせて売り歩いた山車のこと。
もちろん今では実用されてはいませんが
ほんのちょっと昔までは
フィレンツェの街中でも見かけられた光景で
古い写真をモチーフにした絵葉書などで見ることができます。
carro_matto_rufina.jpg


今回アテネでお披露目になるのは1280フラスコを
積上げたCarro Mattoだそうで、そりゃぁ壮大。
数日前から何度も
積上げのシミュレーションが繰り返されていたようです。
もちろん現場で積み上げなくてはいけないので、
このためにルフィーナからは「専門家」が派遣されています。

歴史的なうんちく。
フィレンツェにイタリアの首都が置かれていた時代には
(そんな時代もありました。1865-1871)
毎年9月29日のサン・ミケーレの祝日の機会に
その年にできたワインを詰めて
フィレンツェまで、このCarro Mattoを引いてやってきて
そこで政治家はじめ主要人に
ルフィーナのワインを振る舞ったのだそうです。

ルフィーナのVilla di Poggio Realeは博物館になっており
現在もこの中でCarro Mattoを見ることができます。
2004年の開館時間
4月15日から10月31日まで
毎週水曜日から土曜日の10:00-13:00、14:00-19:00

因みに併設のエノテカは
毎週火曜日から土曜日の12:00-19:00

詳しいことは055-8397932まで電話で問い合わせ。