エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

『じぶんだけの いろ』 あなたは何色?

2015-12-04 05:36:58 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
生死を決する分かれ道
  科学技術はいくら役立つモノでも、所詮技術。ガンディーのような指導者に、無垢で無私な指導者に従って生きたいものですね。 p227第2パラグラフ。&nbs...
 

 「遊びのおばさん」のなりたい、と言う2年生の女の子。「どうやったら、『遊びのおばさん』になれるの?」という問いに、どう応えるのか? それは、簡単なことではありません。ヒルマンの言葉を、直接言ったんでは、まだまだ、理解できないことでしょう。「元型」、アーキタイプとは、心理学を学んでいても、特に日本人には馴染みがありませんから、分からない人の方がむしろ多いんじゃぁないかしらね。まして、子どもに元型と言ったって…

 元型は、アーキタイプですから、「最初の形」です。「はじめに言葉があった」の「始め」です。日本の時間は、加藤周一さんによれば、初めも終わりもありません(『日本文化における時間と空間』)。ですから、「始め」を想定することは、日本人には、「想定外」なんですね。

 「何か良い絵本がないのかなぁ?」 それで思いついたのが、大好きなレオ・レオニの『じぶんだけの いろ』。「遊びのおばさん」になるには、まず、その女の子が「じぶんだけの いろ」を生きなくてはなりません。なぜなら、人は「じぶんだけの いろ」を生きられないことが、あらゆる心の病の根っこにあるのですから。セラピーやカウンセリングは、ですから、その人が「じぶんだけの いろ」を生きられるようにお手伝いをすることなんですから。

 でも、この絵本を渡しただけでは、足りない感じです。そうだ、この絵本を読み聞かせてあげよう、ってわけですよ。すると、絵本の味わいがぐっと深まりますからね。絵本は、大人が子どもに読み聞かせるものだからです。絵本は、なによりも、「声の力」を頼りのしているからなんですね。

 ですから、あの女の子に、『じぶんだけの いろ』を読み聞かせてあげよう、ってことになりましたよ。

 

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