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明美指圧はりきゅう室の健康歳時記

季節の変化を身心で感じていますか?

AZP理論にガッテン!

2014-02-07 20:46:13 | 学問

2月2日の日曜日、

所属する公益社団法人 静岡県鍼灸マッサージ師会の、

創立90周年記念の式典の前に、記念講演がありました。

西村久代先生により、

「寝たきりにしない関節リラクゼーションテクニック」

という題でした。

先生のテンポよく、わかりやすい解説に引き込まれていきました。

私はAZP(Anatomic Zero Position)理論という言葉を、

初めて聞きました。

ゼロポジション、解剖学的肢位の姿勢にすることで、

関節拘縮の改善。血行、循環の改善。疼痛の緩和など、

数えきれないほどの効果が見込めるとのことで、

実技を交えながら、教えてくださいました。

ここで、以前から合氣道で教えていただいた、

氣のテストのように、ゼロポジションの姿勢が強い状態とわかり、

また、坐禅をすると肩こりが治り、体調が良くなることも、

無意識にゼロポジションになり、

筋肉に負担をかけない姿勢になっていたのでは?

と合点がいきました。

寝たきりの方以外でも、応用ができそうなので、

早速自分の身体で試しながら、取り入れていこうと思います。

ユーモア溢れる先生で、あっという間の90分でした♪


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九鍼十二原篇 ⑦完

2013-10-15 20:23:20 | 学問

10月13日で、九鍼十二原篇の講義が終わりました。

今回はこの篇の重要な部分が書かれていました。

五蔵に六府あり。六府に十二原あり。十二原は四関に出で、四関は五蔵を主治す。五蔵に疾あれば、当にこれを十二原に取るべし。十二原なる者は、五蔵の三百六十五節に気味を稟くるゆえんなり。五蔵に疾あるや、応は十二原に出で、而して原に各おの出づる所あり、明らかに其の原を知り、其の応を睹れば、而ち五蔵の害を知る。

陽中の少陰、肺なり。其の原は太淵に出づ。太淵二。陽中の太陽、心なり。其の原は大陵に出づ。大陵二。陰中の少陽、肝なり。其の原は太衝に出づ。太衝二。陰中の至陰、脾なり。其の原は太白に出づ。太白二。陰中の太陰、腎なり。其の原は太谿に出づ。太谿二。膏の原、鳩尾に出づ。鳩尾一。肓の原、脖?に出づ。脖?一。

いよいよ十二原の経穴名が出てきました。

鍼灸師にはおなじみのツボです。

太淵、大陵、太衝、太白、太谿は左右にある為、各二穴。

鳩尾、脖?は、胸腹部の正中にある為、各々一穴。合計十二穴

脖?(ぼつおう)は、氣海のことのようです。

凡そ此の十二原なる者は、五蔵六府の疾あるを主治する者なり。

脹は三陽に取り、?泄は三陰に取る。

今夫れ五蔵の疾あるや、譬うれば猶お刺のごときなり、猶お汚れのごときなり、猶お結ぼれのごときなり、猶お閉ずるがごときなり。刺すこと久しと雖も、猶お抜くべきなり。汚るること久しと雖も、猶お雪ぐべきなり。結ぼるること久しと雖も、猶お解くべきなり。閉ずること久しと雖も、猶お決するべきなり。或るひと久疾の取るべからざる者を言うは、其の説に非ざるなり。夫れ善く鍼を用いる者は、其の疾を取るや、猶お刺を抜くがごときなり、猶お汚れを雪ぐがごときなり、猶お結ぼれを解くがごときなり、猶お閉ずるを決するがごときなり。疾久しと雖も、猶お畢わるべきなり。治するべからずと言う者は、未だ其の術を得ざるなり。

長く患っている病でも、治せないということはない。と言っています。

治せないのは、技術がまだ未熟だからだ!と。

とても耳が痛い文章です。

諸熱を刺す者は、手を以て湯を探るが如くし、寒清を刺す者は、人の行くを欲せざるが如くす。陰に陽疾ある者は、これを下陵三里に取り、正しく往きて殆うきことなく、気下れば乃ち止め、下らざれば復た始むるなり。疾高くして内なる者は、これを陰の陵泉に取り、疾高くして外なる者は、これを陽の陵泉に取るなり。

最後の段は、臨床時には、必ず頭の隅に入れておきたい言葉です。

熱の病は、「手を以て湯を探るが如く」・・・

寒の病は、「人の行くを欲せざるが如く」・・・

譬えがとてもわかりやすく、何千年経っても人間は同じなのだな。と、

時代の差を感じさせませんね。

足の三里、陰陵泉、陽陵泉の使い方も書かれていて、

今後の臨床にとても役立ちそうです。

「霊枢」には、まだあと80篇ありますので、

講義は終わりましたが、この後の篇も興味が湧いてきました。

自分でも読んでいきたいと思います。


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九鍼十二原篇 ⑥

2013-09-21 22:07:26 | 学問

9月8日の静岡脉診医学研究会で、

久しぶりに「霊枢」の講義がありました。

黄帝曰く、願わくは五蔵六府の出づる所の処を聞かん。

岐伯曰く、五蔵五諭、五五二十五諭、六府六諭六六三十六諭。経脈十二、絡脈十五、凡そ二十七気、以て上下す。出づる所をと為し、溜るる所をと為し、注ぐ所をと為し、行る所をと為し、入る所をと為す。二十七気の行る所、皆五諭に在るなり。節の交、三百六十五会。其の要を知る者は、一言にして終わる。其の要を知らざれば、流れ散じて窮まりなし。言う所の節なる者は、神気の遊行出入する所にして、皮肉筋骨に非ざるなり。

今回は、経絡治療には欠かせない、五行穴の基本が書かれていました。

井榮兪経合(せいえいゆけいごう)は、本治法には欠かせません。

脉診、腹診などの診察(望聞問切)の後に、

主訴が、肩や腰にも関わらず、

まず先に、肘から手先、膝から足先のツボに刺していますよね。

あれが五行穴。(五要穴も含まれていますが・・・)

詳しいツボの名前は書かれていませんが、

節なる者は、神氣の遊行出入りするところ。

ツボは生きている!と言われますが、

確かに、反応のないところに刺しても効きませんね。

以下は、診察、診断、治療に関する注意事項が書かれていました。

其の色を睹、其の目を察、其の散復を知る。其の形を一にし、其の動静を聴き、其の邪正を知る。右はこれを推すを主り、左は持してこれを御し、気至れば而ちこれを去る。

凡そ将に鍼を用いんとすれば、必ず先に脈を診、気の劇易を視て、乃ち以て治すべきなり。五蔵の気已に内に絶え、而るに鍼を用いる者反って其の外を実するは、是れを重竭と謂う。重竭なれば必ず死し、其の死するや静なり。これを治する者輙ち其の気に反して、腋と膺とに取ればなり。五蔵の気已に外に絶え、而るに鍼を用いる者反って其の内を実するは、是れを逆厥と謂う。逆厥なれば則ち必ず死し、其の死するや躁なり。これを治する者反って四末に取ればなり。刺の害、中たりて去らざれば、則ち精泄し、中たらずして去れば、則ち気を致す。精泄すれば則ち病益ます甚だしくして恇え、気を致せば則ち生じて廱瘍を為す。

鍼の刺し方によっては、病状を悪化させることもある。と。

氣の去来を正しくとらえて、鍼の刺し、抜きをしなさいということです。

これは大変難しいことですが、

常に指先に意識を集中して、去来を逃さないように心がけています。

心に留めておきたい文章です!


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九鍼十二原篇 ⑤

2013-06-22 21:44:10 | 学問

今月の例会は、福岡に行っていたため、後日講義を録音で聞きました。

今回は臨床にとても重要な内容でした。

夫れ気の脈に在るや、邪気は上に在り、濁気は中に在り、清気は下に在り。故に陥脈に鍼すれば則ち邪気出で、中脈に鍼すれば則ち濁気出で、鍼大だ深ければ則ち邪気反って沈み、病益す。故に曰く、皮肉筋脈に各おの処する所あり、病に各おの宜しき所あり。各おの形を同じくせず、各おの以て其の宜しき所に任ず。実することなく虚することなく、不足を損じて有余益す。是れ甚病と謂い、病益ます甚だし。五脈を取るものは死し、三脈を取るものは恇う。陰を奪うものは死し、陽を奪うものは狂う。鍼の害畢われり。

これを刺して気至らざれば、其の数を問うなかれ。これを刺して気至れば、乃ちこれを去り、復た鍼するなかれ。鍼に各おの宜しき所あり、各おの形を同じくせず、各おの其の為す所に任ず。刺の要は、気至りて効あり、効の信は、風の雲を吹くが若く、明乎として蒼天を見るが若し。刺の道畢われり。

病には種類があり、それぞれ病のある場所が違うので、それを見極めて鍼をしなければ

かえって病を深くしてしまう。とあります。

また、刺す深さだけでなく、どういう形の鍼を用いるかも大切と・・・

私は開業当時、寸三、二番の銀鍼を使っていましたが、

年数を重ねるごとに、その方の体質や病により、もう少し細い鍼、太い鍼、長さも変えて使い分けるようになってきています。

「陽を奪うものは狂う」の文章を八木会長は、

陽は三陽経のことで、狂うとは、今でいう精神疾患や心身症、うつ病とも考えられ、

この考えを逆に使うと、このような疾患も改善していくであろう。と。

どういうことかといえば、陽を奪うから狂すのであるなら、陽を補えばよいのでは?と。

特に胃経の原穴、衝陽穴は?と。確かに胃経に反応の出ている方は多いように感じます。

「これを刺して気至らざれば、其の数を問うなかれ。」

この文章も実感しますね。

鍼をして症状が快方にむかった手ごたえがあっても、

余り早く施術が終わっては申し訳ないと、サービスに色々加えてしまいます。

来られる方のほとんどが、時間を長く施術する方が効果があると思われているようですが、

時間ではなく、内容なのですよね。

慰安的な気持ちよさを求められる方と、治す目的の方でとらえ方が違うのは仕方ないことですが、臨床家としては、負担を少なく効果が上げられることを目指します。

これからは、きちんと説明もしていくことも大切と感じました。

「効の信は、風の雲を吹くが若く、明乎として蒼天を見るが若し。」

施術の効果がはっきり出ると、本当にこの文章のような感覚を体感します。

身体が軽くなり、身体が動くので、

また無理をされ痛めてしまう。なんてこともありますね(^_^;)

こう読んでみますと、古典なのに古さを感じませんね。

この先も楽しみになります♪


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学術大会に参加して

2013-06-15 21:38:44 | 学問

6月7、8、9日の3日間、

(公社)全日本鍼灸学会 学術大会に参加してきました。

私が参加した目的は、大きく2つ。

ひとつは、

脳卒中リハビリテーションの革新を目指す促通反復療法(川平法)

の川平和美先生の講演を直接お聞きしたかったこと。

2つ目は、

首藤傳明先生の実技セッションとランチョンラミナーに参加して、

直接お話を聞きたい。と思ったからです。

川平先生は、昨年テレビ出演された時に初めて拝見しました。

脳卒中リハビリテーションに促通反復療法を取り入れ、

回復されていく患者さんを見まして、鍼灸師としても参考になることがあると思いました。

全ての方が対象になるわけではないようですが、

患者さんと術者の両方の意識と行動で変わっていくようです。

動画も拝見し、昨年のテレビ放送時より、更に進化していて、

振動を加えるのがポイント、とのことでした。

動画を見ただけで実際にすぐできるわけではありませんが、

後遺症のある方に、紹介できればと思います。

首藤先生は、経絡治療をされていますが、

超旋刺という刺鍼法を、動画で実技公開されました。

浅くても氣を感じて刺鍼することが大事。

それに加え、「上達のコツ」も紹介下さり、

やはり日々勉強しかない。との結論。

東洋医学だけでなく、医療全般、自分自身にも刺鍼し練習。

日々鍼をすることで、氣血の滞りを防ぐので、病にかかりにくいが、

鍼をしていないと、気が滞り、それにより血も滞り、腫瘍となる。

だから、自分に鍼をして病を遠ざけることが大事と。

また、壁にぶつかり、試行錯誤していくことが、成長につながる。

先生も40年かけて自信をつけてきた。と話され、少し希望がもてました。

他にも、色々なテーマの講義も受けましたので、

今後の臨床に役立てていきます。


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