五、「教会とわたしたち」(413) 5.近代から現代へ(宗教改革とその後)
はじめに、近代への萌芽としてアウグスチヌス著「神の国」(1968.教団出版)(その53)
34.神は恵みをもって破壊された都市に救いを与えられた。
あなたがたが現に生き延びている、というのは神の恵みによるのである。神はあなたがたを救い、悔い改めに
よって自らを正すように警告された。あなたがたは忘恩の民ではあるが、それでもあなたがたが神の僕と自称
することを、あるいは神の殉教者の教会に避難することによって、敵の手を逃れることを許された。ロムルスと
レムスは(前回はここまで)逃げ込み所を設け、そこに逃げ込めばだれも害を加えられることがないようにし
た、と伝えられている。こうして彼らは町の人口を増大しようと望んだのである。この例は、キリストの栄光のた
めに最近再現された。ローマ市の破壊者たちはその建設者によって定められた先例に従ったのである。ロム
レスやレムスが市民の数を増やすためにしたことを、もしも神がその敵の数を減らさないためになされたとすれ
ば、それはなんと偉大なことであろうか。
35.ちょうど教会の中にも偽キリスト信者がいるように異教徒の中にも、教会の隠れた子らが見いだされる。
これがわたしたちの主キリストの贖われた家族と、王なるキリストの巡礼者の都が、その敵対者に対して答え
る論議である。わたしたちはそれをいっそう拡大し、もっと豊かにすることさえできる。わたしたちの敵対者の間
にすら、来たるべき神の国の隠れた市民が存することを思いみよう(つづく)(「神の国」出村彰訳)