忙中閑話

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沖縄・仲井真知事の面白さ&おかしさ

2013-12-28 | 随想
 どうもこのところ政治がらみの話題に事欠かない。

昨日、沖縄県の仲井真知事が懸案だった辺野古沖の埋め立て申請を許可した。これに
ついて知事は県外移設を主張していたのに公約違反だとして怒りの声をあげている県民
も多い。

だが個人的にはこの知事の今までの言動から見て恐らく許可をするだろうと見ていたので驚きはない。
数日前の新聞記事に許可および不許可の書案作りを関係部署に指示しているとあり、いかにも
政治的決断に逡巡しているような姿勢を見せていたがこれもポーズと見た。果たしてその通り
となった。おそらく多くの人もそう思っていただろうと思う。


沖縄の置かれた微妙な立場は理解できる。観光や農業のほかにこれといった産業はなく
資源もない、基地は困るがさりとて基地がなければ経済が回らない。知事はこれらを
巧みにバランスを取りながら県政をとらねば立ち行かない難しいポストではある。

仲井真知事のおかしさは前述の逡巡のような見え透いたポーズをとる事だ。一度は
辺野古への移転に合意しながら、民主党・鳩山内閣の最低でも県外移転という主張に
乗って県外移転に転換、その後鳩山氏が県外移転先を見出せずに辺野古移設に舵を戻す
と鳩山氏との面談も拒否するといった居丈高な対応を取っている。それが今回は沖縄
振興の交付金といういわゆる"人参"をぶら下げられただけであっさりと認可してしまった。交付金以外の"人参"については米国の了承が必要であり殆ど口先だけの空約束、
実現不可能であることが明白にも拘わらずにである。

鳩山氏の"坊ちゃん政治"に翻弄されたようで気の毒な気もするがそれ以前から風見鳥の
ような姿勢はまるでモグラのように見えておかしかった。モグラは時々地上に顔を出して
周りの空気を読む。だがよくよく考えるとそれは漫画での話でモグラは昼間は地上に出ない。従って例えるとしたらモグラよりプレリードッグか。

プレリードッグは北米大陸のプレリー(大草原)に生息するリス科の小動物である。地下に巣穴を
掘って暮らしており、食事のために巣穴から出る時は見張り役が後ろ足と尻尾で立ち上がって
背伸びし周囲を警戒する。その姿がこの仲井真知事の政治姿勢に重なる。

ただプレリードッグは蛇などの威嚇しても接近してくる相手に対しては攻撃することは
あるが
鳩山内閣の時の対応のように相手を見て弱いとみるとマスコミに同調して攻撃するといったよう
なことはしないようだ。

そういう意味ではプレリードッグとも違う。
観客の受け具合を見ながら右往左往しているピエロのようでもある。


ところで辺野古移転の話は沖縄の人には申し訳ないが現実路線の最良策であり已む無しと思う。
どう考えても沖縄が戦略上最高の地理的位置にあることは疑いない。そして辺野古周辺が国内で
唯一漁業権等の地権者がおらず用地買収が容易であるという。


もともと普天間基地の問題は、米兵の幼女への性的暴行とそれに対して日本側に逮捕権も
裁判権もないといういわば治外法権的な地位協定に県民の怒りが爆発して暴動が起きたことに
発していると記憶している。
その後これを契機に地位協定は見直しされて、証拠が揃って起訴されれば身柄が日本側に
渡されるとともに裁判権も日本側に移る旨改定されたようだ。

だが、数年前に米軍の女性事務官だったと思うが彼女が引き起こしたひき逃げ死亡事件では
被害者の救命処置をせずに逃げたという極めて悪質な事例にも拘わらず日本側は手出しが
できないという信じられないことが起こっている。通勤時にしかも基地外で起した事故だ
というのに公務中の案件は裁判権は米側にあるというのが地位協定である。緊急時なら兎も角、
平常時の普通の通勤時なのである。その後彼女は米側の裁判で執行猶予付きの極めて軽微な判決
だったと聞く。まさに"基地外"でなく"気違い"沙汰であろう。
こんな不条理な地位協定を改定することこそ先決ではないだろうか。


そしてもう一つ話は逸れるが、辺野古周辺の土地を小沢一郎氏が購入していたとかで一時問題になった
ことがあった。その後どうなったのか、マスコミはもう少し詳しく追求し報道して欲しいものだ。

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