緑のカーテンとゴルわんこ

愛犬ラム(ゴールデンレトリバー)との日々のあれこれと自然や植物、
本や映画などの勝手な独り言を書き留めています

コンサート

2008年07月15日 | 音楽・コンサート
13日の日曜日に、久しぶりにコンサートに行ってきました。
昨年、大きな手術をして以来、なかなか体調が戻らず、外出もあまりできずにいました。友人たちとも会うことができず、ときどき「元気?どうしてる?」とメールで様子を聞いてきてくれるのに返事するのが精一杯でした。

手術から1年経ち、やっと心も身体も少しずつ復調してきて、外に出かける元気も出てきました。ちょうどそのときに、行ってみたいコンサートがあり、会場も京王新線の初台、東京オペラシティーだとのことなので、家から近いので、友人3人を誘い、出かけてきました。

「夢にいちむじん」というタイトルのそのコンサートは、「いちむじん」というクラシックギターの男性デュオと、テノール歌手の川瀬幹比虎さんと演奏家川瀬葉子さんご夫妻のとてもアットホームなコンサートでした。クラシックギターの素晴らしい演奏、チェンバロの心震わす音色、そして心の奥深くをわしづかみにするような川瀬氏の歌声、この場にいられてよかった、思い切って友達を誘い、ともに感動に浸れて幸せ、そんな思いで一杯でした。

川瀬氏の歌声の素晴らしさは、少し前に地元の小さな教会のミニコンサートで聞いていて知っていたのですが、「いちむじん」(高知弁で<一生懸命>という意味だそうです)のギターを聞くのは初めてです。クラシックギターでこんなバラエティに富んだ音色、演奏ができるのかとびっくりしました。「禁じられた遊び」「アルハンブラの思い出」くらいの知識しか、クラシックギターにはありませんでしたので。
中でも、ギター演奏のために作曲された「夜更来変奏曲」と、武満徹作曲の「不良少年」は特に素晴らしく、終わったあとで、友人達となんであの時、立ち上がって拍手しなかったんだろうと反省をしてしまったくらいです。
小さなご縁からこのコンサートに参加させていただき、心からの感動を味わうことができ、とてもいい一日でした。そして、病から立ち直って、また友人達と楽しいおしゃべりとおいしい食事ができたことにも感謝しました。「去年の3月以来だね、新宿で一緒にランチして、あのとき、あなたは紺色のスーツを着ていたのよ。また、こうして会えるようになって本当によかったね」と友人に言われ、1年以上も心配をかけたけど、この日が与えられたことですべて帳消しにしてもらえる、そして「またあちこちに一緒に出かけようね」という友人の言葉に、素直に喜べる自分にとてもうれしい思いでした。

帰宅してから、ラムパパに「よかったよ」と感動して話していたら、東京オペラシティーは今は亡き武満徹さんが総合プロデューサーとして関わったところだと教えられました。
昔、昔、新宿西口の小さなバーで川喜多和子さんたちと武満さんが飲んでいる席に同席させてもらったことがあります。小柄なシャイな感じの、世界的な音楽家なのに少しも偉ぶることのない、魅力的な方でした。和子さんと一緒に「我々は中卒仲間だから」と言って、笑っているお顔を思い出します。日本の高等教育を受けていたら、和子さんも武満さんも生まれなかったのかな、中学卒業だけでよかったなと、なんだかうれしく思っていた若い私がいました。
そして素晴らしい音楽を残してくれて、病を経た私にまた生きていることの素晴らしさや感動を与えてくださったことに心からお礼を言いたいです。


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2 コメント

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コンサート (るるべるママ)
2008-07-19 15:24:26
素敵なコンサートと、お友達とのデイナーと
おしゃべり、楽しい夜を過ごされて良かったですね。確かに“病”は、自分自身に降りかかってみて、やっと日々の健康のありがたさが
分かるのかも知れませんね。

ラムママさんの交友関係は、世界が違い
ますが、素敵な方達ばかりで、驚きます。

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るるべるママさんへ (ラムママ)
2008-07-20 15:43:09
去年一年の大変だった日々を思うと、夢みたいに幸せな一日でした。
人と感動を分かち合うって素敵なことですね。
前の席で、ギターの響きに涙をぬぐう老齢の女性の姿に、あー何歳になっても感動する場を与えられていることは素晴らしいことだなと思いました。

昔、映画の図書館みたいなところで働いていたので、なんだかだとお名前が有名な方とお知り合いになりました。交友関係などというものではなく、その他大勢の端っこの席に座られていただいていただけですが、本物を見られた(ミーハーです)のは、超ラッキーでした。きれいな女優さんにも会えましたし、大好きだったポーランドの男優さんには、役得でサインと握手までしてもらいました。いまだにそのサインは寝室に飾ってあります。ラムパパ、ごめん。
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