エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ : 「美しい」原節子さん 見えないところが滲み出る不思議  増補版

2016-04-23 12:40:20 | 聖書の言葉から

 

 

 
一番大事なことを見落としている不安
  アイデンティティ、自分を確かにさせることは、この世の栄華においては、出来ない…。 Young Man Luther 『青年ルター』p194の...
 

 

 

 原節子さん、NHKで、デジタル修復した映像を何本か見ました。「伝説の女優」などと呼ばれるらしい。

 原節子さんは、自分の出番が終われば、撮影スタジオから帰る人が多いのに、他の俳優たちが演じる姿をじっと見続けていた、とカメラマンの原一民さんが証言していました(「クローズアップ現代」)。

 その、人からは見えないところでの生き方が、映画のスクリーンに滲み出ていますね。

 

 

 

 演じることは、≪本当の自分≫を見つけること?で、ティナ・パッカーさんが「皆さんがその役そのものでなるのでして、自分の中にその役を見つけなくっちゃね。」と仰るように、原節子さんも、真摯に自分と向かい合って、役を見つけ出していたからこそ、その匂い立つ風が、スクリーンからも、立ち現れるのだと、感じますね。

 

 

 


 

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人の立場になれる子に育てるためには

2016-04-23 07:33:48 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
倫理的想像力とパレーシア
  倫理的想像力。聴いたことがありますでしょうか? この言葉はいろんな人が言っているのかもしれませんが、私は大江健三郎さんがおっしゃる意味で、倫理的想像力を鍛...
 

 脳が発達するためには、遊びが必要です。最近のニッポンの学校は、遊びが少なすぎますから、脳があんまり発達してないことになりますよね。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.239の 第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 さらに、我が国の教育制度と、関係性の重要性を社会がおしなべて蔑ろにすることは、共感が育つことに水を差しています。言葉と同様、共感も人類にとって根源的な能力ですね。共感は、人間とは何かを定義するのに役立つ能力でもありますね。しかし、言葉と同様、共感も学ばなくてはなりません。ふつう、言葉も共感も、子どもの頃に身に着けるものでしょ。でもね、コナーやレオンの話が示す通り、共感の発達と、共感の発達に依存している対人関係のスキルは、まわりからの大事なやり取りが必要です。

 

 

 

 

 

 共感。人の立場に立てる子に育てたいと思ったら、その子が子どもの頃から、その子の立場にあなたが繰り返し立てなくっちゃね。

 

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劇場のセラピー?

2016-04-23 06:06:37 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
心病む人が増える時代の雰囲気
  器官の発達が、人間関係の発達にも繋がります。 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p31の第3パラグラフから。...
 

 

 演じることが自己発見の方法だ、というのは、新しい視点でしたね。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第20章 Finding your voice : communal rhyhtms and theater「自ふんの声を見つけてね:共通のリズムと劇場」p.333のから。

 今朝は、エピグラフの後。

 

 

 

 

 

 

 私が知っている科学者の多くは、子ども達の健康問題に触発されて、心と脳とセラピーに関する新しい理解の仕方を見つけました。私の倅が不思議な病気、適当な名前がないものですから、慢性疲労症候群と呼んでいますが、その病気から回復したこおかげで、場が持つセラピーの可能性について確信を持ちましたね。

 

 

 

 

 ヴァン・デ・コーク教授の息子さんが、どんな病気になり、劇場のセラピーでどうやって回復したのか、知るのが楽しみでね。

 

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発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達の、できそこないな自分

2016-04-23 02:08:06 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
倫理的想像力とパレーシア
  倫理的想像力。聴いたことがありますでしょうか? この言葉はいろんな人が言っているのかもしれませんが、私は大江健三郎さんがおっしゃる意味で、倫理的想像力を鍛...
 

 

 

 今晩も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の22日目。

 今晩は、 「発達トラウマ障害≒愛着障害の証拠」の章の11日目。発達トラウマ障害≒愛着障害の診断基準D.2。です。

 

 

 

 

 

     D.2.否定的な≪本当の自分≫の感じがずっと続くこと。自己嫌悪、寄る辺なさ、自分には価値がない感じ、ダメだぁという感じ、できそこないな感じも含まれます。

 

 

 

 

 

      NCTSN(国立子どもトラウマ・ストレス・ネットワーク)の臨床医たちの調査によれば、発達トラウマ障害の子ども達の大部分は、否定的な自己イメージを持っています。CCTC(シカゴ子どもトラウマ・センター)のデータによれば、発達トラウマ障害の子ども達の中には、診断基準D.2.の(否定的な≪本当の自分≫の感じがずっと続く)出来事があります。自尊感情、自己信頼、自分には値打ちがあるという感じの、それぞれの弱さが、発達トラウマ障害のない子ども達にある20番目の症状に比べれば、3倍も多いとされてもいます。発達トラウマ障害の子ども達は、また、他のトラウマに晒されている子ども達に比べて、≪本当の自分≫に対して歪んだ認知をしている場合が多いとも、報告されています。この≪本当の自分≫に対する歪んだ認知には、否定的な自己イメージと否定的な自己評価、ダメだぁという気持ち、恥ずかしい感じ、あるいは、自分はまともじゃないという感じや、自分はできそこないだという感じが含まれます。他の出版されたデータも同様な知見を報告しています(フィンツィ、ラム、シュニットら、2001; トゥース、チチェッティ、キム、2002)。

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達の尋常ならざる自己評価、自己信頼の低さが分かりますよね。子どもは、繰り返し親に相手にされないず、相手にされるのは「宿題やったの?」「早く寝なさい」などと言われる時くらい、というような、ネグレクトをされたり、打たれたり、ひどい言葉を言われたりする虐待に、毎日晒されていると、いかに、自己評価、自己信頼が低くなるのかが分かりますでしょ。

 

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