忙中閑話

四季の移ろい、花鳥風月を楽しみつつ
趣味はミニチュア木工、電子工作、旅行など

白馬・青鬼(あおに)の”カミツキガメ”

2014-06-05 | 旅行
 今年も先週23~25日にかけて信州へ行って来た。
遠くには頂に雪を被ったアルプスの山々、眼下の里は新緑の若葉という組み合わせが
何ともいえず毎年この時期に飽きもせず訪れ続けており、かれこれもう10年以上にも
なる。

本当のところは、桜、桃、コブシの花など平地では開花時期が異なる樹木が一斉に咲き乱れる5月の連休あたりが最高ではある。宿の空き具合などの都合で去年あたりから
少しずらすようにしたのである。

毎年、雄大な景色を眺めながらのんびりした時間を楽しんでいるのだが今年は白馬にある青鬼
(あおに)集落で嫌な経験をしたため旅の思い出が台無しになった。

青鬼集落は白馬駅から車で20分くらいの所にあって、姫川から100m位登った
高台にある戸数20軒ほどの集落である。昔は戸隠から白馬に抜ける街道筋だったと
いう。正面の谷間に白馬連峰が広がり、最近隠れた観光名所になって訪れる人が増え
ているようである。

観光客が増えて、田の畦に勝手に入り込んで土手を荒らすのだろう。今年はとうとう
観光客が入り込みそうな場所の入口が木の柵やスキーのストックに釣り糸のテグスを
張ったものでブロックされていた。

【マナーを守った観光客】



【青鬼からの白馬連峰の眺め】


上の写真をカメラに収めたあと、坂道を集落の方へ下って行く途中で事件が起こった。

写真に写る棚田の先端の田圃(水を張っていない)はちょうど岬のように突き出して
いて両側は石垣になっている。
石垣の上部が先の方までコンクリで平に固められていて、石垣が始まるところから2m
位行った先に木の柵がしてあった。
(拡大するとこれ)


木の柵には「この先立ち入り禁止」と書いた板が打ちつけられていた。普通、「この
先…」とあればそこまでは大丈夫と理解する。ましてやコンクリであり土手を荒らすこ
ともない。田圃ののり面である土手はこのコンクリとは別にある。
と、深く考えもせずに柵のところまで行って引き返したところで坂道の下から上がって
来た住民と思しき若者に激しく叱責された。多分昼の休憩を家で過ごし田仕事に戻って
来たのだろう。

ただ注意をするといったものでなくいきなり激しい剣幕でかみついてきた。
畦に立ち入らないようにとの注意書きがあっただろう。見てないのか。といった激しい
口調で始めから喧嘩腰なのである。

残念ながら当方は石垣の所の分岐を直に上って来たので石垣の反対側にあるという注意
書きは見ていない。

落ち着いて考えると、柵が入口から2m位先にしてあるというのは、石垣から上れ
ない高さのところなのだろうとは予想がつく。田圃の入口に柵をすると石垣を上って
入り込む不届き者がいるためなのだろう。それにしても「この先立ち入り禁止」の
表示は紛らわしい。


青鬼は景色が素晴らしく何度行っても心が洗われる想いがしていた。
数年前には年配のお婆さんと話を交わし、子供のころに麓の小学校まで長くそして
標高差がある道を毎日歩いて通っていたことなどを伺って心を癒されたこともある。
そしてまた、トラクターで代掻きをしていたところを白馬をバックにして写真に
収めさせてもらったこともあるがその時は全く嫌な顔をされることもなかった。

だが、今回の件で一度に熱が冷めた。観光客が増えるにつれ住民の心情も変わった
ようである。

数年前から集落の入口の駐車場には募金箱が設けられて協力金(\500)が集められる
ようになった。(管理人はおらずあくまで任意だが)


同じような風景なら、大出公園の眺望で済まそう。


さらに足を延ばすなら鬼無里(きなさ)から大出に抜ける峠道からの白馬の眺望が
これまたお勧めである。