Tours&Poitiers(トゥール・ポワティエ)といえば、世界史を習ったことがある人なら一度は聞いたことのある地名だと思う。8世紀にフランスを支配していたフランク王国のカール・マルテルが、激しい戦闘の末にイスラム教徒を撃退した場所として有名だ。確か、トゥール・ポワティエの戦いは732年だったと思う。
トゥール・ポワティエの旅1日目の今日は、トゥール周辺に点在するシャトー(古城)を巡る。古城はトゥールの町を中心とした半径60kmの範囲内に点在しているので、車がないと思い通りの観光はできない。そのためにわざわざ数百キロも運転してトゥールーズから車でやってきたのだ。
まず最初に向かったは、トゥールから一番遠い距離にあるChambord(シャンボール)城。16世紀のフランソワⅠ世によって建てられた、趣味の「狩り」を楽しむための城らしい。趣味とはいってもそれはフランス国王の趣味。当然、スケールは全然大きい。
彼はイタリア遠征によってルネッサンスの影響をかなり受けたようで、このお城のデザインにもイタリア・ルネッサンスの革新的な建築が多数取り入れられていた。昇り降りする人々が決してすれ違うことのない二重らせん階段は、本当にトリッキー、かつ、見事なデザインだった。一説にはレオナルド・ダ・ヴィンチの発想によると言われているのも、なんとなく納得できる。
シャンボール城のテラスでフランス国王の気分を満喫した後、僕はロワール川のほとりにあるAmboise(アンボワーズ城)へと向かった。ここには、なんとレオナルド・ダ・ヴィンチのお墓がある。イタリア人だとばかり思っていたのだけど、彼はフランソワⅠ世に招かれて晩年をここトゥールで過ごし、そのままフランスで没したらしい。
お城の近くにはレオナルド・ダ・ヴィンチが住んでいたという家も残されていて、今は博物館として一般に公開されている。イタリア人の独創的な発想に魅了され続けている僕としては当然見学したいところなのだけど、どうせならイタリアに行って本家本元のレオナルド・ダ・ヴィンチの作品に出会いたい。ここフランスで展示されているのは全てレプリカだと思うので、残念だけど今回は我慢しておこう。
それに、明日はもう一つの目的地であるポワティエに行かなければならない。あともう2つほど観ておきたいお城があるので、僕はアンボワーズ城を駆け足で観て回った後、次なる目的地のChenonceau(シュノンソー)城へと向かうことにした。
(写真はトゥール近郊のシャンボール城。)
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