ピアノと海と花との生活 Ⅱ

~創造する芸術~

オーケストラアンサンブル金沢第286回定期公演

2010-09-10 | 音楽

                  

                  2010年9月4日(土)

         石川県立音楽堂 

        1・ハイドン 交響曲第103番変ホ長調Hob.I-103「太鼓連打」
        2・サン=サーンス チェロ協奏曲第1番イ短調op.23
        3・加古隆 黄昏のワルツ
        4・加古隆 ポエジー グリーンスリーブス

        5・加古隆 フェニックス

        6・加古隆 ヴァーミリオンスケープ:朱の風景

          だいたい定期の時は、うちにあるCDきいていくのだが、今回はハイドンはなかった。

        いいや。会場で感じるままっていうのもいいなとそのまま行った。

        1楽章は軽やかなティンパニーだった。いい響きだった。

        最近特に古典を聴くとき、ピアノだったらどうなるかっておもってきいたりする。

        井上さんの演奏は、フレーズの処理も、強弱の付け方も

        実にていねいだ。きちんと音を収める。

        私はOEKの音が好きで、ほとんどOEKの音ばっかりきいているが、もちろん

        指揮によって、これだけ変わるのかというくらい、音が変わる。

        色がないときもたまにある。井上さんの時は、いつもものすごく多色だ。

        2楽章もまたよかった。テンポがいい。音の方向が、ものすごくきちんとしていた。

        良いハイドンだなあ。モーツアルトのときも、

        こんな風にかいたような・・・? 3も4も構築的で、非常に音楽的。すばらしくまとまっている

        といい気分になってたらカンタさん。

        カンタさんは、よく音楽堂の事務所とか廊下でお話してますが、本当にあたたかい方。

        娘さんと空手をなさっているので、うちの少林寺親子と同じだと、時々そのお話も

        する。

        カンタさんのサン=サーンスはやさしくて力強くて、テクニカルで、

        いいコンチェルトだった。カンタさんの音はいつもきいているけど、

        いつも人を幸せにしてくれる素晴らしい音。

        演奏終わって、井上さんが、舞台のひまわりを1本わたしたら、

        舞台そでからそのひまわり、チェロにスポンとさして登場したカンタさん。

        キャー楽しい会話だ。いいサン=サーンスをありがとうございます!

                      

         加古さんの曲楽しみにしてた。おなじみの曲を加古さんがピアノで、

         オケをバックに演奏。わー豪華バージョン!

         私は、二胡の李さんと'大河の一滴’を演奏した時、DVDで映画も買って、

         金沢の風景をみて、セルゲイのトランペットをきき、加古さんの世界を味わっていた。

         朱はどんな感じなんだろう、加古さんの金沢ってどんななんだろうときいたら、

         最初はドラの音、パーカッションのきらびやかな雅なスケールの大きい曲だった。

         時代の彼方から、大きな古い門がドーンと前に現れたような感じだった。

         豪華絢爛。2曲目のリトミコもおもしろいなあと思ってきってたら、

         3曲目のヴァーミリオン・スケープは、メシアンの音使いだった。

         ああ、これだ。この音が重なると、私の頭の中はアルファー波でいっぱいになる。

         ドーパミンかエンドルフィンかよくわからないが、脳の中でどくどく音を出して出てくる感じ

         これになると、今の言葉で「やばいなあ」になるのだ。

         オスティナートも非常におもしろく、最後の瑞雲になったら、静寂のはりつめた空気の

         中、すごい音がきこえてきた。

         冬の日本海の音だ。

         いつも私は、冬もよく車で砂浜で海をみている。

         悲しいし、重いし、せつないし、なんともいえない感情になる。

         ああ、最後にこの音がきてしまった。私はまずいとおもいながら、涙をこらえている

         音がきこえないように止めるのが精いっぱい。

         最後にぼろぼろいってしまった。

         加古さんはあの冬のあの風景をみていたのだろうか。

         壮大な、火のような、完璧な作品だった。どこも無駄がなかったし、絶妙のバランス

         で圧倒的に存在してた。この曲どうなるのですか?

 

         このあとの、21美、新作能は それぞれよすぎて刺激が強すぎて、

         言葉で表現できません。書けるようになったら書きます。

         真由子ちゃんの音から始まって、今年の夏の終わりは、何という日々だったんだろう。

         夏バテなんて出来るはずがない!(笑)

  

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