田舎のエプロンおばさんのエッセー集(アキのあしあと集)

日常の生活記録や認知症の主人を抱え奮闘する私の日々の記録をエッセー風にしました。

103 お酒への執着

2005-10-05 08:47:25 | 認知症の夫を抱えて
 今は主人には晩酌をさせていません。1年前までは毎晩焼酎をお湯割でコップ
1杯飲んでいました。認知症が進むにつれて酔うとうつが出て寂しいとか、死に
たい老人ホームに入れてくれとか言って泣くのです。娘夫婦と相談して晩酌を
止めました。家族は誰も飲みませんから本人もくれとは言いません。そうすると
うつは出ません!1年が過ぎました。しかし最近新しい問題がひんぱんに出て来る
ようになりました。サイドボードからワインのビンを持ち出しては隠しまわるの
です。自分のタンスの中、ベットの下、タンスの後ろ、ソファーの後等々。
飲もうとして王冠を破ったのもあります。しかしコルクの栓をとることが出来ず
飲むことは出来ません。どうして隠すの?と聞けばあれを残して俺は死ぬのか?
何時死ぬか分からんから飲んで死にたい!あれはドイツの本場のワイン!簡単に
飲めないのよ、1本1万円もする高級品よ。サイドボードに飾って眺めるだけで楽
しむものなのよ。心配せんでも残った私が飲んであげるから安心していいよ。
昨夜も2本隠していました、しかし知らんふりして隠させています。
私も少し大人になりましょうっと!

   平成17年10月5日  記  寛大になったエプロンおばさん