ツレヅレグサ

雑記と愚痴と、時々小説

壮行会

2006-06-28 23:05:55 | 日記
今日は体育系部活の壮行会がありました。すごかった。
中でもすごかったのはバレー部のキャプテンだな、うん。
歩き方が・・・(爆)
あの人はもう「うちの学校で最強のウケ男」だな。
ワロタワロタ。

校長の話が終わり、生徒会長の話も終わり、応援団はすごかった。
毎年恒例の応援旗(akkiyは勝手に「グングニル」なんて呼んでいるが)
が翻り(天井にコンコン当たる)、応援が始まった!
いやー、面白かった。実に面白かった。
そんなことを言っていられる理由、それは俺が文化部だからだ!
まったくもって意味不明だ、俺!いまさらこんな事を言うとは!

というわけでハイテンションのままおやすみ。

ではでは。

ついに「アテンションプリーズ」も終わった

2006-06-27 22:06:16 | 日記
ついに「アテンションプリーズ」も最終回か・・・。
最初は妹が見ていたのを強制的に見ることになってしまったこのドラマ。
しかしいつの間にか、主人公の美咲のがんばりになにか魅力を感じてしまい、
毎週見続けてしまった。
それにしても最近はドラマの質がまたよくなってきたな・・・。
クロサギといい、アテンションプリーズといい・・・う~ん。
次はどれにしようかな・・・。

小説は現在第八話をがんがんばりばり執筆中。
実はフラッシュとかになるのをひそかに期待していたり(笑)
もしフラッシュ化したいと思った方は、ぜひコメントしてください。
てか大歓迎です!

というわけで今日はこの辺で。

ではでは。

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Red Sparrow(7)

2006-06-26 22:21:54 | 日記
  Red Sparrow -AKASUZUME-

第七話 『討つべき敵』

 空はすっきりと晴れているのに 僕の心は分厚い雲が覆っている
 散らそうとすればするほど その雲は次第に厚さを増していった
 何が原因なのかも考えられず 僕は暗雲に埋もれていった
 今や僕の心に光は届かず 僕は暗闇の中に埋もれてしまった
 引きずり出したがすでに遅く その眼には死の色が浮かんでいた

                     ~作者不明・死人の歌より~

 仮面の刺客との戦闘が終了して数時間が経った。みなとターミナルビルの周囲は、軍の車両で埋め尽くされていた。
海からの人口の光に、先ほどの戦闘で破壊されたビルの壁面が照らされている。
今のところ、俺の呼んだ鑑識たちがビル全体をくまなく調べ回り、犯人につながる手ががりを探し回っていた。
そして俺たち三人は、当然ではあったが、軍の特別調査官に事情聴取を受けていた。
「・・・で、その殺人犯は一瞬のうちに逃げたというのか?」
「そういう事だ。・・・まあ信じられないとは思うかもしれないがな」
調査官は手元の用紙に俺の言った事の概要を次々と並べていった。ちなみにここは軍の機動装甲車両の中だ。
「とりあえず現場に残っていた血痕を調べてみるが、あまり期待はできない。指紋も残っていないようだ」
「指紋もなし・・・か。こりゃ参ったな、ドネッ・・・ト?」
俺はドネットが虚ろな目で隣に座っているのに気づいた。一体さっきの戦闘で何があったんだ?
「・・・、え?さっき何か言いました?」
ドネットはやっと気づいたらしく、あわてて俺の顔を見た。
「・・・いや、なんでもない。それよりお前疲れてるだろ」
俺がそう言うと、彼は無理矢理笑顔を作りながら、多少動転した口調で答えた。
「そんな事ないですよ。大丈夫です」
「いいから休んでこい。お前に何があったかは知らないが、かなり神経磨り減ってるぞ。
 確か仮眠スペースがあるはずだ。そこでちょっと休んで来い」
俺は奥の部屋を指差した。そこには仮眠用のベッドが一つ置いてある。
「大丈夫ですから」
「いいからお前は休め。これは俺の命令だ」
俺はかつてそうしたように、ドネットの目を一瞬睨んだ。彼の表情が一瞬こわばった。
そして何も言わずに軽くうなずくと、席を立ち、奥のスペースに消えた。
俺はそれを見届けると、特別調査官の方に向き直った。
「すまない。話を続けてくれ」
「了解。では、次の質問に移る」
まったく。たった数時間のうちにあいつは変わっちまったな。俺はそう思いながら事情聴取を続けた。

 一方、ドネットはというと、aaaに言われて仕方なく休む事にした。しかし、まったく眠気は襲って来ない。
まあ当然だろう、人に言われて休んだって休めるわけがない。ドネットは狭い天井を見上げた。
薄暗い闇の中で、ドネットはさっきの事を考えた。何でこんな事になったんだ・・・。
もし彼女と街で出会わなかったら、おそらくあんな事になっても俺は躊躇しなかっただろう。
それ以前に、この事件に関わらなかったら彼女とは出会うはずはなかった。
いや、むしろ僕自身が軍の特務隊に選ばれなければ、こんな事にはならなかったはずだ。
いや、もし僕が軍に入らなければ・・・。ドネットはそこで「もしも~なら」をやめた。
いや、そんなことを考えるのはよそう。こんな事を考えたところでもう変える事は出来ない。
彼は目をつぶった。脳裏に今までの過去が断片的に映し出されていく。・・・。
そういえば、僕が軍に入る事になったのは父さんのせいだったな・・・。

 話は数年前に遡る。ドネットの父は、軍で名将として働き、多額の財産を手に入れていた。
首都の郊外に巨大な敷地を所有していた彼は、そこに屋敷やさまざまな施設を建てた。
軍を辞めた後、彼は兵士の訓練を請け負う会社を設立。元軍人ということから、いくらでも需要はあった。
その仕事で成功を収めた彼は、さらにさまざまな軍需関係の会社を設立した。
そのため、ドネットは生まれたときから何一つ不自由なく暮らしてきたのだった。
ドネットの欲しい物は何でも手に入り、やりたい事はほぼすべて自由に出来た。しかし、彼は満足できなかった。
こんな事をしていても、まったくもってつまらない。どんな物をもらっても、どんな事をしても、つまらない。
不自由のない事が、彼自身を何かに縛り付けていた。そんなある日。
 軍の士官学校か、有名進学校に行く事が決まったドネットは、突然父親に呼ばれた。
「僕に話があると言われましたが、一体何の用ですか」
ドネットは父の座る椅子から数メートル離れた場所に立っていた。父は顔を彼に向けることなく話した。
「突然だが、お前は軍の士官学校に入れることにした。他の連中と同じ扱いで生活しろ」
「ちょっと待ってください。何でいきなりそんな事を」
「私はお前にあまりにも甘くしすぎた。お前は今の生活に満足する事もなく、日々を送っているそうだな。
 お前を進学校に行かせたところで、ろくな男にはならんだろう。それよりは、厳しい場所で強くなれ。
 つまらん日々を続けるぐらいなら、人生のたった数年でも苦しんで生きてみろ」
ドネットは当然拒否しようと思い、口を開いた。しかし、彼の父が再び話し始めた。
「恨むならいくらでも私を恨め。だが、嫌だからといってそれから逃げ出すようなら、私を恨む理由はない。
 たとえ嫌だとしても数年だけは耐えるのだ。その後はお前の好きにしろ」
その言葉を聞いたとたん、ドネットは父の言葉を拒否できなくなった。僕は逃げる様な奴じゃない。
ドネットのそういう強いプライドが、逃げるという事を許さなかった。数日後、彼は士官学校に進学した。
 学校では、ドネットは「名将の息子」ではなく、「一人の兵士」として扱われた。
誰も甘やかしてくれるものはいない。頼れるのは己と、そばにいる同志のみ。
数年の士官学校生活はすぐに終了したが、ドネットはそのまま軍に残った。どうしてかはわからない。
その後はいくつかの任務をこなす毎日。上官にはいつもどやされる。それでも彼はなぜか辞めなかった。
いつしか彼にとって、軍での生活は楽しいものになっていた。嫌だと思っていたはずなのに、だ。
軍人になって数年後。彼は突然上官に呼び出された。ドネットが上官の部屋に入ると、そこには特務隊の大佐がいた。
「特務隊の第二小隊を率いている蒼大佐殿だ。君を特務隊に引き抜きたいそうだ」
蒼大佐はドネットに向き直ると、軽い敬礼をした。ドネットはあわてて敬礼を返す。
蒼大佐の左頬には痛々しい傷跡が残っていた。おそらく戦闘で負った傷なのだろうが、聞くべきではない。
「やはり私の見込んでいた通りだ。君は私についてきてくれるか?」
「ハッ!当然であります」
ドネットはすぐにそう答えた。そして、数日後には特務隊に配属された。

 それから一年と半年が経った。蒼大佐はもうすでに軍隊を去り、軍事企業を立ち上げていた。
その業績はすでにドネットの父の会社のそれを抜き、仮想空間一の企業として有名になっていた。
しかし、そんな事はまったく気にせず、ドネットは次々と与えられる任務をこなしていった。
その結果、彼はその戦果を評価され、ここに来る一ヶ月前に少尉に昇進したのだった。
そして司令部からの命令でこの街に派遣され、軍高官連続殺人事件を調査する事になったのだった。
もしあの時つまらない人生を選んでいたなら、こういう事にはならなかっただろう。
ドネットは再び考えた。しかし、つまらない人生を選んでいれば、僕はまったく満足を感じなかっただろう。
ドネットは上半身を起こし、髪を整え直した。そうだ。彼女を殺さない方法が何かあるはずだ。
戦うことを避ける事はできない。しかし、相手を死なせないよう捕まえる事はできる。
ドネットの顔に再び生気が戻ってきた。まずはもう一人が言った『星の中心』について調べるか。

 俺と紅が数時間に渡る事情聴取を終えたとき、ちょうど奥からドネットが顔を出した。
表情はいつもの明るいそれに変わっていた。どうやら抱えていた問題が吹っ切れたようだな。
「どうだドネット、少しは疲れが取れただろう」
「ええ、おかげさまで。事情聴取は終わったんですか?」
「ちょうど終わったところだ」
俺が答える前に、紅が一言、静かに言った。彼はそばに立てかけていた二振りの刀を腰に差した。
「じゃあ早速行くか。まずは奴らの言ったあれについて調べるぞ」
「はい!」
「・・・。(まったく。すぐ元気になりやがって)」
俺たちは車両から出ると、すぐに紅の家へと向かった。

 その頃、蒼は会社の自室から外を眺めていた。そこには大量の建物と道路が、
一つの絵画を形作るようにして並んでいた。
そのコンクリートの絵画を見下ろしながら、彼は考え事をしていた。
ちょうどそのとき、彼の秘書が入ってきた。
「CEO。下の階で軍の方がお待ちですが」
蒼はそっちを振り返ることなく答えた。
「待たせておけ。すぐにそちらに伺う」
「はい。・・・何か考え事をされているようですが?」
秘書はやや遠慮げに言った。蒼はしばらく黙っていたが、やがて口を開いた。
「君はこの世界は単なる作り物に過ぎないと思ったことはあるかね?」
「ええ、たまにあります。しかしそれはこの世界では当然の事です」
「確かにそれはその通りだよ。こうして私が今見下ろしている物は、
 すべて人の手によって作られた物でしかない。いや、我々自身も作り物だ。
 そして我々を作り出した人間もまた、数種類の塩基によって作られた物でしかない。
 この世界も、人間の暮らす世界も、同じ作られた世界でしかないのだと、そう考えていた」
蒼は秘書の方に向き直ると、再び話し始めた。
「しかし、この作られた世界にはあまりにも大きい欠陥がある。例えば歪んだ理性や感情だ。
 これがあるがために、人もAAも戦い、他を殺し傷つけている。これは正しい世界ではない。
 この歪んだものを誰かが直さなければならないと、そう思わないかね?」
「その誰かとは、軍の事でしょうか?」
秘書がそう言うと、蒼は笑いながら首を横に振った。
「軍は軍事力で何でもできると思っている。それこそ歪んだものだ。もっと別の何かが変えるんだよ。
 そう、例えば絶対的な力を持ち、同時に理性と思想も持つような存在でないと」
蒼はそう言って口元に微笑を浮かべた。しかし、それは冷たい微笑だった。
秘書はその微笑に一瞬ゾッとしたが、それを悟られまいと普段の表情を保った。
「・・・さて、と。あまり客人を待たせるわけにもいかないな。今から会いに行くと連絡しておいてくれ」
「はい」
秘書が出て行くと、彼は机の上の書類を引き出しにしまい、鍵をかけた。そしてすぐに部屋を出て行った。

 次回予告
偶然出会ったあの人は私の敵だった。
でも、相手が誰であろうと私は敵を殺す。
敵を殺さなければ私が殺されるのだから。
次回『交差する思い』
任務を・・・遂行する。

  作者ひとこと
いやーすみません。楽しみにしていた方々に迷惑をかけてしまいました。
原因はこっち側にあるので、もう怒りをぶつけてもらって結構です。
それはともかく、第七話も何とか公開できました。
考えてみれば、この作品を終わらせるまであと三話。長いようで短かったなぁ。
というわけで、今回も制作秘話を。
実は俺の場合、書く前にあらかじめ大体の筋書きは決まってしまうんです。
後は細かい所を頭の中で考えていた要素を使ったりとか、漫画の一シーンに似せたりとかして、
一つの大きな物語を作り上げていくんです。
骨が既に固定されているので、大まかな部分を変えることはありません。
ただし、細かい部分は何回も手直しして、さらにいい表現に切り替えています。
そんなこんなで、この話が出来上がっていくんです。
以上、今回のひとことでした!


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皆様ごめんなさい!

2006-06-26 16:12:14 | 日記
皆様、更新できなくてごめんなさい!
実は「あ、更新できそうだ」な状態だったのですが、
間違って書き足していた分をあぼんするというアクシデントにより、
投稿ができなくなってしまいました。
今日中には公開する予定なので、気を取り直して見てください。

というわけで皆さんにひとこと。
皆さん絵を描きますか?
実は俺のチャット友達にイラスト描く人がたくさんいるんですよ。
レモヤとかARKとか誌とかtカラとかルクスとか紅とか・・・。
実は俺も書いているという罠w
ま、それはともかく、絵を描くことはいいことですよ。
創造意欲を掻き立ててくれるし。
無理に薦めるわけではないですが気晴らし程度にやってみてください。

というわけで今回はここまで。

ではでは。

絶望先生について

2006-06-24 22:35:52 | 日記
はい、現在執筆に七転八倒しているakkiyです。
というわけで今日は、「絶望先生」についてなぜか話したくなったので。

絶望先生は、死ねない欝である。
本名 糸色望。つなげて書くと「絶望」である。
世の中のすべてに絶望している。死のうとするが、死なない。
はっきり言えば完全に社会に対して欝になっている。
しかし、その暗い社会がブラックジョークになる事で何か感じるのだ。
世の中ってこんなものなのに、なぜか笑えてくる、と。
楽しいなんてまったく感じないのに、笑えてしまう、と。
よくわからないのだが、あの作品は自分のツボを押さえた作品なのだと思う。
世の暗さを笑えない冗談にする事で、なぜか笑いが生まれる。
それもまたギャグの一つの姿なのだ。

評論ですね、完全に。
てかなに言ってるの俺!思いっきり変な事言いまくってるじゃん!
・・・。まああの漫画面白いからいいと思うよ。
そしてなぜか納得してしまう。何でだろう・・・。

というわけで今日はこの辺で書き終えます。
明日は小説の最新話を公開できると思いますぉ。

ではでは。

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傘返してください!(#`Д´)/

2006-06-23 16:32:15 | 日記
傘取られました!名前書いてあったのにです!
誰やねん俺の傘持ってった奴は!返せやコラ!
先月は普通の傘取られたし、昨日は折りたたみ取られたし。
もういやになります、ホントに!(ちなみに昨日は駅で傘買いましたが
もし心当たりがあったら学校の図書館の傘立てに立てとけ!
そしたら文句は言わん!でも返さないまま犯人わかったら覚えとけ!
傘をレンタルした分のお代は払ってもらうからな!

というわけで今日も切れてるわけですが。
まあその話は置いといて。\(・・\)→(/・・)/
小説の話題について言っておきますと。
あさってには更新できると思いますぉ。
というのもここ数日書く時間なかったからねー・・・。
まあ、今日と明日がんばって第七話書き上げますのでよろしくということで。
じゃあ今日はこの辺で終了です。

ではでは。

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Red Sparrow(6)

2006-06-21 22:32:45 | 小説
  Red Sparrow -AKASUZUME-

  第六話『仮面の下の姿』

 俺たちが紅の家に着いたのはおおよそ19:00だった。戦闘開始まであと三時間か。
俺は弾倉に対装甲弾を詰めていく。昔からやっている事なので、それは数分で済んだ。
ドネットはガンブレードの回転式弾倉にずんぐりとした銃弾を詰めていく。その五つの穴は、すぐに銃弾で塞がれた。
そして俺はアタッシュケースを開けてあの刀を取り出そうとし、あっちに忘れてきた事を思い出した。
しまった。俺としたことが、一番重要な物を忘れてるとは。まあ何を言っても刀が飛んでくるわけではない。
俺は刀の事はあきらめて、その代わりに今回一応アタッシュケースに入っていた
護身用のアーミーナイフを懐に入れた。リーチは短いが,一応役には立つだろう。
俺は紅も一緒に行くのかどうか気になって仕方がないので、きいてみた。
「で、紅はどうする?多分お前の家が襲撃される事はないだろうが」
「俺も行こう。もしもの事を考えると、俺がいた方が都合がいいのではないか?」
紅はそう言いながら二振りの刀を腰に差した。確か刀の銘は「正宗」と「村雨」だったと思う。
ドネットもガンブレードを鞘にしまってベルトに固定した。そして拳銃と弾倉を軍配給ベルトの多機能ポケットに入れた。
「ドネット、今回は威力の高い銃弾を使う。外したら器物破損でえらい目に遭うから気をつけろよ」
「わかってます」
そう答えるドネットの表情は既に硬く引き締まっていた。失敗は許されない。もし失敗すれば、そこで終わりだ。
俺も拳銃をベルトのホルスターにしまい、家の外に出た。もうすでに陽は沈み、白色の三日月が空に浮かんでいた。
再びこの三日月が拝められますように。俺は心の中でひそかに祈った。
俺は神は信じないが、こういう時には何か神秘的な力にすがりたいものだ。
「じゃあ行くか」
「ああ」
そして俺たちは家を後にして、みなとターミナルビルへと、今宵の戦場へと向かった。

 21:55。最後の高速フェリーが出発して人気のなくなったそのエントランスに、二つの黒い影があった。
そのどちらもが、黒と白の二色で塗られた不気味な仮面をつけていた。そしてコントラストは対になっていた。
「さて、間もなく血塗られた劇の幕開けだ。油断するなよ」
仮面の右側の黒い方が楽しげにつぶやいた。それにもう一人が静かに応じる。
「・・・了解」
そして灯台の光が彼らを一瞬照らし、その不気味な仮面をいっそう不気味に照らした。
しばらくの静寂の後、数人の足音が重なって聞こえてきた。暗闇で見えはしないものの、それは彼の待っていた人間だった。
「やはり来たか。しかもどうやら死を覚悟した上でここに来たようだな」
彼がそうつぶやく間にも、足音が近づいてくる。そして薄明かりが足音の主たちを映し出した。
そして彼らは仮面の二人から数メートル離れた場所で立ち止まった。
「よく来たな。俺はとてもうれしいよ」
「俺もだ。これでお前らとの追いかけっこを終わらせることが出来るんだからな」
「ふっ。相変わらず口だけは達者だな。しかしその口は己を破滅に導く事になるぞ」
仮面の一人は笑い、そしてあの戦斧を出して構えた。もう一人の仮面も細身の剣を仮面の前に構え、振り下ろした。
一方の訪問者たちは拳銃や刀を抜いた。双方はそのまましばらく対峙を続けていた。が。
 エントランスの巨大な時計が22:00を告げたその瞬間、双方が戦闘を始めた。
戦斧を持った仮面は片耳の欠けた訪問者と激しく斬り合う。訪問者はアーミーナイフで戦斧を受け流す。
そして細身の剣を持った仮面はガンブレードを持った訪問者と切り結ぶ。
仮面のすばやい突きを訪問者は刀身で受け止め、斬り返す。
そしてもう一人の訪問者はいつでも刀を抜く事が出来るよう、刀の柄に手をかけていた。
激しく散る火花、響き渡る銃声。拳銃から放たれた銃弾が仮面をわずかにかすり、壁に突き刺さる。
そして次の瞬間には戦斧がうなりを上げて振り下ろされる。そしてナイフに受け止められ、火花が散る。
戦いはいつの間にかエントランスから吹き抜けの広がった出発ロビーに移っていた。
仮面は吹き抜けの壁を蹴りあがり、上の階に昇る。訪問者の一人もそれを追って上の階に上がった。
「さぁ、そろそろ終わらせようか」
仮面が戦斧を再び構えながらそう言った。それに対して、ナイフを持った訪問者は笑って答えた。
「俺もそう思ってたところだ。じゃあ行くぜ!」
再びその二人は激しくぶつかり、斬り合った。そして時折銃弾が飛び交う。
「食らえ!」
訪問者は仮面に向け至近距離で銃弾を浴びせる。そのいくつかが仮面の体にめり込み、破裂した。
対装甲弾は、目標物にある程度めり込むと起爆し、穿った穴の周囲を大きく広げる。仮面の足元に血が滴り落ちた。
「ぐっ」
仮面が傷の痛みに一瞬気をとられた。そのせいで彼に一瞬の隙ができた。
「もらった!」
拳銃を構えた訪問者はその瞬間を狙って突撃した。仮面が戦斧の刀身で防ごうとしたが、やや遅れた。
バキィ。戦斧の柄は、次の瞬間完全に折れてしまった。丸腰になった仮面に向け、訪問者がさらに発砲する。
「ちぃっ!少し油断したか」
仮面はそう吐き捨てると、訪問者から離れた。
 一方、その下の階では、ガンブレードと細身の剣が激しく火花を散らしていた。
「・・・」
「くそっ、こいつ強い」
仮面がすばやく突きを繰り出すと、訪問者の方はガンブレードでそれを受け流していく。
そしてガンブレードが横一線に振られ、そばにある観葉植物をなぎ倒した。
しかし本来の狙いだった仮面には当たらず、仮面が彼に対し再び突きと斬撃を繰り出す。
「くそっ」
訪問者はその攻撃をかろうじて防ぎつつ、相手からやや距離をおいた。仮面は剣を構え直すと、再び攻撃を仕掛ける。
しかし、その刃先が訪問者に届く前に、ガンブレードの刃先が仮面の胸部に深く刺さった。
「・・・っ!」
仮面が一瞬ひるんだ。訪問者は撃鉄を起こして言い放った。
「食らえ!」
そして発砲。発射された銃弾が仮面の胸部を貫き、銃弾の数倍の穴を開けた。
仮面はその反動でガンブレードから抜け、数メートル後ろに吹っ飛んだ。その弾みで仮面の一部が割れた。
訪問者はガンブレードの銃口を倒れた仮面に向けたまま接近する。仮面はぐったりしたように倒れたままだった。
「やったか・・・?」
彼がそうつぶやいたとき、仮面がゆっくりと起き上がった。胸部の穴は、もうすでに塞がっていた。
仮面はそばに転がった剣を拾うと、銃を向けた訪問者をゆっくりと睨みつけた。
彼のほうもガンブレードを構え、斬りかかろうとした。
が、すぐに仮面をつけた刺客は驚いた表情になった。
「!」
一方の訪問者も仮面の吹っ飛んだその顔を見た瞬間、驚愕した。
「う、嘘だろ・・・!?」
それは、彼が昼に会ったばかりの女性、ソフィリアその人だった。
まさか彼女が連続殺人の犯人だなんて。彼のガンブレードを持つ腕が震えた。
たとえ犯人とはいえ、僕に彼女を斬ることはできない・・・。僕は彼女を殺したくない・・・。
彼は頭の中で彼女と戦うことをためらっていた。しかし、彼女の方は我に戻り、攻撃を繰り出した。
彼は攻撃を防ぎつつ、彼女に叫んだ。
「やめろ!僕は君を殺したくない!」
しかし、彼女の目はすでに殺気を帯び、彼女の瞳には敵の姿しか映っていなかった。
殺さなければ殺される。それがたとえ大切な人であったとしてもそれは同じ事。
彼女の剣が、彼にまっすぐ向かっていく。彼は死を覚悟した。が、その時。
「戦いをやめろ。退くぞ」
仮面の男がその刃を素手で受け止めていた。彼女は素直に従い、剣を鞘におさめた。
「今回は我々に不利だ。次は必ず殺す」
仮面の男はそう言うと、三人の訪問者に顔を向けた。
「逃げる気か」
一人が拳銃の弾倉を取り換えつつ言うと、男は無言の返事をした。
「次に会うときは必ず仕留める。星の中心で会おう」
「星の中心・・・?」
そう思う間に、彼らの姿はその場所から消え去っていた。残ったのは仮面の欠片と折れた斧の残骸だけだった。
 灯台の明かりが薄く辺りを照らす。あと数時間もすれば早い夜明けが訪れるだろう。
「また逃げやがって・・・」
拳銃を持った一人はそれをホルスターにしまった。もう一人も刀を鞘に納める。
ただ一人、ガンブレードを持った彼は仮面の欠片を拾い上げ、彼女の表情を思い出した。
彼女が僕たちの追っている刺客だったなんて・・・。彼は驚きと迷いをあらわにしていた。
「とりあえず軍の連中に連絡しておく。今度は証拠も残ってる。これでヤツらの正体がわかるかもしれない」
「だが、やつの言った「星の中心」が何を示しているのかが気になるな・・・」
「ああ、それさえわかれば・・・」
ほかの二人が話し合っている間、彼は剣を収めず、ずっと考えていた。
果たして僕は彼女を捕まえるべき、または彼女を殺すべきなんだろうか?彼の中で迷いが生まれていた。
「おい、ドネット」
一人が彼の名を呼んだが、彼はボーッとしたままだった。肩を叩いて、やっと気づいたようだった。
「え?」
「え?じゃねえだろ。早くその物騒な代物をしまえ」
彼は指摘されて、慌てて剣をしまった。しかし、頭の中ではさっきの戦闘を思い出していた。
あれは、確かに彼女だった・・・。
めちゃくちゃになった出発ロビーの真ん中で、彼はほとんど割れた窓をずっと見つめていた。

 次回予告
最近ボーっとしているようだな、ドネット。
何かあったのか?まあいいだろう。
こちらの方も忙しいからな。
次回『討つべき敵』
お前に何があったかは知らないが、深く考えないほうがいい。

 作者のひとこと
というわけで第六話公開に踏み切りました。
時間がかかってしまったのはまあいろいろとあったからです。
というわけで今回も小話をひとつ。
各キャラが使っている武器ですが、『剣』と『刀』の二種類の表記を使っています。
なぜかというと、区別しておいた方がこちらとしてはイメージしやすいという事です。
一般に『刀』は日本刀を、『剣』はその他の刀を示しています。
また、細身の剣はレイピアあたりをイメージしてもらうといいです。
まあややこしいとは思いますが、その辺は近くの雑学オタクに聞いてみてください。
そっちの方がおそらくまともな答えだと思います、はい。
そんなわけで、次回のキーワードは『星の中心』。
ここ次の定期テストに出るから覚えろよ。(嘘ですよ

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やかましきコンピュータ室で

2006-06-21 15:02:15 | 日記
今コンピュータ室にいます。
というのも、一応小説執筆のためですが。
やかましいというのは先輩たちの事です。
といっても距離をとって座っているのであまり気にするほどじゃないですが。

というわけで今日のトピックをひとつ。
小説の件ですが、今日中には第6話公開できる予定です。
う~ん。オリジナルストーリーって難しい・・・。
第7話はおそらく週末以降になります。
文句は勝手に垂れてください。こっちだって忙しいんです。

というわけで今回はこの辺で。

ではでは。

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タブ絵は結構難しい

2006-06-20 12:45:57 | 日記
ペンタブで絵の練習に励んでいるakkiyです。
というわけでひとこと。
ペンタブで絵を描くのは結構難しい。
画面とにらめっこしながら手元を見ずに絵を描く。
結構大変な作業だったと今気がついた。
でもそのうち慣れるだろうと楽観的なことを言いつつ苦闘しています。

小説の方ですが、結構書く時間が限られていて、なかなか進まないです。
何しろ俺は学生なので、一日の大部分を学校生活にとられている毎日。
というわけでもうしばらく待ってください。明日か明後日には公開しますぉ。

・・・ぉーん。(は?

幻聴が聞こえたようですが、まあ気にしないでください。
というわけで今日はこの辺で更新終わり。

ではでは。

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ペンタブ買ったよ!

2006-06-18 16:06:46 | 日記
やっと念願のペンタブを購入!
メーカーはワコムです。A6サイズの奴です。
結構描きやすいけど、まだなれないと絵は描けないだろうな。
まあ毎日少しずつ使っていけば慣れるだろうな・・・。

まあそんな事はともかく、今のところは小説に専念しなくちゃ。
今現在は第六話を執筆中。
もうちょっとお待ち下さいませませ。

というわけで今日はこの辺で終わりますよ。
小説これから書きます。

ではでは。

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