エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

自分の感じに基づいて行動ができない場合

2015-09-25 05:33:08 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 自分を笑うユーモアセンスは、真の自由の始めです。

 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』p77の第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 でもね、こういったことすべてが、遊びの時期のinhibition インヒビション、「やり取りの中で、自分の気持ちを出しちゃダメな感じ」がinitiative イニシアティブ、「やり取りの中で、自分の感じに基づいて、行動を始めてもいい感じ」の対になる、逆の感じです。このinhibition インヒビション、「やり取りの中で、自分の気持ちを出しちゃダメな感じ」は、とても≪陽気で楽しい≫し、想像力豊かな、私どもの人間にとって、必要な対なんですね。しかしながら、このinhibition インヒビション、「やり取りの中で、自分の気持ちを出しちゃダメな感じ」は、のちのちの心理神経学的にいろいろある障害の、中核的なビョーキの症状になることも確かなんですね。そのいろんな障害は、ヒステリーその他もろもろ、エディプス期の、折り合いがつかずにいる舞台に根っこがあんですね。

 

 

 

 

 愛着障害の子どもでも、悪さをさんざんするタイプと、静かに「いい子」を演じているタイプがあります。悪さをする方が、inhibition インヒビションじゃないタイプ、静かに「いい子」を演じるタイプが、ここでエリクソンが言うinhibition インヒビションのタイプですね。

 以前に、アメリカの「愛着・トラウマセンター」(The Attachment and Trauma Center of Nebraska)所長のデボラさんが、「愛着障害の子どもを、子どもの頃に治療しないと、大人になってから深刻な問題に直面することになりますよ」と教えてくれたことを、このブログでもご紹介したことがありましたね(子どもの日常生活に、「平和」を!!)。エリクソンは、子どもと誠実に向き合う中から、そのことを半世紀も前からハッキリと捉えていたことになります。

 

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