2010年9月4日(土)
1・ハイドン 交響曲第103番変ホ長調Hob.I-103「太鼓連打」
2・サン=サーンス チェロ協奏曲第1番イ短調op.23
3・加古隆 黄昏のワルツ
4・加古隆 ポエジー グリーンスリーブス
5・加古隆 フェニックス
6・加古隆 ヴァーミリオンスケープ:朱の風景
だいたい定期の時は、うちにあるCDきいていくのだが、今回はハイドンはなかった。
いいや。会場で感じるままっていうのもいいなとそのまま行った。
1楽章は軽やかなティンパニーだった。いい響きだった。
最近特に古典を聴くとき、ピアノだったらどうなるかっておもってきいたりする。
井上さんの演奏は、フレーズの処理も、強弱の付け方も
実にていねいだ。きちんと音を収める。
私はOEKの音が好きで、ほとんどOEKの音ばっかりきいているが、もちろん
指揮によって、これだけ変わるのかというくらい、音が変わる。
色がないときもたまにある。井上さんの時は、いつもものすごく多色だ。
2楽章もまたよかった。テンポがいい。音の方向が、ものすごくきちんとしていた。
良いハイドンだなあ。モーツアルトのときも、
こんな風にかいたような・・・? 3も4も構築的で、非常に音楽的。すばらしくまとまっている
といい気分になってたらカンタさん。
カンタさんは、よく音楽堂の事務所とか廊下でお話してますが、本当にあたたかい方。
娘さんと空手をなさっているので、うちの少林寺親子と同じだと、時々そのお話も
する。
カンタさんのサン=サーンスはやさしくて力強くて、テクニカルで、
いいコンチェルトだった。カンタさんの音はいつもきいているけど、
いつも人を幸せにしてくれる素晴らしい音。
演奏終わって、井上さんが、舞台のひまわりを1本わたしたら、
舞台そでからそのひまわり、チェロにスポンとさして登場したカンタさん。
キャー楽しい会話だ。いいサン=サーンスをありがとうございます!
加古さんの曲楽しみにしてた。おなじみの曲を加古さんがピアノで、
オケをバックに演奏。わー豪華バージョン!
私は、二胡の李さんと'大河の一滴’を演奏した時、DVDで映画も買って、
金沢の風景をみて、セルゲイのトランペットをきき、加古さんの世界を味わっていた。
朱はどんな感じなんだろう、加古さんの金沢ってどんななんだろうときいたら、
最初はドラの音、パーカッションのきらびやかな雅なスケールの大きい曲だった。
時代の彼方から、大きな古い門がドーンと前に現れたような感じだった。
豪華絢爛。2曲目のリトミコもおもしろいなあと思ってきってたら、
3曲目のヴァーミリオン・スケープは、メシアンの音使いだった。
ああ、これだ。この音が重なると、私の頭の中はアルファー波でいっぱいになる。
ドーパミンかエンドルフィンかよくわからないが、脳の中でどくどく音を出して出てくる感じ
これになると、今の言葉で「やばいなあ」になるのだ。
オスティナートも非常におもしろく、最後の瑞雲になったら、静寂のはりつめた空気の
中、すごい音がきこえてきた。
冬の日本海の音だ。
いつも私は、冬もよく車で砂浜で海をみている。
悲しいし、重いし、せつないし、なんともいえない感情になる。
ああ、最後にこの音がきてしまった。私はまずいとおもいながら、涙をこらえている
音がきこえないように止めるのが精いっぱい。
最後にぼろぼろいってしまった。
加古さんはあの冬のあの風景をみていたのだろうか。
壮大な、火のような、完璧な作品だった。どこも無駄がなかったし、絶妙のバランス
で圧倒的に存在してた。この曲どうなるのですか?
このあとの、21美、新作能は それぞれよすぎて刺激が強すぎて、
言葉で表現できません。書けるようになったら書きます。
真由子ちゃんの音から始まって、今年の夏の終わりは、何という日々だったんだろう。
夏バテなんて出来るはずがない!(笑)