田舎のエプロンおばさんのエッセー集(アキのあしあと集)

日常の生活記録や認知症の主人を抱え奮闘する私の日々の記録をエッセー風にしました。

104 泣き笑い

2005-10-09 09:01:56 | 認知症の夫を抱えて
ちよっと聞いてくださいな、昨日の夕方のことです。私は自分らの部屋で
冬物の服の整理中、娘が泣き笑いしながら飛んで来ました。私は何事かとビッ
クリして「どうしたの?」と聞いても娘は中々言葉が出ません!それほど泣き
笑いが続くのです.少し落ち着いてから話し出しました。ベットで遊んでいる
心美(生後7ケ月)を爺ちゃんが突然抱いて子守唄を歌っている。
「アッコは良い子だ寝んねしな!」「アッコは良い子だ寝んねしな!」それを
聞いた娘は可笑しいやら可愛いやら、泣き笑いしながら私へご注進に及んだ
次第。アッコとは私の名前!おん年66歳になる妻の名前ではないか!認知症の
主人は妻の名前だけは強烈に脳みそにこびり付いているのだろうか?
衣、食、住すべて妻に依存しなければ生きて行けない彼の処世術がそうさせる
のか?結婚歴41年彼は命尽きるまでアッコは忘れないのか?それも分からなく
なる日が?近い将来どんな変化が待っているのだろうか?よもや彼より先に私
が消えたら娘夫婦の苦労を思うと居ても立っても居られない。運命のいたずら
はどうか家の前は素通り願いたいものです。

  平成17年10月9日 記  子守唄に出てきた名前に驚いたエプロンおばさん