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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ルターの通奏低音

2016-02-12 03:09:29 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
恐怖政治と正しいこと
  ローマカトリックは、縦の関係を横の関係に繋ぎ止める役割を上手に定式化することができました。 Young Man Luther 『青年ルター』のp181の下...
 


 

 大人と子どもの関係を支配する正義は、大人が身勝手に、気分次第で変更する時、恥だけではなくって、なかなか消すことのできない疑いも、子どもの心深く植え付けてしまっていることを、忘れない方が良いことです。

 今日は、Young Man Luther 『青年ルター』、第Ⅷ章 終章(エピローグ)のp.256の、第2パラグラフの、最後の行から。

 

 

 

 

 

 ルターは、どんなレベルにおいても、子どもの頃から、青年期を経て、大人に至るまで、いいえ、人生のどの時期においても、簡単に解消されますよ、などということに同意するような人物ではありません。ルターが、直情的に、あるいは、直感的に記述することが多かった、様々な文書は、生涯にわたる情緒的課題と言う通奏低音として、子どもの頃の葛藤を、クッキリと奏でているのです。ぼ

 

 

 

 

 

 ルターが、母親に十分に甘えることなく、母親から引き離されてしまったことは、生涯に渡る情緒的な課題を残してしまいました。ルターは、いわば、ある種のマターナル・デプリベイション maternal deprivation 「母性剥奪」だったわけですね。あるいは、ある種の愛着障害でしょう。始めは、抑制タイプで、宗教改革期以降は、脱抑制タイプかもしれません。

 いずれにしろ、赤ちゃんの頃に、母親に十分甘えることが出来なかったことは、解決不能な発達トラウマを、その人に生涯残すことのなることを、私どもは覚えておきたいものですね。

 

 

 

 

 

 

 

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