これがエミューの皮(上が頭)これで服を作ったり、おしゃれなズボンを作れたらいいなと思う。渋くてかっこいいのだ。本当は皮を鞣すのに、クロムなめしという薬品を使うやり方とタンニンを使うやり方がある。今はクロムなめしが主流だが、環境にやさしいやり方はタンニンを使う方法だ。鞣すのには、主にミモザの樹皮から採れるタンニン等を使うらしいが、このあたりにはミモザが生えていない。ただ乾燥地の植物にはタンニンが含まれている植物も多いので、ちょうどいい草や木を探している所だ。うまく行けば現地での農牧民の新しい皮工芸としてお小遣い稼ぎにできるかもしれない。今日も又1匹ヒナが産まれた。
エミューの卵です。エバーグリーンのとても美しい色の卵を産みます。人工ふ化は一般に48日から52日かかります。2時間に一度卵を揺らし、空気を入れ替えます。温度も30日までは平均37.4℃、湿度45~50%に合わせます。とても手間がかかりますが、今から誕生がとても楽しみです。うまくふ化してくれるでしょうか?
試験栽培しているショクヨウガヤツリ(キハマスゲ:タイガーナッツ)の生育に変化が見られた。3日連続の雨で旱魃で疲弊していた大地が再び緑に戻りつつある。やはり自然の力にはかなわない。この雨でキハマスゲの葉が再び青々となり、米のような花が咲いた。この草はアフリカ原産だけあって、思ったよりも旱魃に強い草だ。草は良質の飼料としてエミューもパクパクと食べてくれた。根にはバイオディーゼルの原料となる良質の油が採れる。うまく行けば将来、砂漠のような荒廃地の地域でもこのような燃料を採る事ができ、新しい産業になるかもしれない。これは大阪トヨタ自動車の支援プロジェクトで、昨年はひまわり栽培試験がひまわり油の高騰によりバイオディーゼルとしては採算が合わなくなってしまったので、この植物油の収穫が早くも楽しみだ。
昨日、CCTV2チャンネル(経済番組)でバイオディーゼルについて報道していた。アブラギリや廃油等の再利用について放送していたのだが、まだ政府からの支援が少なく採算割れの所がほとんどらしい。それでも将来性は高い分野だ。何せ、耕作できない所でも作る事が出来る。このまま原油価格が上がった際にはバイオ燃料への移行がますます進んで来るだろう。日本の場合は原料自給率が4%しかない。ほとんどの資源を海外に頼っている。切り札が原発しかない現在、資源対策や代替エネルギー開発を至急行う必要があると思う。センターで行っている食用カヤツリのバイオ作物も水が少ない中、マルチングで辛うじて生き延びている。生命力がある。これは行けるかもしれない。
センターでは漢方薬(ホンオニク)の人工栽培実験を行っている。もしうまくいけば、現地での3年掛かっている栽培が1年に短縮される(予定)そうなれば、植林+αでの現地農牧民の収入になり、植林意欲がさらに増して自発的に植林を行うだろう。ただ、現地の農牧民には初期投資するほどの裕福でない。そのため、収穫の時間短縮が待たれている。ただ、漢方薬の成分は人工のものと天然のものでは異なる為、成分等がどうなるか、まだ未知数だ。ただ、うまくいくと信じて取り組んでいる。どうかうまくいきますようにと祈りながら実験を繰り返している。
先日、漢方農薬を播いてみたのだが、アブラムシの勢いは増す一方だ。ニンニクのにおいでハエまで寄ってくる始末。完全に失敗だ。仕方なくマシン油に切り替えた。油でアブラムシを窒息死させる方法だ。てんとう虫の幼虫まで出てきた。天敵を増やした方がいいのだろうか?うまく行くかどうか、こうなるともう執念である。
農業科学院から分けてもらった油沙豆(カヤツリグサ科ショクヨウガヤツリ)Cyperus esculentusの栽培を1000m2程の苗畑を耕して開始した。日本では外来種の雑草の嫌われ者だが、ここでは新たな救世主になるかもしれない。何せ豆に含まれる油脂量は30%近くある。葉は栄養豊富で粗タンパク質3.9%、粗脂肪0.85%,粗繊維2.65%,ミネラル1.12%含み、窒素固定して地力を高める。この草で1ムー(666m2)で牛2頭、羊が10頭飼えるという。豆は食用でないバイオディーゼルとして将来脚光を浴びるだろう。ホントかな?と思うが、まずは試しである。うまくいくかどうか?収穫が今からはやくも楽しみだ。
21日からオイスカイスラエル会長のラナン氏に講師として、アメリカのHeifer international、中国の阿拉善SEEより現場を見たいとの打診があり、急遽3日間のワークショップを行いました。主に砂漠農業というテーマでした。オイスカでは漢方薬栽培等の話をしましたが、中国乾燥地での農業に関してはこれまでの環境破壊型の耕作農業ではなく、点滴灌漑や温室等の野菜栽培等にシフトしていくと思いました。実際に綿栽培の現場に行き、これから普及していくだろうと思われる点滴灌漑パイプの設置を見ました。これからの将来、節水型農業は新しい産業分野になるでしょう。
あちらこちらでトウモロコシやひまわりなどの収穫が始まっている。農牧民の機嫌が良くなる時期だ。しかし、中国の一大産地である河套地区の黄河沿いのひまわりは雨が多く、逆に収穫に影響が出ている。大阪トヨタ自動車の植林地へ間作として4haを5月に植え付けした。名付けて「ひまわりプロジェクト」しかし半分は50cmにもならず生育がよくなかった。市場でもひまわり油価格が上昇しており、市場価格では10元(160円/L)を超えてしまった。このひまわり油は不飽和脂肪酸が多く、リノール酸やビタミンEが多く含まれている。もったいなくてバイオディーゼルどころの話ではない。食用の方がむしろいいのかもしれない。何せ、このひまわりのタネはとてもおいしいので、中国ではひまつぶし(ひまわりを潰すこと?)になくてはならないものなのだ。いつでも「カリカリ!」どこでも「カリカリ!」現地では沢山のタネをポケットに入らないほど分けてくれる。このひまわりをつまむのは老人にとっては小さい種をつまんで口で割って食べるのに手と歯を動かし、ビタミンが脳の活性化にも繋がる。このいいことづくめのひまわりなのだが、日本では残念ながらリスのえさにされて、「あのリスが食べるエサ(食用ではないだろう…)」に格下げされてしまっている。あまり食べられていないのが残念だ。このひまわりも油用は大きさが1cmくらいで、食用のタネに比べて黒くて小さい。(左が油用、右が食用)ひまわりは花を鑑賞することで心を元気にさせてくれる効果だけでなく、じつは栄養的においてもすごい植物なのだ。
6月に土壌改良のためにマメ科のルーサン(苜蓿草)を播いてみた。水の少ない砂地でも育つかどうか?現時点では乾燥地でもしっかりと生え続けている。水の多く撒いた所では、それなりの高さ(30cm)まで伸びている。逆にほとんど水のないところではロゼット様になって地面に這いつくばって育っている。植物の生命力はすごいと改めて思う。今回、さらに生育が良くなるように粘土団子を作ってみた。羊のフンと粘土、保水剤等を混ぜて、ドラムで回転させて団子状になったものをばら撒いてみた。以前よりもうまく育つだろうか?