宇宙航空MBAブログ

Aerospace MBA(フランス・トゥールーズ)が考える宇宙航空マネジメントの進化系ブログ

StrategyとManagement

2007年08月23日 | MBA
 
今日ATR社の僕の部屋でコーラを飲みながらふと考えたことがある。Strategy(戦略)とManagement(マネージメント)の本質的な違いとは一体何だろうかということだ。

僕の中で戦略立案とは「0.1%でも勝つ可能性の高い方策を考えること」と定義されている。しかし、よく考えたらマネジメンも「0.1%でも目的を達成できる可能性の高い方策を考え実行すること」と定義できるような気がしてきた。これらの違いは一体どこからくるのだろうか。それが今日突然僕の頭の中に降って沸いてきた疑問だ。

僕はUSBキーに大切に保存してあるMBAのファイルを復習してみることにした。今担当しているATR社のビジネス開発戦略に全く関係ないということもないので、ちょっとくらい仕事を中断しても問題ないだろう。基礎科目で習ったこと、プロセスワークショップの資料、選択科目のファイルなど、1時間くらいかけて大体の資料にざっと目を通してみた。

その中で限りなく答えに近い情報を僕に与えてくれたのが、オペレーション戦略を担当してくれたUche教授の講義ノートだった。オペレーション戦略とオペレーションマネジメントの違いを、4つの視点からクリアーに説明してくれている。

まず、Time-Scale(時間的な軸)でいうと、「戦略」が1年~10年という長い期間における需要の変化にどう対応するかを考えるのに対して、「マネジメント」は最大でも1年間という期間の中での需要の変動をどうやって平準化して乗り切るかを考える。期間、そして、需要への対応の仕方という違いだ。

次に、Level of Analysis(分析のレベル)でいうと、「戦略」がMacro(マクロ)な視点からNetwork(ネットワーク)全体を俯瞰して考えるものであるのに対し、「マネージメント」はMicro(ミクロ)な視点からProcess(プロセス)に着目して考える。どこに立ち、どこを見て考えるかという違いだ。

次に、Level of Aggregation(まとめのレベル)でいうと、「戦略」が大体のレベルでまとまっていればいいのに対し、「マネージメント」ではDetailed(詳細)なレベルでのまとめが要求される。最終的に求められるアウトプットのあり方の違いだ。

最後に、Level of Abstraction(抽象度)でいうと、「戦略」がPhilosophical(哲学的)であっても良いのに対し、「マネージメント」はよりConcrete(具体的)でなければならない。思考の質の違いと言ってもいいかもしれない。

こんな感じでUche教授の講義ノートは見事に僕の疑問に答えのキッカケを与えてくれた。MBAの授業に出ていた頃には考えもしなかったことなのだけど、こうして振り返ってみると、極めて奥が深い内容を実際に僕は学んでいたことが分かる。

まだ時間はある。習ったことをしっかり消化して、自分のモノにしていこう。

(写真はAerospace MBAにおけるUche教授の講義ノートより。)
 


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2 コメント

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単純に ()
2007-08-24 10:28:39
「考えること(思考)」と「行動すること(実行)」じゃないのか?


こちらはホントに暑くて夏バテ気味でござるよ。
今まで夏バテらしい夏バテになったことがなかったのだが。
ま、単に歳取ったせいかもしれなけど。

来週1週間お休みにしようかと思ったけど、雲行きが・・・(合掌)。
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バカンス (AerospaceMBA)
2007-08-30 06:59:29
>つ さん
コメントありがとうございます。
バカンス、取れてますか?イタリア系の「つ」さんのことですから、バカンスは最優先でとるべきだと思います。

もし仕事でバカンスがとれない場合は、パスタとピザとエスプレッソを飲んで耐えてください。
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