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アラシャン通信(オイスカ阿拉善砂漠生態研究研修センター便り)

阿拉善からウズベキスタンのシルクロードの砂漠化防止活動配信。肉体疲労、更年期、男女不妊には日本最濃の薬味酒、遼伝来福酒!

サクサウール

2016-02-05 00:47:26 | 現地情報
ウズベキスタンのブハラにて。この町の周囲には砂漠というより荒地が広がる。国有地になっているため、人気がない。この周囲も天然ガスが出るため、その関連施設や石膏の工場以外には何もない。中国であれば、このような荒地でも利用されるだろう。土壌pHは9.8前後と恐ろしく高く、土壌ECも塩類濃度が高すぎて算出不能。これでは綿花もできるわけがなく、荒れ地のまま放置される他はない。ただ、このような高pHの場所においても生えてくる植物がある。中国では梭梭、もしくは塩害に強いので塩木とも呼ばれるが、このあたりではサクサウールというと皆、良く知っている。ただ、残念ながらほとんど植林されていない。苗畑を探したが、ほとんどない状態だ。ただ、この国では植林の習慣がないと以前ブログにも書いたが、3月10日過ぎから20日頃まで、総出で植林をする習慣というのはあることが分かった。ただ、街路樹や町の中が主で、このサクサウールに関していえば、あまり植林もされず、道路脇に植林されるくらいであった。道を走っていると6mくらいのサクサウールがあった。ドライバーが話すには20mほどの大木もあるのだという。
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ユダヤの学校

2016-02-04 01:00:09 | 現地情報
ブハラの遺跡の中にあるユダヤ語とロシア語を主体とした小中学校にて。隠れ家のような学校に訪問するとちょうど音楽の時間だった。校長先生が歓迎してくれた。子供達はのびのびと勉強していた。ここの校長先生からもぜひ日本の文化を教わりたいと言われた。この学校は成績が市内でトップだという、どのような秘訣があるのだろうか、隣にはシナゴークもあった。
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ウズベキスタンの人々

2016-01-30 22:18:40 | 現地情報
ウズベキスタンに入るとどこでも歓迎を受ける。今日は寒いのでチャイハナでご飯に肉や野菜が入ったスープのガンファン(イスラム料理)とチャイを頼んで食べていると、「どこから来たのか?」周囲に人が集まってくる。「日本から来た」と言うと「日本語を教えて」とか「こんにちは」と言われ、その後は携帯での写真撮影会となった。こちらの人はとても人懐っこく、そして困っていると、どこからともなく「助け」がやってくるのが、この国のあたたかさだ。日本でもおもてなしという言葉が流行ったが、困っている外国人に対して、こちらから声を掛けることはあまりない。それは、恥ずかしさが出てしまうからであるが、こちらでは、恥ずかしさというものはあまり感じないのか、どこでも積極的に声を掛けてくる。寒い日であったが、素朴な人たちと会うたびにあたたかな気持ちになるのだ。
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オイスカ北京事務所

2016-01-20 20:44:10 | 現地情報
オイスカの北京事務所は王府井から歩いて20分くらいの胡同の中にある。一歩、外の道に出るととても賑やかだが、この胡同に入るとひっそりとしていて別世界だ。阿拉善のセンターの会計もここの管轄下になっており、ここの所長の陳さんが政府との難しい交渉や中国での資金調達などをしてくれている。事務所は毎年更新なのだが、そのたびに頭の痛い税務署との免税措置への話し合いなどの難題が降り掛かってくるが、何とか免税で活動ができ(中国ではNGOはWWFなど一部の機関しか認めていないため非常に難しいのだ)これまで切り抜けてきた。今年ももうじき更新になる。うまく行きますように。
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試練の一年

2016-01-08 13:10:08 | 現地情報
年明けから中国の株式市場が混乱し、聞き慣れない取引制限というサーキットブレーカーが発動された。この措置によってパニックになり、ますます下がるという悪循環が起こった。今回、驚いたのは瞬時に混乱が急速に拡大したことだった。そして皮肉にも、サーキットブレーカーを取りやめてから市場の混乱が落ち着いてきた。これは一時だが、今年はいよいよ人民元が国際通貨になり、構成通貨として円を抜いて約11%が人民元になる。こうした西側のルールに従い国際通貨に入れば、市場をコントロールすることができなくなるだろう。今の時期、入らない方が中国経済にとって良かったのかもしれない。いよいよ10月にはドルペッグ制度がなくなる。そうなれば人民元は一時的に急落、市場の混乱の可能性が出てくる。この試練を抜けられれば、将来は国際通貨としてドル・ユーロ・人民元の社会となっていくだろうが、この試練はあまりにも大きく中国経済、そして社会を変えて行く歴史的な2016年となることは間違いないだろう。
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火星救援

2015-12-14 14:09:48 | 現地情報
今、中国で流行っている映画に火星救援「日本名:オデッセイ」という映画がある。中国では週間トップの大流行りの映画になっている。内容は火星に取り残された主人公が火星で救援を待ちながら前向きに生きていく内容であった。中国で先行放映されたのは、巨大市場を取り込もうとするハリウッドのしたたかさであろう。ネタバレになってしまうがNASAに中国が救出協力するという部分がミソである。ただ、この映画の内容が現実にありそうでとても面白い。火星は実際に砂漠のような環境にあるが、地球から救出に行くまでにこの映画では4年間も掛かる(今の技術では早くても250日掛かるそうだ)。その間に普通は食糧が尽きて死んでしまうのであるが、彼は植物学者であったために、トイレの中ではっとクリスマス用に取っておいたジャガイモを利用して栽培しようとひらめく。さて糞尿を肥料にすることは分かった。しかし火星には水がない。そこで火星の主要な大気である二酸化炭素からサバティエ反応を利用して、残りの水素を利用し高温高圧にしてCO2 + 4H2 → CH4 + 2H2Oから水とメタンを生成する化学反応をひらめく。そして試行錯誤しようやく水を得て生き延びようとする。この方法は実際に有人宇宙飛行に必要な鍵の技術といわれているそうだ。このドタバタの中であきらめずにいればチャンスは訪れるという超前向きな態度がすごい。普通であれば、あきらめて死を待つか気が狂って死んでしまうだろう。もしかしたらアメリカは火星行きを本気で考えているのかもしれない。しかしながら、火星にてシアノバクテリアなどの光合成微生物を繁茂させて酸素を作り、オゾン層ができて紫外線が吸収されるようになるまでに自然条件下では20億~30億の時間が掛かってしまうだろう。それまでの時間をどうするのだろうか?やはり地球を何とか守る以外に方法はないと考えるのだが、人類の英知はどこまでも無限なのであろうか?
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コンビニ

2015-12-11 17:51:41 | 現地情報
阿拉善に本格的なコンビニチェーンができた。「everyday」名前のセンスもなかなかいい。そして見た感じはセブンイレブンを意識している。中にトイレがある。そして綺麗だ。このコンビニチェーン店のオーナーは日本に留学したことがあり、ノウハウを掴んでいる。このコンビニがあっという間に阿拉善に10軒近くできて他の便利店(コンビニのことを便利店という)を圧倒している。中国では都市部ではファミリーマートやセブンイレブンが圧倒的だが、このような田舎にもコンビニの波は着実に訪れている。現在、加速度的に便利な生活への移行があちこちで進んでいる。会期が1日の延びて明日までパリでCOP21が開かれているが、先進国はこのまま便利で快適な生活を続けたい、途上国は我々も豊かな生活を目指したい、気候変動の原因は先進国だと考えている。この便利さが続く限り、予想よりも早い2040年には甚大な被害が起こるといわれる2℃を越えてしまうという。このような田舎でも急速に便利で快適な生活になってきているということは、パリでは楽観的な意見が多い中、相当なインパクトが起きない限り、持続可能な社会の達成は難しいのかもしれない。
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深刻な大気汚染問題

2015-12-08 09:02:07 | 現地情報
今はパリでCOP21が行なわれているが、中国では温暖化の話よりもすでに現実になっている大気汚染問題が急務の課題になっている。実は、この大気汚染問題は昨日に始まったことではなく、これまでも普通に問題であったが、市民の意識が高くなって来たことが大きい。ただ、今年の大気汚染は例年とはやはり違う。この問題についてはいろいろな憶測が流れている。全く関係ないと思われる三峡ダムのせいだという人もいる。今年は寒くなるのが早く、雪が多く降り湿度も高いことと、石炭暖房の原因が一番大きいのではないかと考えている。特に石炭の質が下がっていることが大きい。無煙炭などの石炭は高くて庶民には手が届かないため、市場には安い石炭が出回ることになる。この暖房の影響が大きいとなれば、工場よりも、各家庭やボイラーのある所へ活性炭などの煤塵を吸着するフィルターを配った方がいいのではないかと考えているが、庶民までの対策はまだ行なわれていない。以前にも紹介したことがあるが、この問題を解決する方法が日本にある。バイオブリケット、アーモンドコールである。以前、この専門家のホソカワミクロンの溝口氏と会って話をしたことがある。こうした技術は一時的に注目されたが、本当はこれから注目の技術である。これはトウモロコシの茎や間伐材などと低質の石炭粉を混ぜて圧縮して作る、要は豆炭のようなものである。これに消石灰を2%ほど混ぜると、ススやSO2の発生が少ないものができる。ぜひNGO活動としても、緑化だけではなく、こうした空気を良くする活動普及にも協力できないかと思っている。他にゴミ問題になるが焼却炉の影響もあり、こうした所への対策はまったなしである。しかしながら肝心の政府はアフリカへの支援など外にばかり向いているため、もっと足元を見て欲しいという意見がネット上で噴出している。これまで空気のきれいであった阿拉善も例外ではなく、甘粛省などからの大気汚染が砂漠を越えて入ってきている(写真は大気汚染時のアラシャン)。
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エジナでの襲撃事件

2015-12-07 14:02:55 | 現地情報
6日夜中の3時半頃に阿拉善エジナ旗馬蓮井地区にある総合執法検査場が百名あまりの覆面の暴徒に襲われたというニュースが入って来た。検査場は完全に破壊され11台の車も壊されたらしいという話で持ち切りである。その背景には甘粛省金塔県との60年にも及ぶ土地争いの確執がある。阿拉善という地域は文革時代に甘粛省から干ばつで食べ物がない時期に難民が移民として多く入って来ている地域でもある。ここも元々は遊牧民の土地であったが、甘粛省金塔県は農業県で人口が多く土地面積が少ない。そのため土地不足で逼迫しており、そこから不法に開墾する農民が絶えず、内モンゴル側が金塔県境界の20kmの場所に検査場を作って監視している状況にある。9月17日にも金塔県の副鎮長ら40余名が襲ったばかりであり、今回の事件の犯人はすでに分かっており間もなく捕まるであろう。13名が重軽傷で-20℃の外に縛られていたらしい。おかげでエジナへ行く道路には検問ができ、一台ずつ報復に行かないように車の中身チェックが行なわれている。もちろん報復はないと思われるが、警察も過剰に反応しているようだ。
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ラクダのドナドナ

2015-11-23 11:29:58 | 現地情報
昨日、吉蘭泰村のプロジェクトサイトに行った。牧民と羊やラクダの話になった。今年の羊の肉はグローバル化が進む当地においても、近くはモンゴルや遠くはオーストラリア、ニュージーランドから安い羊肉が入って来て売れなくなってしまったと嘆いていた。日本の場合、近い将来は農家への保障があるが、TPPに加盟したあとの日本の農家は参考になる意見だろう。ラクダは協調性があり、犬に近い感情の動物といわれる。冬はラクダ肉の出荷時期でもある。この牧民はラクダを売るのをやめてしまったという。「なぜ?」と聞けば、出荷の時に皆で泣きわめくそうだ。その声がとても悲痛で、その罪悪感で、とてもじゃないけれど売る気が失せたという。ちょうど帰りにも1台のトラックがらくだ達を満載していた。ラクダの悲痛な叫びは風の音でよく聞こえなかったが、皆で寒さをしのぎながら涙を流しているようにみえた。ドナドナの歌が頭にこびりついて離れなくなった。
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