田舎のエプロンおばさんのエッセー集(アキのあしあと集)

日常の生活記録や認知症の主人を抱え奮闘する私の日々の記録をエッセー風にしました。

80 生命の危機を脱して 

2011-02-07 06:40:05 | 認知症の夫を抱えて
 お正月を無事に向かえる事が出来て安心していた1月19日突然電話!ホームからでし
た、今病院へ来ています「どうしたんですか?又肺炎?」「肺炎ではないのです、レン
トゲンを撮っても肺は綺麗なんです」「ではなぜ?」「低体温、体温が34.1度奥さん
すぐに病院へ来て下さい」私は宗像の娘の家で2日分の夕ご飯を作っていました、
慌てて町立病院へと震えながら車を走らせました。
 ホームの看護婦さんは私を見るとすぐに電気毛布ありますか?貸し出す毛布があり
ませんので家から持ってきて下さい、体をどんどん暖めるのです、検査の結果はどこ
にもこれといって悪い原因は分かりませんでした、今からホームに戻ります。
 「主人は何処ですか?会わせて下さい」診察室に入り主人と対面、真っ白い顔をし
て額に手をやれば冷たい!顔も首も氷のようです、点滴をうけていました。
 それから私は家に飛んで帰り私が日頃使っている電気毛布を引き剥がし又ホームへ
走りました、玄関に着くと事務の方が今2階に行かれましたとの事4~5人で電気毛布
をセットしてベットに移しやっと落ち着いてドクターからの意見を聞きました。
 認知症が進むと脳が萎縮し体温を調節する機能が働かなくなって低体温が起きたと
考えられるとの事。
 毛布を入れて2時間体温は34.3度に・・・痛がらず苦しがらず静かに寝ています。
 居室に2人だけの静かな時間が流れます、私は泣きながら「お父さん頑張ったねもう
ゆっくり眠っていいよ」と言葉をかけました。
 それから体温は38.4度に急上昇!電気毛布をのけたら今度は35.1度!上がったり下が
ったりの繰り返し、現在は36度台で落ち着いています、危機を脱したようです。
 今回ばかりは覚悟しました、2人の娘達にも覚悟を促し電話が鳴るたびにビクビクの
日々でした、あれから半月今主人は何とか危機を乗り越えて今日に至っております。
 何時緊急の連絡が入っても覚悟は出来ています、終焉のその時は主人が自分で決める
のです、私達は静かにその時を見守るしかありません。

  H.23.2.7  記  主人を見守る田舎のエプロンおばさん