消去された野田の選挙公約(一応こちらですが、昨日みたくすぐ消えるかもしれません)には以下のように書かれた部分がある。
現在、銀行預金のATMでの取り扱いには105円の手数料がかかります。生命保険への加入には職業などによる制約条件があります。ATM手数料0円の郵便貯金、だれもが入れる簡易保険を捨て去ることが、生活者の利便性の向上につながるのでしょうか。小泉総理も竹中大臣も民営化がそういう結果をもたらすことを、国民には全く説明しませんでした。
あのぉ。105円の手数料っていわゆる「時間外手数料?」のことではないでしょうか。
いちいち自分の通帳を見たり、こちらのページなどを見たりしている自分もどうかと思いますが、振込みとかは別でしょうけど、ATMと同じ銀行(自行というのですか?)の口座からの引き落としなどは
一応昼はたぶん全ての銀行で無料ではないですか。
このことも、あとで書くこともすでにネット上で指摘されていますが、はっきり言って事実と違うのではないですか?
事実と違うことであればそういうことを書いた時点で非常にまずいことで、いろいろな人が怒るはずだとも思うのですが、たとえば今年の4月4日の野田聖子の「ひとこと」には以下のような一節があります。
民間においては、ATMを含めた営業時間の延長や手数料の引き下げなど、利用者の誰もが一度は思う改善が遅々として進んでいるのか、いないのか
こういう書き方を見ると非常に意図的に具体的な事実は示さず、全体をぼやかしながら「民間の銀行は不便」で「郵便局は便利」という印象を国民に与えようとしているとしかわたしには思えないのです。
こういう書き方をすること自体、野田聖子自身が民業圧迫、官から民へではなくお金の流れを民から官へ意図的に変えさせようとしているといわれても仕方がないでしょう。
わたしが銀行関係者なら営業妨害の可能性があるので厳重に抗議します。
ちなみにわたしの理解が正しければATM手数料と言うのはそれ自体「時間外手数料」あるいは他行の口座からの引き落とし(振込みなども含まれるかもしれません)などについて言うのではないでしょうか。
野田は郵便局の営業時間などは全く示さず「銀行預金のATMでの取り扱いには105円の手数料がかかります」といい、「ATM手数料0円の郵便貯金」と比較するのは全くわたしには理解できない。
野田は「小泉総理も竹中大臣も民営化がそういう結果をもたらすことを、国民には全く説明しませんでした」とも書いている
むしろ野田聖子にこそここのところを説明してほしいです。
なぜ選挙公約を消したのかももちろん説明すべきだと思います。
まさか本当に銀行などから本当に抗議がきて、適当に手を打ったということではないでしょうが。。。
いずれにせよ、最近は銀行もいろいろ「なんとかクラブ?」にはいったりすれば、時間外手数料が無料になったりもするのではないでしょうか。
こういうことは検索すればすぐ分かると思うのですが、ATMの営業時間もかなり延長されてきてもいるとわたしは思います。
今ではネットバンキングというのもできているし、コンビニにもATMはあるようなのでそもそもATMと言うのを野田が非常に固定的に考えているらしいこと自体、わたしには意外です。
郵政公社も便利ですしいろいろ改革されてることとは思いますが、民間だってそれなりに郵貯を意識していろいろがんばっていると思うのですが、それは一切無視するのはおかしいでしょう。
今銀行がそれぞれしのぎを削って競争しているときに一括して「銀行預金」として片付けるのはおかしいとしか思えないです。
民間の銀行にはいろいろな手数料優遇などがあるのでその情報に追いつこうといろいろ情報交換している人たちがネット上にはいるのですが、全くそういうことには興味を示さず「民間においては、ATMを含めた営業時間の延長や手数料の引き下げなど、利用者の誰もが一度は思う改善が遅々として進んでいるのか、いないのか」と書くのは政治家として無責任のそしりを免れないでしょう。
「民間」あるいは「郵貯」などとと一括して論じること自体がおかしいと思うのは「ひとこと」の中で先ほど引用した部分の直前で以下のように述べているくだりである。
私など単純なせいか、駅前などにずらり並んだATMコーナーを眺めつつ、夜7時には早々とライトが消えている民間金融機関の隣で郵便局のはまだ動いている。助かるなぁ、がんばっているなぁ、と素直に思ってしまう。
これも単純すぎるのではないだろうか。「国会議員は単純な人のほうがいい」と言うなら話は違うが、そもそもこういう比較がどうしてこんなに簡単にできるのか単純すぎて、わたしは理解できない。
しかしそれで終わりならこちらまで無責任と思われるかもしれないので、東京の北千住というところについてみると、みずほ銀行の千住駅前支店の平日のATMは8時から21時まで使えるようである。
みずほ銀行の千住駅前支店に関する情報はこちら
郵便局で21時まで(21:36訂正すみません21:00以降でした)
使えるATMを備えたところをこちらから足立区内でさがしてみると3つしかないようだ。
なちなみに足立区内の郵便局のATMは17:30にはしまるものが多いようだ。
なおここではあくまで郵便局のATMに話はしぼっている。
検索にも限界はあるし都会と地方という違いはあるが、いずれにせよ野田の言い方は正確さに欠けるのではないか。
野田の郵政民営化法案の反対の理由および民間銀行に関する認識はこういうわけでわたしは噴飯ものだと考えている。
野田の「生命保険への加入には職業などによる制約条件があります」という部分にかんしてはわたしはいろんな事件などもあったことなどから、生命保険への加入のさいの診査がある程度あるのはやむをえないと思う。
ここでも野田は民間の生命保険を一括しているようであるが、「職業などによる制約条件」と対比させる形で「だれもが入れる簡易保険」などと言うのも正確さにかけるのではないか。
簡易保険もいろいろ商品があるようであるが、たとえばこちらの簡易保険の特徴と言うページを見ると「無審査」ですとしながらも「現在病気にかかっている方などの加入を無選択で承諾するものではありません」とかいてある。
しかも「被保険者(中略)は郵便局の職員の面接を受けていただきます」とも書かれてあり、「郵便局の職員による面接観査と健康状態に関する告知に基づき、基本契約及び特約の申込みを承諾するかどうかを決定しています」としてあるので、「職業による加入制限がありません」といってはいるものの、「誰でも入れる」と言えるかどうかかなり疑問である。
と言うわけで、わたしは野田聖子の選挙公約にはそれこそ山ほど疑問があるのだが消されてしまってものすごい脱力感に襲われている。
なんとも言いようがない。
(文中敬称略)
14:45分まで少しずつ直しました。また論旨を変えない範囲で直すかもしれません。