摂津三島からの古代史探訪

邪馬台国の時代など古代史の重要地である高槻市から、諸説と伝承を頼りに史跡を巡り、歴史を学んでいます

伊賀一宮 敢國神社(伊賀市一之宮)~伊賀忍者服部氏も神事を務めていた、大彦命の信仰を伝える一宮

2023年12月03日 | 伊勢、東海
[ あえくにじんじゃ ]   高槻市からは遠方の神社になりますが、どうも高槻市の「阿武山」と当社名が関係あるらしいという伝承もあることから、参拝したいと思っていました。車で新名神の甲賀IC経由で訪問しましたが、所要時間は1時半弱と思ったより早かった印象です。甲賀から伊賀へと入っていく中で周囲を山に囲まれた上野盆地の景色になんとなく隔絶感を持ちました。帰りは別のルートで伊賀から西に向か . . . 本文を読む

近江国一之宮 建部大社(大津市神領)~ヒロインであるオトタチバナヒメを社殿前に祀らない不思議

2023年11月18日 | 滋賀・近江
[ たけべたいしゃ ]   瀬田西インターチェンジがらすぐのところという便の良い地に鎮座する、名前の通り規模の大きい大神社です。秋の涼しくなった日曜日、丁度七五三の季節で多くの着飾った家族ずれで賑わっていました。境内、社叢は良い雰囲気に整えられていて、撮影スポットも整備され、多くの参拝者に楽しんでもらえるよう心遣いが行き届いた神社だと感じます。御朱印を頂く際に、源氏再興の前途を祈願さ . . . 本文を読む

高良神社(打上神社:寝屋川市打上元町)~ご祭神が武内宿禰になる理由と石宝殿古墳

2023年11月04日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
[ こうらじんじゃ / うちあげじんじゃ ]   打上団地のコインパーキングに車を停めて、団地の敷地の間の小路を上に上に昇っていくと、見晴らしの良い打上展望台と当社の鳥居前にたどり着きます。少し迷いましたが、途中にある高良神社の表示の方向に少し歩いてすぐの、上り階段を登って行けば良いです。明治時代の初めに正式名称が打上神社になっていますが、昭和15年の石標には高良神社の名が刻まれて、 . . . 本文を読む

大名持神社(吉野郡吉野町)~社前の吉野川から「海水」が湧き出す、極位を叙せられた出雲系神社

2023年10月21日 | 奈良・大和
[ おおなもちじんじゃ ]   当社の鎮座する吉野地域は葛城や明日香村からも更に奥まったところで遠いという事もありまして、ようやくの参拝となりましたが、車で行ってみると飛鳥あたりからは案外に近く感じました。当社といえば、とにかく写真で見ていたご神体山・妹山の威容が印象的で、直にその絶景(見出し写真)を堪能することが出来ました。神社の前を流れる吉野川の対岸にある背山と並び建つ様を見て、 . . . 本文を読む

忍陵神社(津桙神社:四條畷市岡山)~鎮魂歌「阿知女作法」の豊ヒルメと天津瓊々杵神社の関係

2023年10月07日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
[ にんりょうじんじゃ / つほこじんじゃ ]   今の名称は忍陵神社。境内が前方後円墳・忍岡古墳の上に鎮座していて、竪穴式石室が見学できることで特筆する神社なのですが、奈良県の有名神社である多神社(多坐弥志理都比古神社)にまつわる平安時代の古文書に、当社の元である式内社・津鉾神社の事が書かれているとの話が気になっていた神社でした。   石標からの階段を登ったところに一 . . . 本文を読む

天香山神社(橿原市南浦町)~畝尾坐健土安神社と共に霊力の山に鎮まる古社

2023年09月23日 | 奈良・大和
[ あまのかぐやまじんじゃ/うねおにますたけはにやすじんじゃ ]   この二社は近接して鎮座していて、車での参拝であれば奈良文化財研究所藤原宮跡資料室の駐車場が便利です。往きは、香久山観光トイレ(ここにも駐車場があります)から香具山に向かうルートを取りましたが、少し登りが有り大和盆地の絶景も堪能できます。両社の参拝後は、資料室も見学し、飛鳥から藤原京時代の瓦や土器、木簡などの発掘遺物 . . . 本文を読む

片埜神社(枚方ゑびす:枚方市牧野阪)~ご由緒や久須々美神、そして牧野車塚古墳が語るもの

2023年09月09日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
[ かたのじんじゃ/ひらかたえびす ]   枚方市にあるカタノ神社です。このお名前は、この地がもともと交野郡だったからで、その交野郡における一之宮ということで、神社の石標にも一之宮の文字が刻まれています(なお、河内国の一之宮は枚岡神社)。記紀にも、そして出雲伝承にも出てこないようなご由緒に興味を引かれて参拝をさせていただきました。牧野駅側から車で行くと、東門前にたどり着くのですが、神 . . . 本文を読む

意賀美神社(枚方市枚方上之町)~物部の祖伊香色男・伊香色女が高龗神を祀った伊加賀村

2023年08月26日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
[ おかみじんじゃ ]   高槻市から淀川を挟んだお隣にも関わらず、これまで北河内の神社が少なかった事(蹉跎神社と堤根神社)が気にかかってにわかに調べ始めましたところ、かつて゛伊加賀村゛にあったというこの意賀美神社がたいへん興味深い事と思ったので、早速参拝させていただきました。   入口の急な登り階段   【ご祭神・ご由緒】 ご祭神は、高龗神、素戔嗚 . . . 本文を読む

多太神社(川西市平野)~三輪の大田田根子にまつわるという本来の多田神社

2023年08月12日 | 兵庫・西摂津・播磨
[ たぶとじんじゃ/ただじんじゃ ]   阪急能勢電鉄の多田駅から、大通り沿いに扇状地の緩やかな昇り坂を上っていき、住宅街を歩いた先に鎮座しています。現在は宅地や建物が多く建っているのでそうでもないですが、大阪方面の眺望が望めそうな高台に、社叢となる多太の杜を背後にして鎮座していました。川西市は大阪・神戸通勤圏のベッドタウンとして、自然に恵まれた地として注目されていますが、電車だとな . . . 本文を読む

池坐朝霧黄幡比売神社(磯城郡田原本町)~謎の池首の祀った「黄幡比売」とは誰なのか

2023年07月29日 | 奈良・大和
[ いけにますあさぎりきはたひめじんじゃ ]   唐古・鍵遺跡のほぼ東方、1キロもない距離の大和川沿いに鎮座する、境内、社殿ともにとても重厚な雰囲気のある神社です。何か意味ありげなお名前にもかかわらず、あまり具体的なことがよく分かっていない謎の神社のようで、参拝をさせていただきました。境内や社殿もそうですが、境内には立派な石碑、歌碑がいくつもあり、現在も熱心に信仰されている風でした。 . . . 本文を読む

伊居太神社(池田市綾羽)/ 呉服神社(池田市室町)~近世以降の呉服信仰に至る経緯

2023年07月15日 | 高槻近郊・東摂津
[ いけだじんじゃ/くれはじんじゃ ]   東摂津の西の端、かつて豊島郡だった池田市に鎮座する、姉妹社の如き二社を同日に参拝させていただきました。伊居太神社の方は、其の名が「延喜式」神名帳に載ることから「式内社」の冠が付きますが、事はなかなか難解なようです。両社は車ですぐの位置関係ですが、呉服神社が阪急池田駅駅前の住宅街にあり華やかな社殿と境内が目を引くのに対し、伊居太神社は多くの人 . . . 本文を読む

目原坐高御魂神社(天満神社;橿原市太田市町)~竹田神社とともに対馬卜部が関わる「外宮」と仲臣(ナカツオミ)

2023年07月01日 | 奈良・大和
[ めはらにますたかみむすびじんじゃ/たけだじんじゃ ]   現在の神社名は天満神社ですが、下記しますように式内社目原坐高御魂神社とする考えが有力です。そうなると、今となっては大和の一地域の小さな神社という風ですが、その創建が「日本書紀」で京都葛野の月読神社と一緒に語られていることになり、さらにそもそもはあの多神社に対する「外宮」だったという歴史に惹かれた事から、「日本の神々 大和」 . . . 本文を読む

大依羅神社(大阪市住吉区)~万葉歌人の関係者が関わる八十島祭の名神大社

2023年06月17日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
[ おおよさみじんじゃ ]   なかなかの難読漢字をお名前にもつ、初歩の歴史好きには少し縁遠い神社と思われます。しかし、住吉大社とも深く関わり、平安から鎌倉時代にかけて天皇の即位儀礼として難波津で斎行されていた八十島祭で、難波の地主神として幣帛が供えられる規程となっていた重要な神社の一つです。あびこ駅から徒歩で向かって、依網池址石碑の有る大和川側から境内に入りましたが、学校の校庭を迂 . . . 本文を読む

大海神社(だいかいじんじゃ:大阪市住吉区)~津守氏と同祖の尾張氏が関わる「海部氏系図」の最近の論考

2023年06月03日 | 大阪・南摂津・和泉・河内
  久しぶりに住吉大社を訪れて、前回は参拝していなかった摂社・大海神社を参拝させていただきました。住吉大社の北側に隣接するのですが、駐車場を挟んだ少し離れた位置にひっそりと佇んでいるという感じで、本社とは随分と雰囲気が違いましたが、それでも参詣者は時折見受けられ、根強く信仰されている感じがしました。社殿の構造は、住吉大社と同じ住吉造で、見ごたえは本社に引けを取りません。   . . . 本文を読む

播磨国一の宮 伊和神社(いわじんじゃ:宍粟市一宮町)~岩神信仰伝播の中継地となった出雲の伊和大神

2023年05月20日 | 兵庫・西摂津・播磨
  大阪からでもさすがに遠いので、なかなか訪問する踏ん切りがつかなかったのですが、久々の行動制限なしのGWで時間のある機会に参拝させていただきました。中国自動車道の山崎ICを降りて以降は、揖保川沿いに左右を山に挟まれた絶景の中、快適に走っていると程なくして当社前にたどり着きます。神社入口の真ん前に、道の駅「播磨いちのみや」があるのでアテにしていたのですが、レストラン1件と土産物屋がある . . . 本文を読む