宇宙航空MBAブログ

Aerospace MBA(フランス・トゥールーズ)が考える宇宙航空マネジメントの進化系ブログ

商業成立性

2008年04月12日 | MBA
 
何か新しいタイプの航空機を開発するとき、技術的にそれが可能かどうかを考えることは基本的にエンジニアや研究者の仕事だと僕は思う。しかし、それだけでは間違いなく不十分で、開発成功後に確実に世の中から消えていく航空機への第一歩だと思う。

忘れてはならないのは商業成立性の検討だ。つまり、どのくらいの開発費で、どのくらいの開発期間で、どのくらいの生産能力の下に、どのくらいの座席数の航空機を、誰に対して、どの程度の価格で提供すれば商業的に成立するかについて、航空機メーカーと航空会社の双方の視点からしっかりと分析し、機体仕様を決定をしなければならない。そこにAerospace MBAの活躍の場があると僕は思っている。

MBAを取得してから、こういった課題に関する問い合わせや相談をよく受けるようになった。これはMBA取得前と取得後の大きな違いの一つだ。MBAで得た知識と経験の全てが僕のブランド価値となって、以前では全く考えられなかった仕事に関わらせてもらえるようになったのだ。

まだ正式決定ではないので公表できないのだけど、今後数十年先の旅客機に関する商業成立性検討を僕は引き受けることになるかもしれない。個人的に趣味でやるのではなく、あくまで仕事として、結果責任とともに引き受けるつもりだ。そして、これが第一の目的ではないけれど、最終的には内容を論文にまとめて世間に公表したいと思っている。世の中からの評価は必ず未来の自分の進歩に繋がると僕は信じているからだ。

今年の夏も面白い夏になりそうだ。いいチャレンジができると思う。

(写真は未来の航空機イメージの一つ。米DARPAのホームページより。)
 


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3 コメント

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まぬけなコメントですみません (かなこん)
2008-04-13 20:44:39
写真の航空機を見たときに
「シャチや鯨みたいで、かわいい」
と思いました。
海の中をすすむように、空の中を進んで欲しいです。

いいチャレンジという楽しみができたんですね。
楽しんで書き上げてください☆
楽しみにしています。
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真価と進化 (レーコ)
2008-04-14 14:11:51
航空機の商業成立性…。
面白そう!
すごく面白そうです!!
商業宇宙法が論文テーマだった頃の血が騒ぎます。

未来を見据えて今、どう行動するか。ビジネスでも個々人の人生にも常についてくる課題ですね。特に
(人の)お金が絡む事柄に対しては、出資者が負う成果と責任・リスクを明確にせねばならないし。
そう考えると日本の宇宙開発も、好き嫌いに関わらず徴収される税金からではなく、参入を希望する民間企業によって支えられる日が来るといいですよね。そのために関係者は日夜頑張っておられるのでしょうけど。。。
民間移管を進めるにしても、まだまだ限られた裾野の宇宙。その拡大に、理論と実践・行動力の気概に溢れた人材の出現が待たれるところです。

学問の理論を現場で実践できるなんて、努力の賜物だと思います。異国に翔んでMBAを修めた真価を発揮できる時が近づいていますね。
この夏は何が起こるのでしょうか。期待しています。
…あぁ私も燃える思いで仕事したい!!
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シャチ (Aerospace MBA)
2008-04-19 00:14:04
>かなこん さん
コメントありがとうございます。

確かに、シャチに見えますね。マーキング次第で、マンボウに見えるかもしれません。おそらく1,000人くらいの乗客が一度に乗れて、地上の滑走路からではなく、地上1,000メートルのビルの屋上で離着陸するので、騒音なども全く問題にならないでしょうね。実現したらスゴイと思います。

>レーコ さん
コメントありがとうございます。

そうでねえ、僕の個人的な意見ですが、この世の中に楽しい仕事なんてものは存在しなくて、結局あるのは「仕事」なんだろうと思います。ただ、それを楽しくするか、楽しくないものにするかは、自分次第というのが僕の考えです。

今の仕事は、いかにして宇宙開発に投入されるリソースを官から民にシフトさせるか、を主題にしているのですが、これがかなり難題。MBAで学んだ知識がそのままストレートに役立つことはあまり多くないですが、あらゆる判断の場面で僕の自信となり、勇気となってくれています。
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