宇宙航空MBAブログ

Aerospace MBA(フランス・トゥールーズ)が考える宇宙航空マネジメントの進化系ブログ

病院へ行く

2006年10月26日 | フランス
 
先日フランスに来て初めて病院へ行ってきた。といっても僕が病気になったわけではなく、Carte de Sejour(滞在許可書)を取得するために必要な健康診断を受診するためだ。

すべてフランス語で行われるとの噂を聞いていたので僕も少し緊張して行ったのだけれど、とりあえずなんとか乗り切れたのはここ3ヶ月のフランス語特訓の成果だと思う。それだけは素直に喜こんでおこう。

しかし、正直フランスの健康診断のいい加減さには驚いてしまった。もちろん健康診断に限ったことではないのかもしれないけれど。

まず身長測定と体重測定。計る単位がとにかく大雑把。身長は5cm単位、体重は5kg単位で計測しているのではないかと思うほどだ。記憶では僕の身長と体重はそんなにキリのよい数字ではなかったはずだ。でも結果は。。。。まあ、いい。身長も体重も健康にはそんなに関係ないし。計測結果をちゃんと見ることなく“大体このくらいかな?”で次々と数値を用紙に記入していくフレンチスタイルを許そう。

そして視力検査。ちゃんと計測機器は置いてあるのだけど、なぜか視力を測ろうとしない。なぜだ?その代わりに「最近視力を測ったのはいつ?」と質問された。フランスに来る直前に日本で海外赴任前健康診断を受診したので、「7月だ」と答えると、「じゃあ、3ヶ月も経ってないし、やらなくていい。」との返答が。僕は一体何をしにここに来たんだと言いたい。

次はX線検査。一応これは撮った。でも、日本では放射線防護のために測定者は必ず別の部屋で機器を操作するのが普通だけど、フランスでは同じ部屋でそのまま撮影。キミ毎日こんなやり方で仕事してて放射線被爆量大丈夫なの?と逆に心配になってしまった。

そして最後はドクターによる問診。待ち時間30分、問診時間1分。出来上がったばかりの僕のX線写真を見て彼が一言。「キミ、タバコ吸う人?」。僕が「Non, ju ne fume pas.(いいえ、吸いません)」と答えると、「あ、そう。ならキミ大丈夫。問題なし。以上です。」って、ドクターあんた本気で診る気あるのか!と言いたくなる程の短い時間ですべての健康診断が終了となったのでした。

健康診断のために割いた時間4時間、診察にかかった時間5分。このアンバランスさを「う~ん、フレンチスタイル!」と感じてしまう程、僕もフランスというものに慣れてしまった。

ということで、良好だという診断結果をどこまで信じて良いのか分からないフランスの健康診断だったのでした。


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4 コメント

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大雑把すぎです(笑) (かなこん)
2006-10-26 13:00:10
ツッコミどころ満載な日記に、読みながら笑いが耐えませんでした!



おもしろい国の文化ですね。日本人がいかに几帳面または正確さを要求する文化を持っているのかを痛感しました。小数点まではじきだす身長や体重なんて、フランスじゃありえんのでしょう♪



題名だけ拝見したときは「病気!?」と思ってあせってしまいました。今考えると…、ネーミングにやられてますね(笑)

健康な体で(?)、何よりです!
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健康第一 ()
2006-10-26 13:01:33
何はともあれ、健康第一でなによりです。



「空気」と「健康」のありがたみは、

無くなってみないとわからないからねぇ。。

くれぐれも飲みすぎには注意してくださいな。

(私に言われたくない?!)
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反面教師 (レーコ)
2006-10-26 23:28:24
アンバランスさに怒りを感じるのではなく、慣れたというのはスバラシイですね!

テキトーな医者に出会うと、自分の健康を自分で意識しなければ…と思います。バンコクのお医者さんもホントにアンバランスです。「もう終わり!?」って日本語が出てきてしまうくらい。

医者要らずの健康体でフランス生活をEnjoyなさってくださいね。

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正確さということ (AerospaceMBA)
2006-10-27 08:26:48
>かなこん さん

コメントありがとうございます。

確かに身長と体重を小数点以下まで計測する意味ってよく考えると理解に苦しみますね。“正確さ”の定義自体が日本とフランスでは違うのでしょう。



高校生の頃、国語の授業で『正確さということ』という文章に出会いました。地球は実際には完全な球体ではなく扁平な形をしているという事実を知った人は、ほぼ例外なく夏みかんのような縦横の比率が異なる形が地球の真の姿であるイメージしてしまう。しかし実際の地球の姿は、コンパスを使って円を書いたときにその円を描いた数ミリの線の幅に収まるほどの扁平率でしかなく、少なくとも人間の目には完全な円にしかみえない。



数字の正確さを追求するのではなく、“とらえ方の正確さ”を追求することの大切さを僕に教えてくれた文章でした。



>壷 さん

コメントありがとうございます。

確かにその通りですね。空気も健康もなくなってみないとその重みが分からない。だからこそ普段から意識して感謝の心を忘れないようにしたいですね。



>レーコ さん

コメントありがとうございます。

慣れた、というよりも、ありのままを受け入れる勇気が芽生えてきた、といった感じです。フランスに来た当初は、小包を家まで配達してくれない郵便局(なぜか取りに行かされる)にキレそうになったこともありました。

すべては時が解決してくれるのでしょうね。人間の適応能力、すごいと思いました。

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