朝鮮半島と中国と世界の動き

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米韓が恐れる「3つの切り札」3年後、50個の核爆弾保有の可能性

2017-04-23 20:18:33 | 政治


米韓両軍が恐れる北朝鮮の「3つの切り札」がある。核や生物化学兵器という「大量破壊兵器(WMD)」、韓国全土や、もしかしたら日本の一部をも混乱に陥れるであろう20万人に及ぶ「特殊部隊」、そしてソウルなど韓国各都市を火の海にする「長距離砲」の3つだ。
 
WMDだが、韓国国防省が17年1月に発表した国防白書(2016年版)によれば、北朝鮮は兵器用プルトニウムを50キロ以上保有している。北朝鮮の技術力があれば、プルトニウム4~6キロで核兵器1個を製造できるとみられる。

ヘッカー博士によれば、北朝鮮は年間約80キロの高濃縮ウランを製造する能力があるとみられる。博士は、北朝鮮が2020年までに計50個の核爆弾を保有する可能性を指摘している。V

Xガスによる金正男氏殺害で有名になった化学兵器も約25種類、計2500~5000トンを保有。ミサイルの弾頭にするほか、野砲や航空機を使った攻撃もできる。
 
また、1000発以上の弾道ミサイルを保有。うち85%が主に韓国を攻撃する短距離のスカッドだが、約200発を保有するノドン(射程1300キロ)は日本と在日米軍を、約40発を保有するムスダン(射程3000キロ以上)は米領グアムを攻撃する兵器とされる。
 
韓国は、北朝鮮による攻撃の兆候が出たときに先制攻撃する作戦「キルチェーン」と韓国独自のミサイル防衛(MD)システム「KAMD」で対抗しようとしているが、完成は早くても20年代初めとされる。
 
米韓は、高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD」を今年前半にも韓国に配備し、日米のイージス艦搭載の弾道ミサイルを迎撃するミサイル「SM3」や低高度で迎撃する地対空パトリオット誘導弾などで対抗するが、

あくまでも「相互確証破壊理論」に基づいた抑止力用兵器であり、北朝鮮の全ミサイルを撃ち落とせるわけではない。北朝鮮のWMDを弾頭にした弾道ミサイルが1発でも命中すれば、甚大な被害が出ることは避けられない。

週刊ダイヤモンドからの引用記事

全面戦争に備えた動きがなければならない

2017-04-23 08:32:38 | 政治



ティラーソン、あるいはトランプ政権はいかなる対北朝鮮政策を考えているのでしょうか。
 

ティラーソンは韓国訪問中、戦略的忍耐の時代は終わった、あらゆる選択肢が排除されない、と述べました。ただ、いかなる選択肢が北朝鮮の核開発に歯止めをかけられるかは明らかではありません。
 

社説は、北朝鮮とビジネスをしている中国企業を米国の金融システムから追放することを選択肢の一つに挙げています。しかし、中国が北朝鮮に厳しい経済制裁を課すことは考えられません。

社説はまた、北朝鮮による次のミサイル発射を迎撃するという選択肢があると言っています。もし迎撃すれば北朝鮮は黙っていないと思われ、何らかの報復措置を取る危険があります。他方、迎撃したとしても、北朝鮮が核、ミサイルの開発を止めるかどうか疑問が残ります。
 

朝鮮の核開発を止めさせることは、極めて重要で困難な課題です。その手段によっては、北朝鮮が報復措置を取り、事態がエスカレートする危険があります。基本的には北朝鮮に対して抑止が効くかどうかという問題です。

北朝鮮に対する新しい選択肢は、朝鮮半島、東アジア、ひいては世界の安定の大きな波乱要因となり得ます。日本としても重大な関心を持つべき問題で、今後トランプ政権がどのような検討をするのか細心の注意を払ってフォローするとともに、直接の利害関係国として、米国と密接な協議を行うべきです。

ウェッジからの引用記事


全面戦争を避けるはずが、北が「全滅覚悟」で打って出る恐れも

2017-04-23 04:12:32 | 政治


北朝鮮が米国の警告を無視し、6回目の核実験や大陸間弾道弾(ICBM)の発射に踏み切ったらどうするのか

トランプ米大統領らは繰り返し、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と語っている。米韓関係筋の1人はこう語る。「都市攻撃ということはないが、facility(施設)への攻撃は検討されている」
 
北朝鮮側はどうか。金正恩委員長は11日の最高人民会議に出席したのに続き、13日には外国メディアも集まった平壌・黎明通りの竣工式典に、そして15日の軍事パレードでは詰めかけた平壌市民ら群衆の前に姿を現した。一見無防備にも見えるこの姿勢は、「対話」を模索するためのポーズとみられる。となれば、朝鮮半島の危機は、当面、避けられる見通しが高いと考えられる。
 
だが、正恩氏の基本政策は、経済改革と核保有を同時に進める「並進路線」であり、北朝鮮市民は「核保有なしには生き延びられない」と徹底的に教育されている。駐英公使を務め、韓国に亡命した太永浩氏が語っているように、正恩氏は決して核を放棄しないだろう。
 
今回、危機を脱して対話が始まっても、どこかで必ず行き詰まる時が来る。では、そのとき、日米韓は力ずくで北朝鮮を屈服させることができるのか。
米国はある程度、北朝鮮の核関連施設の位置を把握しているとされる。2010年11月に米国のヘッカー博士が寧辺(ニョンビョン)にあるウラン濃縮施設を訪れたとき、米国は西位里(ソウイリ)や亀城(クソン)近辺の、少なくとも別に2ヵ所のウラン濃縮施設があることをつかんでいた。
 
また、米韓両軍は戦時にたたくべき、北朝鮮の舞水端里(ムスダンニ)や東倉里(トンチャンニ)にあるミサイル発射場や新浦の潜水艦基地など、約500ヵ所に及ぶ軍事拠点の座標軸を巡航ミサイルなどにインプットしているという。トマホーク巡航ミサイルのほか、米軍の誇るB2爆撃機やF22ラプター、F35などのステルス機を使えば、いくら高性能レーダーや高射砲などでハリネズミのように武装した北朝鮮とて、相当な被害は免れない。
 
ただ、それで北朝鮮を本当に沈黙させることができるかといえば、答えはノーだ。北朝鮮は、朝鮮戦争を教訓に、全土を細かく区分けし、それぞれに通信や食糧、医療、戦闘など最低限の機能を持たせ、国土が寸断されても独自に抗戦できるようなシステムを作り上げている。
 
別の米韓関係筋によれば、米国は1990年代の第1次朝鮮半島核危機の際に寧辺核施設への限定爆撃を検討したが、その際に北朝鮮の反撃を封じるために叩くべき攻撃目標が計2000ヵ所にも及んだという。
 
北朝鮮もできる限り、全面戦争は避けようとするだろう。平壌に住む特権階級の人々は、北朝鮮が存在してこそ自分たちの特権が維持できるという現実をわかっている。米国が先に手を出しても、国家としてのメンツを保つのに必要最低限の反撃にとどめようとするだろう。しかし、米国がそれに反撃し、果てしなくエスカレートしていけば、北朝鮮も最後は全滅覚悟で戦争に踏み切る可能性がないとは言えない。

週刊ダイヤモンドからの引用記事
 

戦略的忍耐の時代は終わった

2017-04-23 03:04:15 | 政治



ティラーソンが、北朝鮮の核開発を阻止しようとした過去20年のアプローチが失敗であったというのは正しい判断です。


米国は1994年の枠組み合意をはじめとして、北朝鮮の核開発を阻止すべく、六か国協議などいくつもの働きかけを行ってきましたが、いずれも成果を上げられませんでした。
 

北朝鮮に一番影響力を持っているのは中国であり、米国は機会あるごとに中国が北朝鮮に圧力を加えて核開発を中止させるよう要請しましたが、中国はこれに応じませんでした。


中国が北朝鮮に対して持っている梃子は、食料、石油の供給を大幅に減らすか、中断することですが、中国はその結果北朝鮮体制が崩壊して、国境線まで親米政権が拡大すること、

また大量の難民が中国に押し寄せるおそれからこれを望まず、この梃子を使いたがりません。逆にそれを知っている北朝鮮が、いわば中国に対して梃子を持っているのが実情です。

ウェッジからの引用記事