田舎のエプロンおばさんのエッセー集(アキのあしあと集)

日常の生活記録や認知症の主人を抱え奮闘する私の日々の記録をエッセー風にしました。

191 野々花が退院しました

2006-12-25 08:07:14 | 孫の話題
12月24日野々花が退院して来ました。5日間の入院でしたが家族にとって長い
長い時間の経過でした。心美と私はパパと野々花とママの帰りを今か今かと外
で待っていました。お天気も良くて日差しが気持ちよくお散歩しながら外気を
思いっきり吸いました。パパの車が見えました。「あっパパの車だ」私が叫び
ました。車から降りてきたママを見て「キャ~キャ~ママママ」走って抱きつ
く心美。泣きながら抱きしめるママ。2人をニコニコ見つめるパパ。
それを交互に見ながら泣いている私。感動の1コマ。お隣のご夫婦も騒ぎに出
てきて一緒に喜んで下さいました。夜は人並みにクリスマスケーキにロウソク
をともし3つのお祝いをしました。
  1つは心美と野々花の退院祝い。
  1つは婆ちゃんのバースデイ(12月23日でした)
  1つはクリスマス
ローソクの火を消す大役は私でした。クリスマスに間に合い人並みに祝うこと
が出来てほんとに良かったです。主人が居ない寂しさも孫2人が揃ったことで
補ってくれました。年末から年始まで抵抗力が弱った孫の健康には最新の注意
が要りますが何はともあれ家族が揃った喜びと安心にほっとしています。

  平成18年12月25日 記  孫の退院に喜こぶ田舎のエプロンおばさん

    

190 入れ替わりに野々花が入院

2006-12-20 22:37:02 | 孫の話題
 12月20日心美が無事退院したかと思うまもなく今度は野々花が同じ日に同じ
病院に入院しました。家に居る時から2人はいつもピタッとくっついていまし
たので遷るかも?の不安はありました。案の定潜伏期間を経て発病したのが
奇しくも心美の退院の日だったのです。今度は生後3ケ月の野々花に付き添って
ママも又病院へ逆戻り。そして心美を私が預かることに。巷ではクリスマス
年末、年始の準備で賑わっておりますが我が家はひっそりと静かです。
私が落ち込めば若い夫婦が可愛そうです。空元気でも励まして協力しております。
心美は8日間の入院でしたがベットで点滴を受けながらダッコくらいしか動け
ませんでした。足の筋力が相当ダウンして家の廊下では転んでばかり。何にも
障害物は無いのに廊下だけで3回転びました。気持ちに足がついていかないよう
です。子供は元気の回復も早いもの!日に日に力はついてくるものです。
2~3日もすれば今まで通り走り回ることでしょう!真剣にお払いをしたほうが
いいのかな?なんて思っています。今年は1月から12月まで私、ママ、心美、
野々花、御爺ちゃん5人が入院。元気だったのはパパだけです。
フレーフレーパパ!貴方だけが頼りです。来年こそいい年でありますように!

 平成18年12月20日 記  試練の連鎖に立ち向かう田舎のエプロンおばさん

     

189 今日はエイコさんです

2006-12-17 06:47:33 | 認知症の夫を抱えて
 12月16日主人に面会に。生憎この日は電気系統の故障で停電していました。
ドアに張り紙がしてあります。停電でブザーが鳴りません!ドアをノックして
ください」中に入れてもらうととても静かです。いつもなら右と左のテレビが
ついていますが物音がありません。患者さんは黙ってじ~と座っておられます。
主人を探してもそこには居りません。「あれ?」ホールから廊下を歩いており
ました。運動か?徘徊か?分かりません。例のごとくお土産のお饅頭を食べな
がら「美味しいね~おいしいね~アキコが持ってきてくれてなお美味しいワイ」「アラ今私の名前言いましたね、私の名前は?」「エイコ、エイコじゃ~ないか」「・・・」今日の私の名前はエイコです。その日によって名前がつくのも楽しい
ものですよ。お仕事に行ってきます!と別れて車から覗いたら1番近い窓辺まで
来て手を振ってくれていました。このときはほろりと涙が出て主人に謝りました。

  平成18年12月17日 記  日替わりの名前が楽しい田舎のエプロンおばさん

       

188 旧姓を思い出して

2006-12-13 21:47:45 | 認知症の夫を抱えて
 12月13日今日の面会風景です。着いたらレクレーションがあっていました。
参加していました。でも何か変です。手招きしても気づきません。ヘルパー
さんが私の傍まで連れて来てくださいました。変と感じたのは服装でした。
上半身は長袖の下着姿のままでした。「あら!病衣の上着がないですね」
ヘルパーさんが「あらほんとだ」と言って別の洗濯したのを持って来てくださ
いました。着せながらズボンを覗いたら「あら!(何にも履いていません)下
はスッポンポンですが!」「あら何処に脱いだのかしら?」とヘルパーさん。
トイレを探してもありません。紙パンツを履かせてください!と私。そこへ別の
ヘルパーさんが来て「トイレで脱いでおられたけど履かせるの忘れていました、
すみません」相当手が懸かるようになっています。身だしなみが整ったところで
お土産のお饅頭を食べながらの会話です。「私の名前は?」「う~~んえ~~と
フジモト!」ビックリしました、旧姓なんです私の!突然と出てきた旧姓!
昔の記憶が出てくるなんて!ビックリ箱の宝庫です。何時ものように楽しく会話
して仕事に行ってきます!と別れてきました。

  平成18年12月13日 記 懐かしい旧姓で呼ばれた田舎のエプロンおばさん

      

187 その日が来ました

2006-12-11 01:27:14 | 認知症の夫を抱えて
 昨日12月10日(日曜日)主人に面会に行って初めて知りました。近いうち
に来るであろうその日が昨日だったのです。病衣のお尻を上から触ったら
「アラッ?」ズボンを少しはぐってみたら案の定紙パンツを履いていました。
入院して3週間・・・土曜日に持って帰る下着が多くて不安はありました。
2日分でパンツ7枚、半袖下着4枚、長袖下着2枚、ズボン下3枚。ずいぶん尿
の失敗が多いな~近いうちに紙パンツになるな!と予感はありました。
放尿・・・尿意はあるがトイレが分からない(間に合わない)
失禁・・・尿意の感覚がなくなり勝手に尿が出てしまう。
私の勝手な分析です。家では放尿に手を焼いて入院の選択をしたのです。
手足が丈夫な人だからもし紙パンツになったら外してしまうかも?の不安が
大きかったけど・・・大人しく紙パンツは外していませんでした。私も知ら
ぬ顔して笑いながらの会話を楽しみました。その内に便の方も失敗が来るで
しょう!その時はつなぎの服になるそうです。入院の時に紙パンツ、つなぎ
の病衣はこちらの判断でしますのでご了承下さいと言われていました。
全てを委ねての入院ですから異存はありません。1つ1つの機能が後退して行
きます。それが老いであり病気の進行です。しっかりと現実を見つめ僅かで
も残っている機能に感謝して見守って行こうと思い家路に就きました。

  平成18年12月11日  記   冷静に見据える田舎のエプロンおばさん

    

186 昨日の様子

2006-12-10 06:46:10 | 認知症の夫を抱えて
 昨日の面会に行った時の主人と私の会話です。お土産のお饅頭を食べながら
「お父さん私の名前教えて!」「う~~ん???」「昔は良く覚えていたけど
今は頭がパ~になって分からん!俺の頭を叩いてくれ」私は笑いながら主人の
頭を少し小突いてみました。「そんなに優しくではだめだもっと血が出るほど
叩いてくれ!」私はビックリして主人の顔を凝視。真剣に私を見ています。
グッと胸が詰まりました。主人の辛さ、苦しさ、が伝わってきました。私は笑
いながら「嫁さんだ!は分かる?」「そりゃ~分かるさ」「そんなら許してあ
げる、私はこれからもず~と嫁さんよ」「うん」「子どもは何処に行った?
バックの中か?」「エエッ?」驚いた私。「犬は何処に居るのか?」今までに
無い会話です。自宅には1歳10ケ月の幼児と生後3ケ月の赤ちゃんが居ます。
犬も居ます(主人がとても可愛がっていたのです)。自宅の事を少し思い出し
ていることが分かりました。嬉しかったです、思い出したことが私に伝わった
からです。行く度に色んな変化が見て取れ新鮮な泣き笑いのドラマです。

  平成18年12月10日 記 泣いたり笑ったり忙しい田舎のエプロンおばさん

       

185 面会風景

2006-12-05 09:09:28 | 認知症の夫を抱えて
 12月4日主人の病院へ面会に行ってきました。ラウンジで皆さんはテーブル
についておやつを待っておられました。主人を探したら長~いイスに1人残
っています。私と手を繋ぎテーブルに着きました。おしぼりが配られました。
主人はそれでテーブルを拭きはじめました。どうしてよいか?分からない
様子。私は手を拭いてあげました。綺麗にたたんでおしぼりはテーブルに。
その時です!アツと思った瞬間主人はそのおしぼりをパクッと口にくわえ
ました。私は慌てて小声で「食べるものではありませんよ」と言って私の
前に置き変える。おやつが終わり2人で手を繋ぎイスに移動。お土産のお饅頭
を1つ食べました。「お父さん!私の名前は?」「アキコの名前は?分からん
!」「ん??」「今言うたよ!もう1度きくよ!私の名前は?」「アキコじゃ
ないか!」わ~凄い!出来た~パチパチパチパチ!主人も一緒に拍手・・
2人で大笑い。帰る時間です。「お父さん又来るからね帰るね」「俺も帰る」
「私仕事が残ってるんよ」「仕事か!そんなら仕方ないバイバイ」2人で笑い
ながら手を振って私は帰りました。家にいる時より仲良くなってるような気が
します。

  平成18年12月5日  記   面会が楽しい田舎のエプロンおばさん

   

184  1番大事な人

2006-12-03 06:55:30 | 認知症の夫を抱えて
 昨日は午後から主人に面会に行きました。デイルームで探しましたが?皆
同じ病衣の人ばかり!中々見つかりません。すると真ん中辺で手を上げてい
る人がいます。主人でした。私より先に主人の方が私を見つけ合図してく
れたのです。とても嬉しかった。離れた所に移動してお土産のお饅頭を食べ
ようとしたら、あれ~?入れ歯が上下入っていません。それでも美味しそう
に食べ終わりました。ヘルパーさんに話したらケースに入った入れ歯を持っ
てきてくれました。お昼ごはんはどうしたのかしら?聞けませんでした。
足元は裸足です。フロアを探し回り上靴を見つけて履かせました。
何処ででも脱ぎっぱなしですから仕方がありません。マンツーマンではあり
ませんしそんな患者さんばかりですから。私は誰?「あきこ」あら分かった
の?「1番大事な人忘れるもんか」これには感激でした。この前は「とよこ」
なんて言って笑わせたのに・今日はとっても脳の働きが良い日のようです。
又来るからね~。バイバイ!楽しく笑いながら家路に着きました。

  平成18年12月3日  記  面会が楽しくなった田舎のエプロンおばさん