摂津三島からの古代史探訪

邪馬台国の時代など古代史の重要地である高槻市から、諸説と伝承を頼りに史跡を巡り、歴史を学んでいます

長尾神社(葛城市長尾)~「海部氏勘注系図」に載る倭宿祢命の妃神

2024年10月19日 | 奈良・大和
[ ながおじんじゃ ]   富田林市の美具久留御魂神社の前から東に走り、あまり勾配のない山道~かつての竹内街道~を通り、二上山の雌岳の南側の竹内峠を越えると間もなく到着しました。当社の鎮座する葛城地域と河内地域との近さを改めて実感しました。古代竹内街道に境内を接して東面する神社です。秋祭りの日で、丁度参拝している時にだんじり(地車)が前を通るという良いタイミングもありました。 &n . . . 本文を読む

池上曽根遺跡(和泉市池上町)~大阪府弥生文化博物館と池上曽根史跡公園

2024年09月29日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
[ いけがみそねいせき ]   この度は、大阪湾よりの南方にある大阪府弥生文化博物館と、隣接する弥生時代遺跡の大型掘立柱建物を見学したいと思い訪れました。泉穴師神社に近く、その北東約1キロのところにあります。   【大阪府弥生文化博物館】 車で阪神高速湾岸線の助松出口から10分もかからないところにあります。訪れた日は特別・企画展のない日だったので、入館料は310円でし . . . 本文を読む

海神社 (神戸市垂水区)~五色塚古墳との繋がりが語られるワタツミの神

2024年08月13日 | 兵庫・西摂津・播磨
[ わたつみじんじゃ/かいじんじゃ ]   かつての摂津国と播磨国の境界だった地域の、少し播磨よりに鎮座する神社です。そして、この地のもう一つのスポットで、当社との繋がりも語られる五色塚古墳が歩いてすぐの所に有り、併せて訪問しました。古墳は50年ほど前の早い時期に築造当時の姿に復元したもので、その存在感ある風貌も感動ものですが、そこから望む明石海峡大橋や淡路島の絶景も見ごたえがありま . . . 本文を読む

櫻井神社(堺市南区片蔵)~須恵器の聖地・陶邑窯跡群に鎮座する国宝の拝殿

2024年07月27日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
[ さくらいじんじゃ ]   堺市の泉北ニュータウンから少し外れた、昔ながらの風景の残る地域に鎮座しています。実家から車で山中の道を行けば結構近くなのですが、そんな場所に国宝になっている拝殿を持つ神社があると知り、帰ったタイミングでさっそく参拝しました。駐車場は50台分あるとの事でしたが、大きな駐車場は通常時は入れないようになっているようで、鳥居背後にある数台程度停めれるスペースを使 . . . 本文を読む

備前一宮 吉備津彦神社(岡山市北区一宮)~吉備の中山の東に鎮座する、日本最大の燈籠を誇る一宮

2024年07月13日 | 山陽
[ きびつひこじんじゃ ]   吉備津神社と共に吉備の中山を背後にしている神社で、こちらは東麓に鎮座しています。地域では吉備津神社と共に両参りする事が推奨されているようで、当社もしっかりと参拝させていただきました。吉備津神社が全国的に有名な社殿や境内、エピソードに溢れているので、こちらはどうなのかしらと思いましたが、相当に豪壮な社殿群や日本一大きいという燈籠などがゆとりある境内に広が . . . 本文を読む

造山古墳(岡山市北区新庄下)~地域の人々が伝承を語り継ぐ、墳丘に登れる日本最大の大前方後円墳

2024年06月22日 | 山陽
[ つくりやまこふん ]   こちらの大古墳も岡山に来たら是非とも墳丘に登りたいと思っていた古墳でした。周囲は岡山平野の広々した田畑が広がっている地ですが、古墳そばに適度な広さの駐車場と造山古墳ビジターセンターが整備されています。2019年に完成した綺麗なセンターは博物館というほどの規模でないですが、岡山県が考える古代史変遷のパネル展示と、ビデオ鑑賞スペースが整えられています。出土資 . . . 本文を読む

楯築遺跡(倉敷市矢部)~古墳時代の幕開け前に造られた孤高の大双方中円墳

2024年06月01日 | 山陽
[ たてつきいせき ]   こちら吉備・岡山に訪れる大きな動機となった重要遺跡です。古墳時代の前方後円墳や埴輪のルーツを語る時、必ずここ楯築遺跡とこの地域の特殊器台が取り上げられるような著名な地なので、訪問した時も複数の方々が入れ代わり立ち代わりで訪れて来られてました。この一帯は他に、王墓山古墳の地区や日畑赤井廃寺のある日畑赤井堂地区を含めた王墓の丘史跡公園として整備されていて、数十 . . . 本文を読む

三備一宮 吉備津神社(岡山市北区吉備津)~吉備津彦兄弟が対峙した「温羅」についての様々な説

2024年05月12日 | 山陽
[ きびつじんじゃ ]   今回は畿内から出て、遠方の大神社です。古代にはヤマト王権と拮抗した勢力を持ったことを偲ばせる大前方後円墳も存在するかつての吉備国こと岡山県を訪れ、全国的にも有名な「吉備の中山」西の山裾にある当社に参拝しました。当社自身は「三備一宮」を称していますが、本来は備中一宮であり、東の裾にある備前一宮の吉備津彦神社と併せて二つの一宮があるということで、地域では大変重 . . . 本文を読む

伊勢国一の宮 椿大神社(鈴鹿市山本町)~境内で出雲のセグロウミヘビ信仰を語る「土公神陵」の宮

2024年04月20日 | 伊勢、東海
[ つばきおおかみやしろ/つばきおおじんじゃ ]   当社も大阪からは遠方の神社ですが、鈴鹿市は十分に日帰り圏内で鈴鹿ICからも近い事から長らく参拝したいと思っていました。さすが伊勢国一の宮とあって、土曜日で天候も良かったせいか大勢の参拝者で賑わっているという感じでした。参拝後は椿会館で、かつて先代宮司夫人がふるまって有名になったという「椿とりめし」をおいしくいただきました。 &n . . . 本文を読む

金山彦神社/金山媛神社(柏原市青谷/雁多尾畑)~日本最古の金属守護神を祀った人たちとは

2024年03月31日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
[ かなやまひこじんじゃ / かなやまひめじんじゃ ]   この両社はかねてから参拝したかったのですが、二社が高低差を伴ってそこそこ離れているのと、金山彦神社は駐車場がないので、どう訪れようかと考え延ばし延ばしになっていました。今回、金山彦神社の方は、申し訳なかったのですが、堅上コミュニティ会館へ行く道路の入口に車を停めさせていただき参拝しました。府道183号線は、大和川から離れて神 . . . 本文を読む

多治速比売神社(荒山宮:堺市南区)~気になる転訛説もある謎のタジハヤヒメ

2024年02月17日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
[ たじはやひめじんじゃ/こうぜんのみや ]   泉北ニュータウンのある泉北丘陵の入口に位置するところの丘陵頂上に鎮座します。周囲は堺市の荒山公園として梅林などが整備されていますが、もともとは大部分が当社の社有地でした。俗に荒山(高山)の宮などと呼ばれていて、地元では「コウゼンさん」として親しまれているようで、参拝の時も、犬のペットの写真撮影をしているグループ等々常に参拝者が絶えない . . . 本文を読む

奈具神社(京丹後市弥栄町船木)~丹後の奥地に静かに鎮まるトヨウカノメ命と大弥生遺跡群

2024年01月27日 | 丹後・丹波
[ なぐじんじゃ ]   この日、小雨のぱらつく天候の中、気を揉みながらなんとか籠神社から比沼麻奈為神社とめぐって来て、最後この奈具神社に着くころには天気も落ち着いてきました。こうして、私の心もこの地でようやくナグしくなりました。小さな神社ですが、木々に取り囲まれたこんもりした空間に、苔むした敷地が良い感じに馴染み、しばしその境内を堪能させていただきました。神社の前は田圃が左右に広が . . . 本文を読む

比沼麻奈為神社(京丹後市峰山町久次)~天羽衣伝説の天女が舞い降りた「元伊勢」の論社

2024年01月13日 | 丹後・丹波
[ ひぬまないじんじゃ ]   参拝した日は天候が不安定で、当社へ向かう道中でも一時土砂降りになったりしてどうなる事やらと案じていましたが、当社に着くころには幸い雨もあがり、しっとりした雰囲気の中で参拝する事が出来ました。集落の細い道を通ってたどり着くような、谷間の奥の小規模な神社ですが、割と最近のものと思われる社殿が異様に大きかったり、砂の小山をまっすぐに掃き集めて参道を整えていた . . . 本文を読む

元伊勢 籠神社(宮津市大垣)~「海部氏勘注系図」が引用する「丹後国風土記残欠」への議論

2023年12月30日 | 丹後・丹波
[ もといせ このじんじゃ ]   古代史ロマンにひたるうえで大変重要だと感じて来た当社へはさすがに遠いのでなかなか足が向かなかったのですが、良いタイミングを見つけて参拝に訪れました。通常の土曜日でしたが、そこは観光地、団体客ふくめ多くの参拝者がおられました。ただ、残念ながら籠神社と奥宮の真名井神社ともに、境内での撮影禁止である旨の掲示がされていたので、いつものように社殿・境内の様子 . . . 本文を読む

方違神社(堺市堺区北三国ヶ丘町)~方災除けに御利益がある三国の「境」と田出井山古墳

2023年12月17日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
[ ほうちがいじんじゃ ]   訪れたのが日曜日という事もあったかもしれませんが、特に行事が有るわけでもないのに、30台収容できる当社境内の駐車場にすぐに入れず、15分くらいは並んで待つ事になりました。これまで参拝でそんなことは無かったので驚きました。方災除けの神様というなかなか他では見られない(ニッチな?)御利益をお持ちで、住まいの新築・増改築や引越し・旅行という、方角に関わる人の . . . 本文を読む