宇宙航空MBAブログ

Aerospace MBA(フランス・トゥールーズ)が考える宇宙航空マネジメントの進化系ブログ

ライバルの独占

2008年04月20日 | MBA
 
世界のターボプロップ機市場(50席~70席クラス)は、カナダのボンバルディア社とフランス・イタリアのATR社にほぼ独占されていることは前に書いたと思う。そして、現在の日本の空はボンバルディア社に独占されているという事実も書いた。その独占がまた一歩日本の空で進行しつつある。

先日のメディア報道で知ったのだけど、羽田空港と三宅島を結ぶ航空路線の再開にボンバルディア社のDHC-8 Q300機が投入されることとなったらしい。つまり、ATR社のライバル機がまた一つ日本の空の路線を飛ぶことになったのだ。新たに機体を購入して運行するわけではないので、日本国内に存在するターボプロップ機の総数としては変わらないが、依然としてATR機が日本の空を飛んでいないことには変わりない。僕にとってはこの事実がとても歯がゆい。

世界市場でのATR機の売れ行きは極めて絶好調だ。僕がフランスを離れる直前に開発ローンチが正式発表されたATR-600型機をはじめ、世界各国の航空会社がこのシンプルで燃費が極めて良く、高い定時運行性を誇り、かつ、価格もリーズナブルなATR機を争うようにして求めている。航空機マーケットは11年周期で浮き沈みを繰り返すことが過去のデータから証明されているが、昨今の原油高の高騰を背景に、ATR社の躍進はまだまだ続きそうだ。

僕の大学時代の友人の一人がタイのバンコク航空でキャビン・クルーとして働いているのだけど、そのバンコク航空はATR機をさらに5機も購入した。おそらく、タイの国内線のほか、東南アジアの近隣諸国へのフライトなどに使うのだろう。これでバンコク航空が所有するATR機は将来的に10機にもなる。ATR社の有力顧客航空会社だ。僕が言うのも変だけど、Merci beaucoup!

なんとかATR機に日本の空を飛んでほしい。そのために僕ができることを、着実にやっていこう。

(写真はボンバルディア社のDHC-Q300機。All-AirlinersのHPより。)
 


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2 コメント

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お久しぶりです (sonoda)
2008-04-20 23:21:44
Aerospace MBAさん、こんばんわ。
Sonoda(Globis)です。
覚えてくださっているでしょうか。

お久しぶりにblogを訪れました。
日本でますますご活躍の様子に、私も勇気をいただきました。
というのも「海外へ勉強にいく」というチャレンジをするかどうか、とても迷っていたのです。
ですが、世界を舞台に・世界を視野に活躍をしていらっしゃるのを見て、決断をしました。
やはり、自分の可能性を拡げるため、チャレンジしようと思います。

私もがんばりますね。
ありがとうございます。



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Bonjour! Ca va? (Aerospace MBA)
2008-04-20 23:52:48
>Sonoda さん
コメントありがとうございます。そして、本当にお久しぶりです。フランスから無事帰ってきました!

日本で活躍(?)できているか不明ですが、今の自分にできることをしっかり見極めて、一歩一歩前に進んでいる感じです。

GLOBIS時代が懐かしいですね。その節は大変お世話になりました。あの一科目があったからこそ、僕の世界への扉は開いたと思っています。

もしよければ情報交換にまた集まりませんか?

ご連絡、お待ちしています。一緒にペリエ飲みにいきましょう~!

<↓連絡先メールアドレス>
aerospacemba@mail.goo.ne.jp

それでは、また。
 
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