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ローマ風呂

 
フランスMBA留学生活最後の日曜日は、ちょっと車で遠出してローマ風呂へ行くことにした。ローマ風呂といってもイタリアにあるわけではなく、フランスにある温泉スパのことだ。内装が古代ローマ時代の公衆浴場のようになっているので、ローマ風呂と呼ばれている。

今回の目的は、ATR社での勤務を無事終えて日本に帰る前に、一度心身をリフレッシュさせることにある。噂によると屋外の温泉も併設されているとのことなので、「おっ!露天風呂かぁ!」という感じの軽いノリで昨日行くことを決めた。温泉なんて日本に帰ればいくらでも行けるのだけど、ヨーロッパの温泉を体験してみるのも悪くない。

受付で入場料を支払った後、早速僕は水着に着替えた。ここは日本ではないので、温泉に入るのにも水着着用が必須になる。裸で入ったら、たぶん警察行きになるだろう。日本に帰る3日前になってそんな事態だけは避けなければならない。

期待に胸を膨らませながら中へ進むと、係りの人が2名ほど待機していて、まず足を洗えという。足湯でもあるのかなと思ったのだけど、そんな素敵なものはなく、ただの温水シャワーを足にかけるだけだった。ちょっと期待はずれだ。

さらに中に進むと、次のコーナーは全身への温水シャワー。通路を通り抜ける間ずっと全身に温水が降り注ぐ感じだ。これは意外と気持ちいい。しかし、よく考えたら普通に家でシャワーを浴びるのと大して違いはない。こんなもので満足していては30ユーロの価値はない。

全身にシャワーを浴び終わったので先へ進むと、最後のコーナーとして消毒液のような小さなプールがあった。ここを通り抜ければいよいよ温泉に入れるらしい。でも、なんか小学校のプールに来た感じがしないでもない。シャワー+消毒液のコーナーが続いているのだ。

理由はすぐに分かった。ここは温泉というよりも、温泉のようなプールなのだ。ガラス張りの天井から降り注ぐ太陽の下、ぬるま湯に長時間浸かりながらゆっくりと時間を過ごすための施設だ。体を洗うスペースもなければ、湯船もない。あるのは派手なプールとその中を水着を着てプカプカ浮いているヨーロピアン達だ。

面白いのは、この温泉プールの中には流れがあって、これにうまく乗っていくと屋外の温泉へとそのまま行けることだ。つまり、屋内温泉プールと屋外温泉プールが繋がっているのだ。一度も水から上がることなく、出たり入ったりすることができる。

屋外の温泉プールがまた気持ちいい。仰向けになって寝転がると、ちょうど太陽が正面に見え、目を閉じても光が目の奥底にまで届いてくる感じだ。風は少し冷たいのだけど、太陽の光の温かさと交じり合って、なんとも言えない心地よさを僕に提供してくれている。とてもぜいたくな時間と空間だ。これなら30ユーロ払ってでも体験する価値はある。

しかし、僕の本来の目的はローマ風呂を体験すること。屋外は気持ちがよいのだけど普通の温泉プールであって、ローマな雰囲気は一切ない。周りを見回すと、「ローマ風呂はこちら」(フランス語)という看板を早速発見。僕はすぐに水から上がってローマ風呂へと直行した。

ローマ風呂は思ったよりも小さくて、大人が10人も入ればいっぱいになるくらいの広さだ。古代ローマ人が本当にどんなお風呂に入っていたのかは僕は知らないけど、これがローマ風呂だとするならば、彼らはギリシアのパルテノン神殿のような空間で入浴を楽しんでいたことになる。しかも、変なエレファントの置物があって、その象の鼻からお湯が出ている。古代ローマで像は人気者だったのだろうか。ライオンの口からお湯が出る姿はイメージしやすいが、像の鼻からお湯がでるのは僕的にどうもしっくりこない。

上のほうを見ると、サルなのか、それとも、ゴリラなのか、よく分からない熱帯雨林系の生き物が座っている。もちろん石像なのだけど、なぜかあぐらをかいて瞑想に耽っている。修行中の身なのだろうか。あまり愛想のいい空間とは言えない。

ローマ風呂、日本にはない世界を見た感じがして、なかなか良かったです。

(写真は本物のローマ風呂のイメージ。僕が行ったのはフェイクだったようです。)
  
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
私の記憶が定かなら ()
2007-10-30 13:39:06
湯船に浸かる・・・というより、蒸気風呂(サウナ?)みたいな感じだったと思います。
体を洗い流すスペースはあったと思いますが。
また、当然、水着などなくマッパです。
 
 
 
ちなみに ()
2007-10-30 13:44:45
ゴージャスな内装はそのままで(有名なのは本家ローマのカラカラ浴場)、お風呂だけでなく、図書館やゲームコーナーなどもあったようで、「健康ランド」のような感じか。

今では美術館を飾っているローマ時代の彫刻なんかも、お風呂の周りをぐるっと囲んでいた彫刻の一つだったかもしれません。

大都市の豪華浴場は、ローマ皇帝や貴族なんかの寄付で建てられていたようです。
 
 
 
最後の最後に (O塚)
2007-10-30 15:56:57
ローマ風呂とは、良いですね。
(つ)さんのご指摘通り、ローマ風呂のメインはスチームサウナで身体を温め、汗を流していたと思います。その他に、温水風呂と冷水風呂があり、身体を洗ったり、サウナで温め過ぎた身体を少し冷やしたり、ということをやっていたようです。
古代ローマ人にとって、風呂は男女ともに日常生活に欠かせないもので、時間を分けて男女別々に入浴していたとのこと。
映画「ベン・ハー」などにもローマ式の浴場が出てきます。
ところで、象の置物の話ですが、象はラテン語でカエサルだったような気が・・・。
かの有名なガイウス・ユリウス・カエサルの「カエサル」という家門名は、昔、祖先がフェニキア人との戦争で戦象を捕まえた(仕留めた?)功績を称えて、綽名として与えられたそうです。
 
 
 
温泉 (美砂)
2007-10-30 17:36:44
フランスMBA留学生活最後の日曜日がローマ風呂とは粋ですね!それとも、洗い流してしまいたいことでもあったのでしょうか・・・。

でも、最後まで楽しまれて過ごされる姿勢が素敵ですよ。

日本へ戻られたら、温泉につかるなどは忙殺されて夢の又夢かも知れませんよ。どうぞ、今のうちにゆるりとした時間を過ごされている事と思っておりますが、当然に荷物と格闘されているのではと。

ところで、このブログは日本へ戻ってきたらどうなるのですか?

一応確認まで・・・。

 
 
 
ローマ風呂 (Aerospace MBA)
2007-10-31 10:31:51
>つ さん
コメントありがとうございます。
なるほど、ローマ風呂はミストサウナだったんですね。勉強になります。世界史の時間にローマ市民は「パンと見せ物」を要求したと習いましたが、「健康ランド」も皇帝に要求したのでしょうか。カラカラ浴場、ぜひ一度訪れてみたい場所のひとつです。

>O塚 さん
コメントありがとうございます。
さすがローマ史に詳しいですね。カエサルと像にそんなつながりがあるとは思いませんでした。では、像の鼻からお湯が出るというパフォーマンスも、ある意味ローマ的なんですね。勉強になります。

>美砂 さん
コメントありがとうございます。
ローマ風呂、なかなか良かったですよ。疲れは癒せたのですが、帰りに渋滞にはまってしまい、余計つかれてしまった感が少しありますが。

日本に帰国してもちゃんと休みをとっていい仕事をしようと思います。そのあたりはフレンチ&イタリアンな感覚をしっかり発揮する予定です。

このブログがどうなるか、私にも分かりません。ただ、テーマと期限のターゲットを明確に書き続けてきたので、このままダラダラと書き続けるのは適当ではないと考えています。
 
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